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書く人たちへの挑戦 ー 「三行で撃つ」ー 近藤康太郎著。


一冊の本を読むことは、その作者が読んだ100冊、1000冊の話を読み聞かせてもらっているようなものだ。

実に有り難いと思う。私の代わりに古い難しい本などを読んで、咀嚼し、飲み込み、少しやさしい身近な人の言葉になって、それを伝えてくれる人がいる。


近藤康太郎氏 ー 落ち着いた知性・品性、というよりは、真夏の天気のように烈しく晴れたかと思えば、入道雲と夕立を降らせて埃っぽい暑い湿気を地面から立ちあがらせてくるような語り口。なんだろう、このめんどうくさい感じは。

100パーセント私の想像だが、決して私のタイプではない。酒臭い。いや、これはただ彼が元職の新聞記者の人格を引きずっていると言っても過言ではないかもしれない。うちの父も元報道記者で、だいたい似たような性質を持っていた。あの口調を感じただけかもしれない。

しかし、そのタイプではないオヤジの読書量と、人の心を揺り動かすいやらしいセンスはさすがだ。私はこれの前に同氏の『百冊で耕す』も読んだ。やはり読んで良かった。読むことに対して、貪欲になった。書くこと、に対してもっと積極的になった。

一行の詩のためには、
あなたの都市、あまたの人々、
あまたの書物を見なければならぬ。
あまたの禽獣を知らねばならぬ。
空飛ぶ鳥の翼を感じなければならぬし、
朝開く小さな草花のうなだれた羞を究めねばならぬ。

リルケ『マルテの手記』ー「三行で撃つ」より


「五感を他人に委ねない。ライターに必要なのは、正確さに対する偏執的なこだわりだ」と近藤氏は吠える。

「世界を変えるのは、問いだ。問いを作れる人がライターだ」

心の熱いオヤジからの挑戦状。ちょっと無骨な愛を受け取って、
さあ、noto諸君、もう一記事書いてやろうじゃないですか。




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