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出汁の粉とオリーブオイルでメンタルの回復が促進される!?


食べなきゃ危険!』食卓はミネラル不足 
小若順一 国光美佳 食品と暮らしの安全基金 著

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 現代人の食生活は豊かそうに見えて実は栄養失調なのか?

この本は私たちが新型栄養失調であるらしく、具体的には深刻な「ミネラル不足」になっていることを指摘しそれを補う方法がメインテーマになっている。
 
本のタイトル上の対象者は子どもの発達障害だが、中身は子どもに限らず大人の生活習慣病やメンタル疾患ついても書いてある。
 
現代の私たちの食生活は栄養が不足しているいわゆる『新型栄養失調』であるという指摘については、この本の著者である国光・小若氏の指摘とその他栄養療法を扱う医師の意見も大体一致している。
 
そして栄養失調が起きる理由として日本の土壌が農薬や抗生物質で汚染され、化学肥料で育った野菜は見た目は立派でも十分な栄養分を持っていないことを挙げている。これは深刻な世界的問題だ。
 
私も長らくメンタルの不調の方を取材しているが、経済的な制約や調理の大変さもあり、コンビニの食べ物や外食など、冷凍食品やインスタント食品中心で野菜そのものも不足しているが、たとえ野菜を食べていても栄養価の低い野菜であること、また加工品など添加物の多い食生活をしている人が非常に多いことを危惧している。
 
また、若年性の統合失調症発症や、うつ病は大学進学などで親元を離れて食生活が変化した時に発症するケースも多いので、栄養不足という環境変化がストレスと共にメンタル疾患発症の1つの原因ではないかとも考えている。

ミネラル不足は3つの大きな要因から起こっている


1水煮食品の増加
2リン酸塩使用食品の増加
3精製油の使用

 
【3つの原因の解説】
1 水煮食品はニンジン、イモ類などの根菜類を中国やベトナムなどで加工し水煮して、味や栄養素を無くしたものをパックして冷凍してから輸入する。それを煮物にしたりカレーなどレトルトパックにしたりしているため、味はついていても野菜本来のミネラル分がすっかり抜け出してしまっていると著者は指摘する。食材を工業製品的に大量生産して市販するのは、味を均一にする必要があるのと、コストが安いので水煮野菜は外食産業でも病院や施設食でも主流になっているようだ。
 
2 リン酸塩は、水煮野菜にも使用されているが、ハムやソーセージ、練製品や、冷凍食品、お菓子、また肉を柔らかくするなど、乳化剤や食感を向上させるために頻繁に使用される。リン酸塩には体内にある亜鉛やカルシウム、ミネラルなどを体外に出してしまうという性質があり、腎機能低下を誘発するとも言われている。
 
さらに私たちの大好きな揚げ物などに使用されている精製油はサラダ油、菜種油、大豆油、コーン油、サフラワー油も、日持ちの良さや、色などのイメージの問題により、油以外の成分を不純物として抜いているのでミネラルはほぼゼロになっているという。
 
また私たちの主食は精製された小麦粉で作ったパンやパスタや白米のご飯をなので、ここでもミネラルは不足してしまう。
 
こうやって見てみるとミネラル不足が起こっている。とはいえ食生活全般を見直し、日常に溢れている食品添加物を一気に排除するのはそう簡単ではない。有機野菜も価格が高く手に入りにくいしね。

ミネラル不足を手っ取り早く解消する小魚から作った出汁粉


このように色々な条件からミネラル不足になってしまう私たちの食生活について、ミネラル不足を解錠する手っ取り早い方法として著者が薦めているのは、だし粉とオリーブオイルを摂取することだ。オリーブオイルはコールドプレスと言って非加熱ものが良いという。
 
具体的には家庭で簡単にできる方法として、まず煮干しなどのだし粉を入れた味噌汁や だし粉をふりかけとしてご飯や料理にかけることを推奨している。まあこれは意外と簡単!
 
実際に発達障害と診断された子どもたちが、だし粉を料理にふりかけたり、毎日だし粉入りの味噌汁を飲んだり、ミネラルの豊富なオリーブオイルを摂取することで劇的に改善した例も紹介されている。
 
ハウツー本の実例なので特に回復した例だけが掲載されていることは間違いないが、私が実際に取材した方にも、味噌汁とオリーブオイルが功を奏して向精神薬を少しずつ減らし自然に断薬できたという方が何人かいる。

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