どうしても使いたくない言葉の話
何年か前、ドラッグストアのハンドクリーム売り場へ行った時の話です。
棚の前には、既に別のお客さんと店員さんがいました。
二人の横に並んで商品を眺めようとすると、会話が耳に届いたんですね。
そのお客さん、どうやら保湿成分の「尿素」が入っていない商品を教えてほしいと、店員さんに相談している様子。
「良い成分なのかもしれないけど、使われている文字がどうしても嫌だ」と。
お客さんの要望を満たせる商品が店頭に置いてあるのか、気にはなったものの。
長引きそうだったので、その時は結局何も買わずにその場を去りました。
それまで全く気にした事がなかったので、新鮮な着眼点だなあと考えたところで。
「使われている文字がどうしても嫌だ」と感じる表現、私にもあるなぁと思い出したのでした。
SNS等の「アカウント」を略して「垢」と書くやつ。
別垢、複垢、サブ垢などですね。
あれがどうしても苦手です。
その文字どういう意味か知ってる? と聞いてみたくなる。
(もちろん心で思うだけです)
旧Twitterは、投稿可能な文字数が1ツイートにつき一律140文字という制限がありました。
限られた文字数を有効に使うために当て字として広まったのは理解できます。読み方もぴったりだし。
そこから一般的な表記にまで至ったのも。
要するに自分が偏屈なんだってことも。
でもなあ。
個人的には「その言葉を使う自分を、自分で好きだと思えるか?」の視点を大事にしたいんです。
言葉はあくまでも伝達手段だけど、それ自体で意味を伝えられるのも漢字ならではだし。
出来れば「みんなが使っているから」以外の理由で、その表記を使う人の意見を聞いてみたいです。
そしたら多分、かつてドラッグストアで耳にした会話から受けた、新鮮な着眼点だという感銘を思い出せるはず。
頑固さ全開な内容でしたが、たまにはこんな日もあります。
お読みいただきありがとうございました。
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