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100冊読書チャレンジ 感想2

こんにちは。100冊読書チャレンジ第2回です。今回は様々なジャンルからメッセージが似ている本をテーマにしてみました。

4. 『FACTFULNESS -10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣-』ハンス・ロスリングら著

ややブームに遅れて、ベストセラーの『FACTFULESS』を読んでみました。この本は国境なき医師団を創設した医学者のハンス氏らによって書かれたものです。概要としては、データを用いてみれば、私たちの思い込みとは違う世界の姿がみえてくる、ということを示すものでした。

読んだことない方はこちらのクイズを解いてみてください。どのくらい正解できたでしょうか。私は初めてこれを解いたとき、自分がどれほど「世界は貧しくて、特に低賃金国では教育や医療インフラが不十分だ」と考えていたか、痛感しました。そのうえで固定概念を疑い、客観的な事実に基づいて適切な思考や行動をすることが重要です。

一方で、そのリソースとなるデータや事実にもバイアスはあります。そもそも集められたデータがどれほど確からしいのか、自分が見たい事実だけを無意識に選択していないか…など。自分の思考のクセを理解したうえで、偏った思考にならないためにも、様々なジャンルの本を読むことは本当に大事だなと再確認しました。


5.『「家族の幸せ」の経済学 -データ分析で分かった結婚、出産、子育ての真実-』 山口慎太郎 著

関連して、育休や産休の政策効果を統計分析によって示した名著がこちらの本です。著者の山口氏は東京大学経済学部の教授で、家族の問題を扱う「家族の経済学」と雇用・人事を分析対象とする「労働経済学」を専門としています。

この本では、自然実験などで得たデータをもとに実証分析をした論文が参照されており、『FACTFULNESS』よりはやや経済学チックになっています。こう書くと難しそうですが、取り上げられる事例は非常に身近な内容ですし、山口氏の育児の実体験を交えて文章が進むので理解しやすいです。

個人的には「育休3年制」の是非について述べている一節が興味深かったです。シュミレーション結果によると、1年間の育休は出産5年後に仕事をしている母親の割合を10%上昇させる一方で、育休を3年に延長しても同割合は1%しか追加増加しないそうです。つまり、育休期間を3年に延長することで母親に与えるプラスの影響はほぼ無いため、より効果がある保育士への補助金制度や保育施設の増設を検討するべきだ、というのが著者の主張です。

このようにデータを用いた統計分析によって政策の効果を評価できるようになれば、より良い日本社会になると思うのですが、昨今の状況を見ていてもまだその道のりは遠そうです。


6.『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 -成功を引き寄せるマーケティング入門-』森岡毅 著

消費財メーカーのP&Gでマーケターとして修業を積み、USJの業績をV字回復させたことで有名な森岡氏の著書。私が就職活動中にP&Gのイベントに参加していたこともあり、興味が湧いたので読んだ本です。

まず、マーケティングのイロハが簡潔にまとめられており、初心者でも非常にわかりやすかったです。さらにP&Gで徹底されているであろうフレームワークも解説されています。特にマーケティングの本質である戦略的思考は非マーケターでも必要不可欠な力だと思いました。

何よりも森岡氏が他のマーケターと異なるのは、誰よりも消費者視点に立ち、圧倒的な分析をもとに考え抜いたマーケティングをするところです。著者自身が「数学を活かした特殊なマーケティング手法を独自に磨いてきた」と述べており、まさに思い込みや慣例でなく事実に基づいたマーケティングが功を奏したのです。


今回の3冊はデータや事実に基づく思考方法が、どんな分野においても非常に大事であるということが共通したメッセージであると感じました。違うジャンルの本の中でも、関連性を見つけたときはワクワクしました!

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