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商売っ気が無い店なのに、なぜビジネスが成立するのか?と思った話

ある買取店で、面白い店員さんが居られました。雑談ばかりしていて、商売っ気が無いように見えるのです。この記事は、どうやって儲けているのか?という考察です。

■とにかくオシャベリな店員さん

先日、切手やテレカなどを売るため、買取店を回りました。まずは見積のために4店舗を回ったのですが、ある店員さんだけは異質でした。とにかくオシャベリなのです。

オシャベリと言っても、一方的に話を押し付けてくるのではなく、自然な雑談です。なぜこの店を知ったのか。どんな物を売ろうとしているのか。他にどんな店に行こうとしているのか。ああ、それ良く聞く話ですね…みたいな。

さらには、「コレは売らずに持っていた方が良い」「コレは他店を回って、高く査定してくれた所に売るべき」「コレは〇〇さん(他店)の方が高く売れそう」と、囲い込みの気配が全くありません

結局、査定額の高かった、この店に戻ってきました。すると、先客の女性の応対をされてました。やはり延々と雑談していて、1時間待ちました(苦笑)。

オシャベリばかりしているこの店が、なぜビジネスできているのかと思ったのですが、「回転数で勝負している」のではと思いました。

■満足度の高い接客

女性とのやり取りが聞こえてきたのですが、世間話であっても、ちゃーんと客の話を聞いている。で、共感した上で受け応えをしている。その日は商談に結びつかなかったようでしたが、女性は満足して帰られた様子でした。

私の番になると、やはりオシャベリ。ですが、こちらが何を思ったのかをキチンと聞いてくれるので、悪い気はしませんでした。そして、いくつか品物を売却しました。

私がすごいなと思ったのは、おしゃべりしながら、キッチリ情報収集しているという点でした。他店の対応はどうだったか。買取価格はいくらだと言われたか。それを聞いてどう思ったか。堂々と聞いてくるのです。

客の立場としては、思いを聞いてくれるという気持ちになっているので、話してしまうのです。そこに、ヤラレタ感もなかったです。

まとめると、客の話をキッチリ聞きながら、情報収集。そのためのオシャベリだった、と感じました。

■回転数について

回転数の話に戻ります。
ここでのポイントは、また来ようという気持ちになるか、ということだと思います。

先の女性は、売るものがあれば、またこの店に来るでしょう。

他店については、質問に答えるという普通の対応(悪い対応ではない)か、あまり話を聞かずに「ウチはこうですから」という機械的な対応かの、2通りでした。

この女性が他店を回られたかは解りませんが、そうでなかったとしても、この店に来るでしょう。

他店は、お客が来るまではバックヤードで待つスタイル。オシャベリなお店もそうでしたが、待っている時間をオシャベリに充てていると仮定すると、宣伝効率は良さそうに見えます。遊んでいる時間が短い、と言えそうです。

回転数とは、リピートも含めての来店数、という見方です。稼働率とも言えそうです。

■最後に

これは、普段の仕事にも応用できそうに思いました。応対件数を増やして、成果を上げるという構図です。

短期目線では、一期一会と割り切って、強引に話を進める(または、情報を取る)という形もありそうです。実際、それを受けた経験もありましたが、ヤラレタ感は満載でした。これだと、先が続かないですね。

長期目線で信用を得ながら成果を上げるには、持続性が大事。リピート率を上げることが肝だというのが気づきでした。

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