東島カナ

東島カナ、イギリス在住です。 といってもロンドンのようなおしゃれな感じではなく、地図で…

東島カナ

東島カナ、イギリス在住です。 といってもロンドンのようなおしゃれな感じではなく、地図でいうとイギリスの島の真ん中ちょっと左寄り。白人よりも移民が多い、コーヒーにカルダモンのスパイスを入れて飲んじゃうようなそんな場所。私の英語は、まあまあね。

マガジン

  • はじめての俳句

    俳句や俳句を通した活動に長年身を投じていた亡き母の想いに近づけるかもと思い、俳句なるものに手を付けてみました。

  • イギリスで作業療法士"アシスタント"、はじめました。

    日本で10年選手の作業療法士だった私がイギリスで再就職に励んだ話です。時々更新していきますので、お付き合いくださると嬉しいです。

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はじめまして − 自己紹介 (追記)−

はじめまして 東島カナ、イギリス在住です。 といってもロンドンのようなおしゃれな感じではなく、地図でいうとイギリスの島の真ん中ちょっと左寄り。白人よりも移民が多い、コーヒーにカルダモンのスパイスを入れて飲んじゃうようなそんな場所。私の英語は、まあまあね。 2020年8月15日、日本は終戦記念日、イギリスは普通の夏の日にnote始めます。 これからここに、ここでの生活、文化、人、クリスチャンとしての視点、そして愛について綴っていけたらと思います。 − 自己紹介として

    • 真昼の雨。

      数日前にたまたま夢に母がでてきてとても気持ちが安らいだので、追悼ポエムでも残しておこうと思いまして… 「真昼の雨」 優しい人たちが私を見て言った、 あなたの笑顔を見るとあなたの母を思い出すと。 母はよく眠る人だった。 のび太か母か、一呼吸で眠りに落ちる名人だった。 目を開けている間の彼女には雨も降らないかのような真昼の光が差していた。 しかし夜が来ると嵐がやって来て、雨戸が軋み、高くて細い音を立てて隙間風が鳴くように、泣いた。 翌日の彼女はまた晴れていた。 彼女が眠

      • 君の笑みに 母思い出すと 人の言う 母亡き後に里帰りした際、私の笑顔を見た近所の人が母を思い出すと言ってくれて、ああ、母はここで母らしく生きてそして愛されてきたんだなあと思ってありがたかった。

        • ピラカンサ 刺しつ刺されつ 相生きよ 勢いよく伸びたピラカンサの枝を剪定し案の定その棘に刺されて痛さを思い出したという今日の一句。

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        はじめまして − 自己紹介 (追記)−

        • 真昼の雨。

        • 君の笑みに 母思い出すと 人の言う 母亡き後に里帰りした際、私の笑顔を見た近所の人が母を思い出すと言ってくれて、ああ、母はここで母らしく生きてそして愛されてきたんだなあと思ってありがたかった。

        • ピラカンサ 刺しつ刺されつ 相生きよ 勢いよく伸びたピラカンサの枝を剪定し案の定その棘に刺されて痛さを思い出したという今日の一句。

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        • はじめての俳句
          8本
        • イギリスで作業療法士"アシスタント"、はじめました。
          19本

        記事

          棘のあるキミへ。

          私を刺してなんになろうか。 庭の低い植木を剪定していて、何箇所かトゲに刺された。かゆみと赤み、僅かなミミズ腫れが、子猫を飼っている人の手を思い出させた。 その木は私たちが引っ越してきた時に庭にすでに植わっていたもので、濃い緑の小さな葉を一年中つけている常緑低木だ。そして棘だらけだ。密に棘。 横に縦に不格好に伸ばした枝は花も咲かせず実もつけない。なんともつまらないやつだ。 なぜ前住人がこれを植えたのか分からない。フラワーベッドの空いた場所をただうめただけかと思うと更に愛想が

          棘のあるキミへ。

          熱いお茶 湯呑み行き来し 冷ます父母 子供の頃、食卓に上がったお茶が熱くて飲めなかった時に必ず父母のどちらかがそのお茶を二つの湯呑みの間で入れ替えながら冷ましてくれた。そういう手間は愛情でしかない。

          熱いお茶 湯呑み行き来し 冷ます父母 子供の頃、食卓に上がったお茶が熱くて飲めなかった時に必ず父母のどちらかがそのお茶を二つの湯呑みの間で入れ替えながら冷ましてくれた。そういう手間は愛情でしかない。

          桜にまつわる言語。

          イギリスにも桜がある。 あるという範囲を超えて、うちの近所では結構どこそこに見られる。と言っても山にはないが。いや山自体がない。というのはウソで、イギリスにある山はせいぜい1000メートルくらいの高さで岩がゴロゴロ、ところどころにHebeや棘のある低木などがところどころにモサモサもさーっと茂っているような山だ。 早くも話がそれてしまったが、イギリスには自然に育っている桜もある。チェリープラムやブラックソーンのような実がなるすもも系の桜である。しかし道端や公園に植樹されてい

          桜にまつわる言語。

          夜明けしと 声上げ祝う鳥たちに 誰が昨日を語ろうか イースターの朝、夜明け前の教会に向かう坂道で鳥たちの声が空に舞っていて、その純粋さに今日を生きようと励まされたのです。

