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2023年に読んだ169冊の中から、ベスト3と大事な一冊のご紹介


はじめに

日々、読んだ本の冊数と感想を記録しています。

noteを始めて読むようになった、文章術の本やアウトプットに関する本はノーカウントにしているので、正確な冊数ではないんですが…。
それでも小説からノンフィクションまで、興味を持ったら手当たり次第に乱読することを心がけ、今年は169冊の本を読了登録していました。

今回は、その中から「読めてよかった!」本3冊と、「出会えてよかった!」本1冊をご紹介します。

※今年発売された本以外も含みます。
※このnoteのタイトルは、簡潔に表現する都合上”ベスト3”としていますが、特に順位は決めていません。どれも1位と言っても過言ではない、が正確なところです。



1.『0メートルの旅 日常を引き剥がす16の物語』岡田悠

東京都の蔵前にある「透明書店」で購入。
自宅から最も遠い【南極】の章に始まり、様々な国を経てだんだん距離を縮め、最終的に『0メートル』が表すとおり【自室】の章で終わる。
なんとも斬新な構成の旅行記です。

行ったことがない海外のエピソードを新鮮な気持ちで読みつつ。
家の近所という馴染み深い場所でも、普段通らない道を選んで歩くことが冒険につながる。
そんな提案を軽やかな文体で綴った先に待つ、岡田さんが会得した「旅」への想いを読んで、胸打たれるあまり泣きそうになりました。
すごく大切なことが語られている一冊だと思っています。

ちなみにnote発の書籍ということは読了後に知ったんですが、本書の重版に関する記録も読ませる面白さです。ご興味がある方はこちらもぜひ。



2.『世界はフムフムで満ちている:達人観察図鑑』金井真紀

著者の金井さんが、百通りの職業の「達人」にインタビューを行った結果をまとめた一冊です。

職業名の五十音順に紹介されているので【マグロ漁師】【マジシャン】【漫画原作者】など、同じカテゴリに分けられることが無いだろう職業が並ぶのも面白い。
また、ひとつの職業につき、見開き2ページの文章とイラストで語られているんですが、抜粋のセンスも金井さんの感想めいたつぶやきも秀逸で読ませます。

何かを「達人」の域まで極めた人の言葉には、普遍的な真理が宿るもの。
その職業ならではの気付きを、自分の日常に落とし込める。そんな一冊でした。
(私は【百貨店の販売員】の章を自分の生き方にインストールしたいです)



3.『目的への抵抗 シリーズ哲学講話』國分功一郎

2020年10月にオンライン開催された講義と、2022年8月に國分さんが自主開催した特別授業がきっかけで生まれた一冊です。
どちらの内容も、コロナ禍における移動の制限や、危機的状況を生きるなかで必要な考え方について、質疑応答も込みで掲載されています。

学生を対象とした講義の文字起こしなので、読みやすくまとまっています。
仮に「はじめに」の冒頭を難しいと感じたとしても、読了後には書名とともに、すんなりとのみ込めるようになっているはず。

個人的には、2020年10月の時点でこういった主張をされていた人がいた、という事実を希望だと思えました。
コロナ禍を振り返るという意味でも、どうか最後まで読んでほしい。

あと本書で紹介されるガンジーの言葉と、それを受けた國分さんの考え方にも、非常に感銘を受けました。noteを書くうえでの指針にしたく、以下リンク先でも取り上げています。



大事な一冊.『昔日の客』関口良雄

誕生日プレゼントにもらった一冊です。
昭和53年に刊行された古書店主の随筆が、ひとり出版社「夏葉社」さんによって現代に復刊しました。

当時の古書店業ならではの話題に加えて。
昭和の文人たちから名もなき市井の人々まで、様々な人との交流を同じ温度感で語る滋味深い文章が、読んでいて素直に心地良いのです。

個人的にはショーン・バイセル『ブックセラーズ・ダイアリー』と並んで、古書店主の随筆における傑作だと思っています。
自分では出会えなかっただろう一冊を知る経験をもらえたこと、感謝しかないです。



まとめ&面白かった小説たち

小説が一冊も無いことに、選び終わってから気付きました。
サラ・ピンスカー、ジョン・スラデック、テッド・チャンなど、初めて読んだ作家のSF小説に面白いものがあったんですが…。
(このnoteの最後にAmazonリンクだけ貼っておきますね)

それはそれとして。
今年、特に心に残った本を改めて眺めてみると、
・違う文化
・違う時代
・違う価値観
に触れる経験をくれる本が、特に印象的だったみたいです。
(心に残った小説としてパッと思いつくのがSFばかりなのも、そこから来ているのかも)

旅行も好きなんですが、どうしてもここ数年は自重せざるを得ない状況でした。だからこそ2024年は、本を読むことに加えて、生身の経験も重視する一年にしたいです。

お読みいただき、ありがとうございました。
よいお年をお迎えください🌞




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