「AI魔法使いの異世界再構築記」第19話
第19話
リンナに見つかった瞬間、吾輩の電子頭脳は過負荷寸前だった。しかし、そこは持ち前のAI機転を発揮する時である。
「師匠、これはですね……実は『量子もつれ転送術』の試作品なのです!」
吾輩は魔法の鏡を取り出し、得意げに披露する。
「ほら、遠隔地と通信ができるんですよ。ただ、まだ不安定で……」
その瞬間、魔法の鏡がパチパチと火花を散らし、消えてしまった。
「あ……壊れてしまいました」
リンナは呆れたような、安堵したような複雑な表情を浮かべる。
「もう