          夜明けしと 声上げ祝う鳥たちに 誰が昨日を語ろうか イースターの朝、夜明け前の教会に向かう坂道で鳥たちの声が空に舞っていて、その純粋さに今日を生きようと励まされたのです。

          父性を育てることにした。

          エストロゲン、オキシトシン、子育ての中でこの心地よさとともに暮らしてきた私の身体が、いま音を立てながら崩壊している。 要は、更年期である。命の母のCMである。 頭の先からつま先までこのホルモンの乱気流に煽られ、それはもういろいろいろいろ身体を揺さぶられる。それをなだめながら急カーブ続きの道をなんとか通り過ぎようと努める日々。 そんなどうにもならない暴れ馬にまたがっているにもかかわらず、若い世代の自分の周りの人間はそう気長にこの時期を見守ってくれるほど成熟はしていない。霧

          父性を育てることにした。

          愛は益か。

          愛は益か、という問いに深く頷ける人は幸いだろう。 悲しいことに世の中にはそう簡単に頷けない境遇にいる人がごまんとおり、それを思えば「同情するなら金をくれ」と言うあの安達祐実ちゃんのセリフが甦る。 聖書では、生きることに希望を失った身体は「枯れ骨」、その霊(たましい)は「石の心」と呼ばれたりする。また救いの教えや言葉が、ある人にとっては「つまずきの石」、「妨げの岩」となることもある。 それでも宇宙にある偉大な愛は、その一つ一つの魂を目に入れるほどの痛みを感じながら見守ってお

          愛は益か。

          英国での教会生活。

          私の通う英国国教会には、クワイヤーという伝統的な聖歌隊がいる。今日はその歌声を紹介しておきたい。 キリスト教音楽に興味のある方、興味はなくても今日一日お疲れの方、ぜひお聴きください。教会堂に響き渡る歌声とパイプオルガンの音。昇天し、また地上に戻りたれ。 Magnificat and Nunc dimittis: Noble in B minor 昨日の話を少し。3月24日、キリスト教ではPalm Sundayというイエスキリストがエルサレムに入り、人々に王として迎えられ

          英国での教会生活。

          価値のある人間であること。

          結局は、価値のある人間で「いる」ことではなくて、すでに「ある」ことなのだが。 クリスチャン文化のあるイギリスでは、イースターまでの5週間ほどの期間をレントという受難節として過ごす。今年はもうあと一週間で明ける。 この期間、ある人は、イエスが40日間荒野で断食したように断食を行い祈りに捧げ、ある人は自分の生活の中で一つのことを止めるという方法をとる。圧倒的に後者が一般的である。英語では "giving up"と言い、例えばその期間はチョコレートを食べないとかいったことである。

          価値のある人間であること。

          やらなくてもいいことをやることにするモチベーションとして、なんかハラタツとかイラツクとかこの課題まじムカツクといった要素によってドーパミンの放出を促そうとする更年期に鞭打つブラックキャラを育成中…

          やらなくてもいいことをやることにするモチベーションとして、なんかハラタツとかイラツクとかこの課題まじムカツクといった要素によってドーパミンの放出を促そうとする更年期に鞭打つブラックキャラを育成中…

          いざ、言語脳活性化キャンペーン、とAI。

          さて、ここ数ヶ月、ここnoteで日本語出力することを意識的に努めているわけですが、結果、脳にかなりの効果を感じているという話です。 日常的に言語で苦労している「お陰/せい」で、言語能力について考えることが多い。英国で仕事に就いてからかれこれ2年半になろうとしているが、未だに一日働くと脳疲労を感じている。 家では夫も子供も日本語はベーシックなので、日本語も英語も簡単な日常会話レベルで生活ができてしまう。そんな万年昼寝脳でいきなりノルマのきついカウンシル(市役所)職に就いたのだ

          いざ、言語脳活性化キャンペーン、とAI。

          "0 is a state of nothing"。

          子育て日記、と言ってももう16歳になったが。まだまだ母を楽しませてくれる。 長女は、時々そうするように、母を自分の部屋に呼んで彼女のベッドに座らせた。母はベッドの足元に丸まっていた彼女の掛け布団を寄せて、一日分の疲れをその上に沈めた。心地よい脱力感を味わいながらその声を聴いている。彼女はいつも使っている四つ切画用紙二枚分ほどの大きさのものホワイトボードをベッドの横に移動し、ペンを持った。床に座り、数日前にカレッジで開かれた大学の勧誘でもらったという小さな本を片手に、一つの式

          "0 is a state of nothing"。

          フェミニズムが終わる時 〜 ヴァージニア・ウルフの励まし。

          1882年生まれ、イギリスの作家・書評家であるヴァージニア・ウルフの作品を読んだ。狼ではなくてWoolfさん。私にとって初めてのウルフ書である。 自分ひとりの部屋 (平凡社ライブラリー) https://amzn.asia/d/4vtB8k1 この本は、「女性の文学の歴史と未来への期待を見事に紡ぎ出したフェミニズム批評の古典」と紹介されている。 塩味と言うかスパイシーというか、彼女のキレ味と風味のある言葉で語られる内容からは、「女性解放」がいかに世界各地で、多方向の分野

          フェミニズムが終わる時 〜 ヴァージニア・ウルフの励まし。