2024/08/06 熱風(ねっぷう)
暑い。
真夏の都会。山向こうからの旅行は別世界に来たみたいだ。地下鉄に地下道と移動するだけなら日差しを避けることができるのも異世界だ。
「迷わなかった?」
待ち合わせ相手がそう聞いてくる。がっつり迷った。迷路のような駅を構内図と合わせて現在地を把握して、目的の場所にたどり着くまでに大量の人波をかき分けてすでにぐったりだ。
「迷ったし、酔った」
ひとヒト人……どこにいたのかと思うくらいの人があふれている。
「コンビニでも入って涼む?」
私はそれに頷く。コンビニも思ったよ