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湯治とは、廃れつつある日本古来の養生法

「湯治」とは、「とうじ」と読みます。
温泉で身体を治し、心の養生をすること、
心身の疲れや傷をじわじわと手離していくこと、
それが湯治です。

かつて武士たちは温泉で傷を癒し、
農民たちは骨休みのために温泉地に逗留し、
心身の疲れを癒してきた湯治文化がありました。

今では温泉は観光のひとつとなり、
温泉がそもそも心身の養生をしてくれていたことが、
忘れ去られようとしています。 

しかし、温泉は、
雨が降り大地に染みこみ、ミネラルを受け取り、
地熱やマグマで温まり、地球の割れ目から湧出してくる・・・
という自然の循環であり、
その温泉に身を浸していること、
そしてそこに身を委ね、ふぅっと息をつくことで整えなおすことは、
とてもシンプルな日本古来の養生法といえるのではないでしょうか。 
  
また、かつての湯治場では、自分の身体のための自炊をし、
作りあったおかずを交換したり、会話が生まれたりしていました。
さまざまな土地から集まった人が出会い、同じ時を過ごします。
また帰ってきたいと思える関係ができる場所にもなったでしょう。 
 
時代を経て、
私たち湯治ぐらしは、
湯治を「自分のからだとこころを見つめ直す静かな時間」と定義します。
目に見えない疲れや鎧を脱ぎ捨て、身も心も裸になってリセットし、
ただあるがままの自分を眺める。
疲れたからだもこころも温泉に浸して解き放ち、
自分を扱い直すこと(リ・トリート)が湯治であると考えます。 
 
 
自分を取り戻し、新たなもの・こと・ひととの出会いがある、
湯治場を湯磁場へと変えていきたいと考えています。
いまの時代にこそ、心身が本来へと帰ってくる場所が必要です。
そして湯治を、新しい時代の新しいライフスタイルとして、
日本から世界に発信していきます。 


湯治ぐらし 代表 菅野静
https://toji-joshi.com

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