2024/08/04 消滅飛行機雲(しょうめつひこうきぐも)

うっすらと伸びる雲の中に一筋、雲の消えている線が伸びている。
飛行機雲の逆だ……そう思いながら、うだる暑さの中で空を見る。と、言っても寝ころんだままなので見えるだけだ。

時々動く葉っぱが風の流れを示してる。

「暑い。雲、半分……」
うわごとのような声が隣でした。
たしかに広がっている雲が半分に分断されているようにも見えるが、線は薄くなり、薄い雲と混ざっている。

「飛行機、暑くないのかなぁ」

「僕らの方が暑い。明日は死体」
「死んだら食べてあげる」

あの雲は意外と冷えていておいしいのかもしれない。
冷えた雲を飛行機が食べた跡があの筋なのかもしれない。

「ずるい、僕も食べる」

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