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オーストラリア旅絵の説明

コロナで世界が大きく変わった2020年3~4月。

大きな使命感をもって僕はオーストラリアにいた。

森林火災の絵を描き、世界中に地球環境の危うさを伝えるために。 

これらは総て現地で描いたオーストラリアの風景画たちだ。


1,


「湖岸」

ポートオーガスタを目指している道中に寄った休憩所にて。今まで乾燥した荒野ばかりを目にしていたためこの景色を見た瞬間に描きたくなって描いた。近景、中景、遠景の描き分けに注意したがうまく表現できず悔しい想いをした。オーストラリアで水を描いた唯一の水彩画の作品。

2,


「地下都市の砂山」

オパールの町クーバーペディにて。町中に発掘のために積み上げられた砂山が多く見られ、その鮮やかで美しい色合いを表現したくて描いた。初めは色鉛筆を使っていたが、表現しきれずに水彩画に切り替えて描いた。構図の取り方がとても勉強になった作品。

3,


「田畑」 

メルボルンを目指し、高速道路で南下を続けていた時に見かけた風景。心が「描きたい」と望んでいたので、急遽車を停めて描いた。リアルさを出すために手前の土の部分はその場の本物の土を塗りたくってみた。美しく広がる両脇に開けた畑。それを分ける一本の道。思わずその先へと進みたくなった。

4,


「白き世界」

ピンク湖と呼ばれる、一面塩でできた真っ白な湖。空には虹色に輝く雲と、染み渡る空。初めて見るその美しい姿に心が弾み、丁寧に仕上げた作品。手前のひび割れと奥とのかき分けに注意して描いた。

5,


「冴え渡る空」 

メルボルンに到着する日の朝、高速道路の傍らで早めに目を覚まし見た光景。移り行く雲の形と、真っ青な空の美しさに心をときめかせ描いた作品。刻々と右方向に流れ、形を変えていく雲を捉えることの難しさを痛感し、構図の捉え方を考えさせられた。

6,


「目覚め」

朝早く、寒さで目を覚ました時にみた光輝く朝日。思わず息をのんだ。オレンジ色の輝かしい朝日とその光を背景に浮かび上がる美しい樹木のシルエット。1日が始まるワクワク感を胸に、描いた渾身の作品。2人が起き出すまでに時間をたっぷりと使い、旅中で一番丁寧に描いた。


7,


「森林火災」

メルボルンに到着する日の夕方にたまたま目撃した森林火災現場。周囲にはカンガルーが何匹もおり、自分たちの住みかを寂しそうに眺めていた。地球環境問題の危機感がより強まった。

8,


「メルボルンの夕日」

コロナが蔓延し、不安な生活を送っているときにアパートでみた夕日。雲に覆われぼんやりと輝く太陽がメルボルンの街並みを優しく照らしていた。1日の終わりを感じさせるその風景に愛しさを感じ、水彩画であっさりと描いた。

9,

「カタジュタ」  

ウルル・カタジュタ国立公園で、一番初めに歩いたウォーキングコースの頂上にて描いた作品。遠くから眺めたカタジュタの美しいシルエットは今でも印象的で、全体的に薄く青みがかったその勇ましい姿にとても強いエネルギーをもらった。

10,



「圧巻の岩山」

カタジュタの二つの岩山の間にて。近くで見たときの迫ってくるような迫力は今でも忘れない。自然が生み出す作品のあまりの美しさに歓喜の声をあげ、地球に生まれた喜びを全身で感じた。両脇の岩山の迫力に圧倒されながら岩の移り行く色合いを丁寧に追って描いた作品。

11,


「エアーズロック」

エアーズロックウォーキングコースの入り口にて。自然界のエネルギーを全身で受け止めながら、畏怖の念を抱いて描いた作品。独特な形と幅広い色彩を放つ岩山の美しさに心をときめかせ、それを表現する難しさを感じた。水彩画の水を吸いに、ハエも大量に集まってきたので描くのに苦労した(笑)


12,



「美しきウェーブ」 

約40,000年前から原住民のアボリジニが住み、崇めてきたウルル。中でも自然に生まれたこの窪みはとても神聖的とされ、儀式をしたり火起こしする場所として使われていたらしい。まるでサーファーが波乗りできるような見事な波の形と幅広い色合いに心をときめかせ、色鉛筆で描いてみた。

13,


「クローズアップ」

エアーズロックを真正面から大胆な構図で切り取った実験的な作品。描く場所によって色や形の違いが見られ、その面白さを感じながら描いた。軽く熱中症になっていた。

14,



「ウルルの夕日」

一日の終わりに沈みゆく太陽に照らされて赤く光を放つウルルの美しさに思わず歓喜の声をあげ、全身で歓びの舞を躍りながら描いた。まるでとりついたかのように凄い速さで手が動き、目の前の美しい景色を約40分くらいで描き残した。

15,


「ウルルの朝日」

ウルルを離れる最後の日、3人で朝4時に起きて朝日を見に行った。昨晩とは違い、東からウルル一帯を照らす眩しい太陽。そのパワーに活力をもらい、全身で躍りながら、叫びながら描いた。大地が1日の始まりを称え、草木が、砂粒が、全ての生命が喜んでいるようだった。

16,



「キングスキャニオン」
 
上から眺められるハイキングコースが一般的だが、時間的な都合で下から眺められるコースを歩き、折り返し地点で描いた作品。樹木の青々とした姿やオレンジ色の鮮やかな岩との対比を描きたかったが構図の取り方が微妙で、絵の難しさを強く感じた。「世界の中心で愛を叫ぶ」のロケ地でもある。
 
17,


「異世界」  

ウルルに近づくにつれて見えてきた沢山の岩。一つ一つの岩がまるで息を吸っている生物かのような感覚がした。この夜はそんな異様な雰囲気が漂う中、星々に混じってUFOを確認することができた!ウルルはUFOを引き寄せるというが、そういった類いが出現してもおかしくないと思わせる土地だった。


18,

「アボリジナルアート」
 
旅中に唯一描いた抽象画。ポートオーガスタの日用品売場で買った画材をすぐにでも試したくなって店の前で敷物をひいて思うままに描いた。自然とオーストラリアのアボリジナルアートに影響されたような画風となった。
 
19,


「炭鉱の町」

古くから炭鉱の町として栄えたマウントアイザ。その歴史を感じさせる古びた情景に美しさを感じた。もくもくと煙を吹き出す煙突と、鉄格子のシルエットのかっこよさを表現したくて、鉛筆一本で描いた。

20,



「ロードトリップ」
 
ひたすら真っ直ぐな道を走り抜けている疾走感を表現した作品。時速100キロ以上の速さで進むため、車内から見える両脇の景色は目まぐるしく変わる。それらをなんとか捉えて描く難しさと表現しきれない悔しさを感じた。


人生初めて一人で海外に飛んだ大切な大切な思い出。


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