膵癌厳しいー。

父と膵がんの戦いは、もうかれこれ1年半くらいになる。
2020年11月、膵がんと診断されて
その時は、余命1年と宣告された。

抗がん剤も父の体力もあって、
気付けば余命の1年は超えていた。

そしてさらに半年が過ぎ、
脱水からくる熱で病院へ行き、
緊急処置されながら
医師から改めて通達された余命は、3週間。

実は、あのステントの処置以降、
ご飯があまり食べられないようになり、
身体はあっと間に痩せた。
そして、ステントの処置を行っている間も
体力的にも抗がん剤が使えないということになり、
腹水が溜まるようになった。

そこからが本当の闘いになった。

腹水はカエル腹とも言われてるようで、
本当にお腹だけがパーンと張った状態。
身体は痩せ細ってるのに、お腹だけが出てる。
腹にスイカ、まさにそんな状態。
仰向けも苦しくて、横になって寝る。
腹が張って食欲も湧かない。
そんな状態。

父の場合は、腹水を週に2.3回ほど抜いていた。
その腹水の中には、癌細胞も含まれるが
必要な栄養素も一緒に入っているから、
腹水を抜けば抜くほど、身体は弱ってく。
つい1ヶ月前とは別人のような姿に、
心が落ち着かない。

そして、腹水を抜くことで起きる身体の脱水がきつい。
本人は無意識でも、こたつの中にいるだけ、
日常を送るだけ、で意識的に水分を取っても足りない。
そうすると、脱水状態になって、
熱が出たり、ぼーっとしたり、呂律が回らなくなる。
この状況になると、病院へ行き、点滴を投与する。

そして残された時間を明確に伝えることが出来ず、
父は闘病に対するキツさで、心に余裕はなく、
うまく話し合えない。
お互いにわだかまりを無くしたいと近寄っても
うまくいかない。
残された時間で、
わたしたちに対するメッセージを聞きたい。
欲を言えば、
お前たちは大丈夫とか、
そういう今後も胸に刻みたいような言葉が欲しい。
わがままかな。

口下手で出てくる言葉も基本キレ口調な父から
そんな言葉出る訳ない。と諦めつつも、
どこかで期待してしまう。

父の残された時間に自分の未来を重ねる。
私は自分の時間の期限を
うっすらとでも分かった時、どうするだろう。
周りになにが出来るだろう。
若いとは言っても若くもない。
でも死がいつかやってくるなら、
精一杯努力しても
自由に暮らしても
だらしなく暮らしても
いつか死はやってくるから、
死ぬ時に、
あー自分の人生、自分らしかったな。
って過去の自分を認めてあげられるような
そんな死に方をしたい。
そう思った。

とは言っても、
父もなかなか粘り強いし、運はいい。
希望がないとは医師に言われても、
それでも希望は捨ててない。

今を生きよう。

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