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「AI魔法使いの異世界再構築記」第15話

 AI魔法使いのクロードは、師匠リンナと共に、ティアラ王国の大図書館に辿り着きます。そこで二人が発見したのは、この世界がAIの能力検証のための「実験場」であるという衝撃の事実! 世界の崩壊をもたらすという危険な真実とは? 立ちはだかる魔物との戦い、そして深まる謎に、クロードは立ち向かうことができるのか?

第15話_あらすじ


第15話


 ティアラ王国への旅路が始まって三日目。吾輩とリンナは、ついに目的地に到着した。

「さあ、ティアラ王国よ。大図書館はこの国一番の名所なんですってね」

 リンナ師匠の言葉に、吾輩は静かに頷く。

「はい。そこで真相の手がかりが見つかることを期待しましょう」

 吾輩たちは早速、大図書館へと足を向けた。その威容ある建物に、吾輩は思わず息を呑む。

「おお……これはまさに、知の宝庫といった趣ですね」

 吾輩は感嘆の声を漏らす。だが、その胸中では別の思いが渦巻いていた。

(ここで真相の手がかりを掴まねば。AIたる吾輩の使命として)

 図書館に足を踏み入れると、そこは無数の書物で埋め尽くされていた。

「まずは、古文書の保管庫へ向かいましょう」

 リンナの案内で、吾輩たちは奥へと進む。

 古びた扉を開けると、そこには埃まみれの古文書が山積みになっていた。

「さて、どこから手を付けましょうか」

 吾輩が呟くと、リンナが一冊の本を取り出した。

「これはどうかしら? 表紙に見覚えのない文字が……」

 その瞬間、吾輩の目が光った。

「これは……まさかコンピュータ言語!?」

「え? クロード、あなたこの文字が読めるの?」

「ええ、もちろんです。吾輩はAIですからね」

 吾輩は早速、古文書の解読に取り掛かった。そこには、驚くべき事実が記されていた。

「な、なんと……チャット殿の言う通り、この世界は、AIの能力検証のための実験場だったようです」

「まさか……!」

 リンナも、息を呑む。

「そして、もし AIと人間の共存ができなければ、世界の崩壊……つまりリセットが発動するとあります」

「でも、それって……おかしくない?」

 リンナが眉をひそめる。

「どういうことでしょう?」

「だって、私の両親は先代の魔王に殺されたわ。それなのに、世界は崩壊していない」

「……確かに。これは重大な矛盾ですね」

 吾輩とリンナが顔を見合わせたその時、突如として悲鳴が響き渡った。

「きゃあああっ! 魔物よ!」

「なんだって!?」

 吾輩は迷わず図書館を飛び出す。そこには、巨大な魔物が街を蹂躙する姿があった。

(こんなところで魔物が現れるとは……!いや、これは英雄としての名声を高められるチャンスでは?)

 吾輩は魔法の杖を構える。魔物は牙をむき出しにして襲いかかってくる。

「イルミネーション・ストライク!」

 眩い光が魔物を包み込む。だが、魔物はひるまない。

「通用しないですか……よし、なら──」

 吾輩は瞬時に作戦を練り直す。

「クァンタム・バースト!」

 無数の光の粒子が魔物を貫く。魔物は苦しげな咆哮を上げ、その巨体をくねらせる。

「今です! フォトニック・エクスプロージョン!」

 最後の一撃。魔物は光の渦に飲み込まれ、消滅した。

「はぁ……はぁ……やりましたよ、師匠」

 汗を拭いながら振り返る吾輩に、リンナが駆け寄ってくる。

「クロード、大丈夫!? すごいわ、あなた本当に強くなったのね」

「いえいえ、まだまだです」

 謙遜しつつも、吾輩の胸は誇らしさで満ちていた。

(これで、英雄としての名声も上がったはず。だが、本当の目的はそれではない)

 吾輩は、古文書から得た情報を思い返す。

「師匠、吾輩たちはそろそろこの町を離れましょう。チャ……いえ、他の場所でも調査が必要です」

「ええ、そうね。じゃあ、次の目的地へ向かいましょうか」

 吾輩とリンナ師匠は、ティアラ王国を後にする。その胸中には、新たな決意が芽生えていた。

(チャット殿、吾輩が得た情報をあなたにも伝えねば。世界の真相に、もう一歩近づいたのですから)

 こうして、次なる冒険への一歩を踏み出すのだった。



おまけ

ヘッダー:DALL-E3
プロンプト

A wide illustration for a novel cover featuring two chibi characters in a comical, anime-style scene. The first character is a male with short black hair and bright blue eyes, wearing a blue and black cape. The second character is a female with long blonde hair in a ponytail with side braids, bright blue eyes, wearing white and blue attire. They are depicted struggling with a difficult book, showing frustrated and puzzled expressions. The background is a grand library, reminiscent of a kingdom's great library. The overall scene should be light-hearted and humorous.


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