偶然の産物
異動となって約半年になる。
時間の流れが年々早くなっているんじゃないか?と思うほど日々があっという間に過ぎて行って、気づけばもう5月末。
1年の半分が経過しているなんて到底思いたくはないが、日々自分にできることを頑張っている。
「広報部」
と聞くと華やかなイメージが先行しがちな仕事ではないかと思う。
もしかしたら憧れを抱いている方もいるかもしれない。
僕も学生時代はそうだったし、社会人になってからも「いつかはやりたい」とぼんやり思っていた仕事だった。
思ったより早くその機会が巡ってきて、いざ経験してみるともちろん華やかな面も多い。
ただ、その裏には色んな人の思惑や主張が渦巻いていて、
もしかしたらギャップに感じる人も多いかもしれないと思ったのが正直な印象だ。
いや、これは会社によるかもしれないから鵜呑みにしないでほしいし、もしそんなことない!いう意見があれば教えて欲しい。(笑)
思惑や主張が悪いことだとは思わないし、自分がやってみて思ったことは、話を聞くことの大切さだ。
自分でやりたい事を企画やアイデアを通じて世に出すことはもちろん大切だけども、それ以上になぜその企画やアイデアが必要なのかを納得してもらうこと。
そのためには、色んな話を聞いてその思惑や意見の裏にある本音を引き出すこと、そして譲れないポイントは持ちつつ妥協点を見出して形にすること。
その調整が大切なんだろうなと感じている。
案外そういう面では話を聞くのが好きなので、いまの仕事も性に合っているのかもしれないと感じているし、色んな企画を考えて形にする仕事をゲーム感覚で楽しんでいる。
キャリアの8割は偶然によって左右され、偶然に対してポジティブでいる方がキャリアアップにつながるとしたクランボルツの計画された偶発性理論(Planned Happenstance)が結構お気に入りな考え方だが、
まさにそれを身をもって体感していると言えると思う。
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そういう意味では、僕がカメラを持ったのも偶然の産物だ。
スマホでもなかなか写真を撮らない僕が、初めて一眼カメラを手にしたあの日からも、約半年が経った。
レンズの付け方もわからなかったところから、練習のために自分のカメラを中古で買ってあちこち撮り歩いてみるようになったら、意外と写真を撮る、ということにハマっていて、今では一つの趣味になった。
多分僕の強みは、「工夫して楽しめるポイントを見つける」ことだと思う。
写真の腕はまだまだだが、それでも自分の中で「なんかいいな」と思えるお気に入りの一枚は撮れるようになった。
撮った写真を見返して、「あ、なんかこれ好きだなあ」とか、
「あ、これはうまく取れなかったな」と見返すのもだいぶ楽しい。
振り返る中で、お気に入りの1枚が見つかるとなお嬉しい。
先日、写真にまつわる嬉しいエピソードがあった。
僕が編集を担当している広報誌の特集企画で、インタビュー、写真撮影、ライティング、デザインまで自分でやってみようと挑戦したときのこと。
書き上げた原稿と共に、紙面デザインのラフ案を提示したら想像以上に僕が撮った写真を喜んでもらえた。
「写真上手だね」と直接言ってもらえたのももちろん嬉しかったのだが、
なんでも原稿をみんなで確認した際に、その写真がきっかけとなってメンバー間の雑談が生まれたそうだ。
僕がデザインに採用した写真は、結構自分でも気に入った自信作だった。
ファインダーをのぞきながらタイミングを見計っていた時、直感的に「今だ」と感じるタイミングがあって、シャッターを切った瞬間に手ごたえがあった。
モデルさんの魅力を自然に引き出せたような気がしていたから、それをみんなでみて「いい写真だね」と話題になってくれたのを聞いて、「コミュニケーションのきっかけを作れたのかな」と自分の仕事に誇りを持てるようになった。
何かのきっかけを作る。というのはとても重要な役割だと思う。
時にそれが直接話すことで達成することもあれば、今回のように間接的にきっかけを作ることもできる。
ある意味、僕の仕事は間接的に"きっかけ"を作ることができる面白い仕事なのかもしれない。
おそらく、これから僕が出し続ける”広報”は、誰かの目にたまたま留まったり、誰かがたまたま手に取ってくれて初めて形になる偶然の産物に頼ることになるんだろう。
そして、それが誰かの何かを後押しする"きっかけ"になってくれるかもしれない。
と、偶然にも自分の仕事に誇りが持てるようになった、そんなお話でした。
さて、今度は何を撮りに出歩こうか。
おすすめがあれば、ぜひおしえてくださいな。
おしまい。
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