湯治ぐらし代表 菅野静

日本古来の養生法だった湯治を「自分の身体と心を見つめ直す静かな時間」としてシェアハウス…

湯治ぐらし代表 菅野静

日本古来の養生法だった湯治を「自分の身体と心を見つめ直す静かな時間」としてシェアハウス「湯治ぐらし」、POPUPSHOP「スクランブルベップ」創設、食コミュニティ「みんなの炊事場」、温泉カウンセリング「みんなの保健室」、「湯治ワーケーション」等、様々な湯”磁場”プロジェクトを行う

マガジン

最近の記事

日本人ですらあまり知らない温泉の秘密(4)〜身体を洗うより、心を洗う

温泉に入る、ということはなんだ温泉に入る、ということは、気持ちが良くて、開放的になれ、大浴場では髪の毛、身体、足先まで丁寧に洗っちゃったりする。お気に入りのソープやシャンプーの香りも普段よりいい香りに感じちゃったり。 でも、もうひとつ、私にとっての温泉に入るっていうことの意味や目的がある。 私が温泉に入る理由、それは「心を洗えるから」身体を洗うことも大切だけど、一番には、私は温泉に身を沈めていることは身体に溜まった何か目に見えないものを手放し放電していて、からっぽになって

    • 湯治場で”滞在する時間”をつくること〜湯治ワーケーションをつくった

      |湯治場でむかしは何してた? 湯治とは、古来からの心身養生法でした。 その歴史については、以前このnoteで書きました↓ 私が考える現代の湯治とは 「自分のからだとこころを見つめ直す時間」です。 穏やかなときを過ごし、自分って一体なんだろう、自分が得意なことってなんだろう、弱みはなんだろう、そしてそれを把握した上で、どうしていけばいいのかを、温泉のなかでちゃぽちゃぽしていると、浮かんでくるように思っています。 だって、温泉に浸かっていると、 見つめるものは、自分の裸の

      • 湯治ぐらし菅野静 : プロフィール・経歴・実績

        改めて自分を振り返って、これまでのことや現在行っていることを整理してみました。随時更新していこうと思っています。 |経歴について 菅野 静(かんのしずか) 1978年 大阪府出身 2001年 大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)卒 英語専攻、比較文化学科 専門:古代史、文化人類学、民族学、民俗学、英語 学んだこと: 物の見方を逆から見たり横から見て 自分の見方を多角的に変えてみるということ 2001年〜2015年 大阪・上海・東京で、広告会社(株式会社電通・電

        • 日本人ですらあまり知らない温泉の秘密(3)〜ロケーションの違いを活用する

          温泉の知られざる魅力について、どしどし書いていこうと思う菅野です。 (1)では、「そもそも温泉ってなんだろう?」ということを書きました。 (2)では、「療養泉の泉質ってなんだろう?」ということを書きました。 今回(3)では、「ロケーションによる印象を活用すること」について書きたいなと思っております。その前に、様々な温泉の作用についても、ご紹介します。結論急ぐ方は、「転地効果っ!」あたりから読んでください・・・笑。 |温泉の作用あれこれ温泉には、様々な作用をもたらしてくれ

        日本人ですらあまり知らない温泉の秘密(4)〜身体を洗うより、心を洗う

        マガジン

        • 湯治な暮らしつれづれ
          1本
        • 湯治のこと
          6本

        記事

          月を待つ 月のリズムの取り入れ方

          イベント業界が長かった私ですが、 現場の仕込み(設営)でよく 「いま、なに待ち?」という言葉がありました 例えば あるクライアントさんの設営現場で トラス組みをしてから 照明や音響設備を吊り込み 舞台を作り 映像のセットをつくり 直置きの音響セットをつくり…みたいな段取りの中で トラスが組み上がり 照明さんを待つときなんかに 「あれ、いまなに待ちだっけ」 「照明さん待ちです」 みたいなこと イベント業を卒業してサラリーマンを卒業して 私の人生に訪れた「夕焼け待ち」「月待

          月を待つ 月のリズムの取り入れ方

          日本人ですらあまり知らない温泉の秘密(2)〜療養泉の泉質ってなに?

          温泉の知られざる魅力について、どしどし書いていこうと思う菅野です。 前回は、「そもそも温泉ってなんだろう?」ということを書きました。 |療養泉ってそもそもなに? そこでも書いた「療養泉」について今日は書いてみようと思っています。ここでまた、登場するのは、温泉法です。管轄の環境省のホームページを見てみますと、療養泉の定義が掲載されています。 温泉の定義だと水蒸気やガスも含んでいましたが、療養泉はそれらを除く温泉のみで、また、温泉の定義のミネラル19種類から一部へと絞られ、

          日本人ですらあまり知らない温泉の秘密(2)〜療養泉の泉質ってなに?

          日本人ですらあまり知らない温泉の秘密(1)〜そもそも温泉ってなに?

          温泉って、もんのすごい気持ちいい!広くて美しくて、普段入るお風呂と違ってとっても気分があがっちゃう。自然豊かなところだとリラックスもできて、シャンプーやトリートメント、お化粧落としもあるならより最高。アメニティも揃ってドライヤーもあって、きれいなところがいい。温泉ってほんと最高!!! ・・・と思っているだけでは、めっちゃめちゃもったいない温泉の魅力があります。温泉初心者の数年前の私も上記のような感覚でした。このnoteでは、よりディープに温泉沼・湯治沼にハマった私の感じてい

          日本人ですらあまり知らない温泉の秘密(1)〜そもそも温泉ってなに?

          これまでの湯治とこれからの湯治

          |湯治の歴史 「湯治」(とうじ)とは、 「湯」とは温泉・療養泉・薬湯を、「治」とは治療を指し、自然に宿る不思議な地の力・温泉で養生をしてきた、日本古来の療養法であり、伝統的な養生法でした。 その歴史は、”温泉””療養”という文脈において記述された「古事記」「日本書紀」が編纂された8世紀の奈良時代にまで遡ることができます。 ”湯治”という言葉が療養する温泉及びその行為として、日本で初めて記述があったのは平安時代後期に遡ります。 温泉の歴史は脈々と続き、豊臣秀吉・武田信

          これまでの湯治とこれからの湯治

          湯治とは、廃れつつある日本古来の養生法

          「湯治」とは、「とうじ」と読みます。 温泉で身体を治し、心の養生をすること、 心身の疲れや傷をじわじわと手離していくこと、 それが湯治です。 かつて武士たちは温泉で傷を癒し、 農民たちは骨休みのために温泉地に逗留し、 心身の疲れを癒してきた湯治文化がありました。 今では温泉は観光のひとつとなり、 温泉がそもそも心身の養生をしてくれていたことが、 忘れ去られようとしています。  しかし、温泉は、 雨が降り大地に染みこみ、ミネラルを受け取り、 地熱やマグマで温まり、地球の割

          湯治とは、廃れつつある日本古来の養生法