早実長距離応援

「走る・撮る・応援する」 陸上に限らず幅広く書きます。

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最近の記事

フィクションで真実を追い求める

19世紀、ロンドン 産業革命から始まった資本制の近代は都市に貧困をもたらした。しかし為政者は貧困問題を社会の構造としてではなく個人の責任としてとらえ、直視しなかった。エンゲルス『プロレタリアートに対するブルジョワジーの態度』に、救貧法委員の見方が記されている。 これを批判したのがディケンズだ。彼はスラムの様子を読者に伝えるのに小説を用いた。なぜありのままではなくフィクションなのか。人間の困窮を人間が書く難しさを考えてほしい。あなたは果たしてありのままに書けるのか。対象にマ

    • 気仙沼チームと私

      ※以前の記事(私が幹部代だった時のチームの活動を紹介したもの)の続きです。 あれからチームは代替わりを経て、新しい三役の下でさらなる発展を遂げています。 彼らは依頼に応えるだけでなく、教育支援や他サークルとの交流など、チーム起点の新しい活動をどんどんスタートさせています。その根底には「私たちは気仙沼でまだできることがある、気仙沼の役に立てることがまだある」という信念があるように思えます。 一方役職から離れた私は、そんな新チームの活気ある様子を嬉しく思いながらも、別のこと

      • いじめを見て見ぬふりをする人は、いじめをする人と同じなのか

        「いじめを見て見ぬふりをする人も、いじめをする人と同じ」 小学生の頃、よく言われた。私はずっと疑問に思っていた。 「全員がいじめを見て見ぬふりをする人でも、いじめる人がいなければ、いじめは起こらない。なのになぜ、いじめる人と同じにされるのか。」 * 最近、このことを思い出す出来事があった。以前『確実な知識』でも書いた、ガザで起きていることについて行動している元同級生の発信だ。彼女はデモやイベントに参加する以外にも、SNSで頻繁に発信している。その中で、次のようなことを言

        • 早稲田大学気仙沼チーム

          こんにちは。私は早稲田大学気仙沼チームという、WAVOC(早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター)所属のサークルで活動しています。次回以降のnoteで、活動を通して感じたことや今後の課題について書ければと思うので、まずはチームについて簡単に紹介します。 我々は「早稲田と気仙沼の間に立ってご縁を繋ぎ続ける」サークルです。対気仙沼では早大生としてボランティア活動で貢献し、対早稲田では気仙沼のPRや震災の記憶伝承等を行っています。以下、主な今年度の活動です。 4月,5月 新

        フィクションで真実を追い求める

          確実な知識

          先日、三木那由他『言葉の風景、哲学のレンズ』を読んだ。 前作『言葉の展望台』で三木さんの言葉に初めて触れた。言語哲学者として、私たちの日常会話を学問の枠組みを使って紐解いていく内容で、とても面白かった。同時に三木さんはこの本で、トランスジェンダーの女性として、今の社会への(合理的な)不満も綴っている。 『言葉の風景、哲学のレンズ』も基本的には前作と同じ内容だ。その中に、私の心に響く言葉があった。知識と行動についての話だ。 例えば、学校である生徒がいじめの被害を訴えたとす

          能登半島地震を受けて

          先日の能登での地震を受けて、自分の考えが変わった部分があるので、簡単に残しておく。読みやすさを意識していない点、ご了承ください。 *私は現在、(実態はともかく)東北の復興支援ボランティアを銘打つサークルで活動している。そのきっかけはもちろん、先の東日本大震災にある。 東日本大震災は未曾有の大災害であったため、復興には長い時間を費やした。 その数年単位という時間の中で、行政の政策により、あるいはその他の外部環境によって、苦しむ人が多く生まれた。原発周辺の避難指示の扱いがそ

          能登半島地震を受けて

          東京都高校駅伝2023

          今年も都駅伝が無事に終了しました。早実は6位と、目標の3位には届きませんでしたが、2年連続で関東駅伝への出場権を手にしました。 1区 吉倉ナヤブ直希③ 区間6位 1区は序盤から区間賞候補筆頭の尾熊(東京実)が飛び出す展開でした。その後駒大のエース菅谷、今季好調の金子(大東一)が抜け出し、ナヤブは4位争いの集団に。最終的には4位の久我山と秒差の6位で、エースとしての役割を果たしました。 トラックシーズンは1500mで2年連続でインターハイに出場。9月には3:46.19のP

          東京都高校駅伝2023

          東京都高校駅伝2022

          今年も都駅伝が無事に開催されました。早実は5位で、2年ぶりに関東駅伝への切符を手にしましたが、目標としていた優勝、都大路出場には届きませんでした。 1区 吉倉ナヤブ直希② 区間3位 先頭はペースの上げ下げが激しい展開になりますが、吉倉は過剰に反応せず、落ち着いて先頭集団の後方でレースを進めます。 その後、鈴木と平井璃空(拓大一)が飛び出し、吉倉は尾熊迅斗(東実)と区間3位争いを繰り広げます。 残り300mで北爪先生から「お前にはスピードがあるんだから」と声がかかります

          東京都高校駅伝2022

          東京都高校駅伝2021

          東京都高校駅伝が終わりました。今年もコロナ禍の中、多くの学校にとって唯一襷をつなげる場である都駅伝が無事開催されたことに、まずは安堵しています。 私の母校、早実は7位という結果でした。目標としていた都大路出場は叶わず、16年連続で出場していた関東駅伝への切符も逃す厳しい結果でした。 各区間振り返り1区から順に振り返っていきますが、私が後輩達に一番伝えたいのは、誰一人恥ずかしい走りはしていないということです。他校が強かった。それに尽きると思います。 1区 小平敦之(2)3

          東京都高校駅伝2021