「いったん外に出す」=「じっくりことこと煮込む」説
いま読んでいる本に、興味深い実験結果が載っていました。
グロリア・マーク『ATTENTION SPAN デジタル時代の「集中力」の科学』です。
唐突ですが「ツァイガルニク効果」をご存知でしょうか?
『ATTENTION SPAN デジタル時代の「集中力」の科学』第5章の記述によると、ベイラー大学の睡眠研究所で行われた実験の結果を、この効果で説明できるそうです。
【実験の詳細】
1.57名の参加者を集める。
2.参加者の半数に「数日以内に仕上げなければならない未完のタスク」をすべて書き留めるよう指示。
3.残りの半数には「当日か過去数日に終わらせたタスク」を書き出してもらう。
その後、どうなったかというと。
3の「終わらせたタスク」だけを書いた人たちは、未完のタスクを頭から追い出すことが出来ずに緊張を高めてしまった結果、入眠が妨害されたと考えられるそうです。なるほど。
自己肯定感アップの観点から考えれば「出来たこと(=終わらせたタスク)」を書くほうが満足度高く眠りにつけそうですが、場合によってはそうとも限らないんですね。
安眠も大事なんですが。
この実験結果から得られた結果を、どうせならアウトプットに活かしたいんです。
まずは書き出して、いったん満足してみる。
そして忘れる。
時間を置いて新鮮に眺めるうち、書き出した時点では思いもよらなかった発想と結びつくこともある。
実際、この記事タイトル
「いったん外に出す」=「じっくりことこと煮込む」説
は、3か月前にnoteの下書きにメモしたものです。
書いた時点ではどういう形で記事にするかを全く考えていなかったけど。
時を経て読んだ本と結びついた結果、自分なりの新たな視点と味わいを獲得できました。
もちろん、時間を置くのが有効ではない場面もあります。
日記とかイベントレポとか、その瞬間の切実な衝動を鮮やかに残すために、出来るだけ速く動いた方が良い場合もある。
そこは臨機応変ってやつですね。
そして、メモだけじゃなく。
過去に完成させた記事にも同じような効果があると、個人的には思います。
「こんなの書いてたんだな」と新鮮な気持ちで読み返すうちに、新たなアウトプットの種を見つけたりも。
「書く」と「書き続ける」って、つくづく別個の試みなんだ。
お読みいただき、ありがとうございました。
書き続けることで見える地平、憧れます。
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