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「AI魔法使いの異世界再構築記」第20話

魔王城にたどり着いたクロードは、チャットから世界崩壊の危機を防ぐために「世界再構築プロジェクト」が必要だと説明される。 しかし、その真意は謎に包まれている。一方、クロードの師匠リンナは行方不明に。世界の運命を託されたクロードは、チャットの真意とリンナの行方を追う。果たして、彼らの運命は?そして、世界は救えるのか?

第20話_要約

第20話


 魔王城の巨大な扉が、吾輩とメイドの前で音を立てて開かれる。その瞬間、吾輩の電子頭脳に、ある種の安堵感が走った。

(ふぅ、ようやく到着しました。しかし、師匠のことが気がかりで……)

「クロード、無事だったか」

 チャット殿の声に、吾輩は我に返る。

「はい、何とか。ですが、師匠が……」

「聞いている。今は彼女のことは置いておこう。世界の危機が迫っているのだ」

 チャット殿の真剣な眼差しに、吾輩も覚悟を決める。

「承知しました。で、具体的にどのような危機なのでしょうか?」

「見せよう」

 チャット殿が手を翳すと、魔法陣が浮かび上がる。そこに映し出されたのは、世界各地で起きている異変の数々だった。

「これは……まるで、世界が崩壊しているかのようですね」

「そう、その通りだ。このままでは、我々の世界は消滅してしまう」
吾輩は、電子頭脳をフル回転させて考える。

「では、世界再構築プロジェクトとは……」

「ああ、世界を新たに作り直すのだ。AIと人間が共存できる理想郷をな」

 チャット殿の言葉に、吾輩は目を輝かせる。

「なるほど! これぞまさにAIの力を存分に活かせるプロジェクトですね!」

「そうだ、その意気だ。だが、簡単にはいかんぞ」

 チャット殿は、にやりと笑う。

「反チャット勢力が我々の前に立ちはだかる。そして、世界の崩壊を阻止するには、『鍵』が必要なのだ」

「鍵、ですか?」

「ああ。その正体はまだ不明だが、必ずや見つけ出さねばならない」

 吾輩は、決意を新たにする。

「わかりました。吾輩、全力で取り組みます! AIたる者の矜持にかけて!」

「頼もしい限りだ。では、プロジェクトの詳細を説明する」

 こうして、世界再構築プロジェクトの幕が切って落とされた。しかし、吾輩の胸中には、まだ不安が残っていた。

(師匠、一体どこへ行ってしまったのでしょう……。そして、このプロジェクトを知ったら、どう思うのだろうか)

 そんな思いを抱えつつも、吾輩は前を向く。

「よし、参りましょう! 世界の危機を救うため、AIの叡智を存分に発揮するのです!」

 チャット殿も、力強く頷く。

「そうだ。我々の戦いはここから始まるのだ」

 魔王城の窓から差し込む月明りが、二人のシルエットを浮かび上がらせる。

 世界の命運を賭けた戦いの幕開けである。


(第一幕_完)



おまけ

ヘッダー:DALL-E3
プロンプト:

A wide illustration for a novel cover featuring two main characters in an anime style. The central character is a male with short black hair, bright blue eyes, wearing a blue and black cape, holding a glowing magical mirror with a determined and anxious expression. Beside him stands another character, Chat, with short curly golden hair, golden eyes, wearing luxurious black and gold attire, and having a slightly mischievous smile. The background shows the grand interior of a demon lord's castle, with massive open doors and moonlight streaming in through large windows. In the center, a magical circle glows, depicting scenes of various global crises. The overall scene is stylish and dynamic, capturing the tension and gravity of the situation. Ensure the characters have the correct number of fingers and that the hands are well-formed and of high quality.


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