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365日のてのひら話

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200文字を基本に500文字までの物語。
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記事一覧

2024/08/09 絵空事(えそらごと)

「画伯、寝てるよ」 同居人の声に目が覚めた。気が付くとペンが手から落ちている。よだれをた…

名野凪咲
8時間前

2024/08/02 「ビーズの日」

キラキラとした小さなボールが廊下に転がっていた。摘まみ上げると穴が開いているビーズだった…

名野凪咲
21時間前

2024/08/08 鮎の宿(あゆのやど)

山間部の渓流に来たのは、同居人がアユを食べたいと言い出したからだ。 この暑さの中でも山は…

名野凪咲
1日前

2024/08/01 「配置薬の日」

「こんにちは。薬の箱、あるけ(どこにある)?」 大きな箱を持ったおじいさんが家にやってく…

名野凪咲
1日前

2024/08/07 帰省子(きせいし)

「お盆ってそっちもあるの? お家に帰る?」 友人がそう聞いてくるので、『お盆はない』『秋…

名野凪咲
2日前

2024/07/31 「蓄音機の日」

クラッシックな音楽がリビングに流れている。有名な曲だけれど曲名は知らない。 不思議に思い…

名野凪咲
2日前

2024/08/06 熱風(ねっぷう)

暑い。 真夏の都会。山向こうからの旅行は別世界に来たみたいだ。地下鉄に地下道と移動するだけなら日差しを避けることができるのも異世界だ。 「迷わなかった?」 待ち合わせ相手がそう聞いてくる。がっつり迷った。迷路のような駅を構内図と合わせて現在地を把握して、目的の場所にたどり着くまでに大量の人波をかき分けてすでにぐったりだ。 「迷ったし、酔った」 ひとヒト人……どこにいたのかと思うくらいの人があふれている。 「コンビニでも入って涼む?」 私はそれに頷く。コンビニも思ったよ

2024/07/30 「人身取引反対世界デー」

「今日、行くところがないの? だったら、ウチくる?」 私に手を差し出してくれたのは、綺麗…

名野凪咲
3日前
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2024/08/05 暈(かさ)

ひょこんひょこ。 遊ぶように茅の輪をくぐったり抜けたりしている子供がいる。 あれは……一…

名野凪咲
4日前

2024/07/29 「七福神の日」

神様たちはいつも争っていた。 『七福神』の座をかけて。 「私がその椅子に座るべきだと思う…

名野凪咲
4日前

2024/08/04 消滅飛行機雲(しょうめつひこうきぐも)

うっすらと伸びる雲の中に一筋、雲の消えている線が伸びている。 飛行機雲の逆だ……そう思い…

名野凪咲
5日前

2024/07/28 「菜っ葉の日」

シャリシャリ 変な音がリビングから響いてきた。見てみると友人がお皿にレタスを載せて、それ…

名野凪咲
5日前

2024/08/03 風死す(かぜしす)

ふわりと通り抜ける風を感じながらうとうとしていると、ピタリと風が止まってしまった。 風が…

名野凪咲
6日前

2024/07/27 「スイカの日」

グシャ 思ってもない音が響く。私は目隠しをとった。目の前にあったのはスイカではなく、トマトだった。周囲がくすくす笑っている。 「もったいなーい。食べたら?」 スイカはリーダーの向こう側に隠されている。 言いかえそうとした言葉を飲み込んで私は持っていた棒を無言で振り上げた。そのままその場にいた子たちを叩いていく。大人が走って来るのを見て、私は棒を捨てて走り去った。 つまらない。下らない。準繰りのいじめ。 「スイカ、いる?」 そう声をかけられて顔を上げると、いとこのおね