見出し画像

東京都高校駅伝2021

東京都高校駅伝が終わりました。今年もコロナ禍の中、多くの学校にとって唯一襷をつなげる場である都駅伝が無事開催されたことに、まずは安堵しています。

画像1

私の母校、早実は7位という結果でした。目標としていた都大路出場は叶わず、16年連続で出場していた関東駅伝への切符も逃す厳しい結果でした。

各区間振り返り

1区から順に振り返っていきますが、私が後輩達に一番伝えたいのは、誰一人恥ずかしい走りはしていないということです。他校が強かった。それに尽きると思います。

1区 小平敦之(2)30'34    区間4位

1区は概ね事前の予想通りの顔ぶれとなりました。トラックで29分台のPBを持つ伊東(久我山)に加え、今季全国レベルにまで成長した佐藤(拓大一)と田中(城西)がいる中、小平は実力では4番手につけていました。

結果は区間4位。安定した走りで5位と30秒差をつけ、エースの仕事をきっちりと果たしてくれました。

彼は頭も良く、信じられないくらい成績が良いです。夏にはインスタもログアウトし、陸上と勉強に全力を注いできました。プレッシャーを感じる中で1区を走る辛さは計り知れないものがあると思います。本当によく頑張った、お疲れ様。


2区 前田蓮(3)8'53    区間7位

早実にとって鬼門の3km区間。例年2区と5区は9分以上かかってしまい、他校との差を広げられていました。

前田はその悪い流れを断ち切り、見事8分台で完走。部内TTの結果までは把握していませんが、おそらく8'53は高校入学後のベストです。

直前の記録会で奮わず、メンバーに入るとは正直思っていませんでした。陸上について語るスレ唯一の早実生(他は大学生)として、素晴らしい走りでした。誇りに思います。


3区 吉倉ナヤブ直希(1)25'31    区間5位

スーパールーキーの駅伝デビュー。1500mを中心にやってきていきなり8km区間は不安もあったと思いますが、それでも25分台中盤でまとめてくれました。ただ鈴木(久我山)や伊藤(拓大一)ら各校主力は圧巻の走り...

ナヤブの早実入学後の成長ぶりはぜひ皆さんにも知ってもらいたいです。

画像2

国体選考会,1年生大会,関東新人と3つの厳しいレースを全て1着でフィニッシュ。石塚が全国大会で必ず入賞していたのも凄いですが、ナヤブはさらに1着が取れる選手です。もし国体が開催されていれば...と思わずにはいられません。


4区 齋藤英介(3)25'44    区間7位

今大会一番の番狂わせが起こったのは4区でした。

後半シーズン不調だった東京高校のエース樋口がまさかの4区に起用され区間2位の快走。駒大と東実を加えた3校が早実を抜き去りました。

齋藤も25'44と粘りましたが、ここでとらえられてしまいました。

齋藤は山田先輩と同じ白山中出身で、中学時代には千葉県代表で都道府県駅伝にも出場しました。都駅伝は3年連続の出走。今年は主将としてチームを支えもしました。

すぐに先輩をイジってくるところはあれでしたが、同学年の選手の多くが怪我に苦しむ中、淡々と練習を積んで毎年長距離区間を走る彼の姿は、めちゃくちゃかっこよかったです。


5区 浅川京平(1)8'54    区間6位

800m1分台のスピードランナーですが、3000mのPBはおそらく9'09。会心の走りと言ってよいのではないでしょうか。

この区間は花井(久我山)が区間新。3km区間を8'40で走らなければならない時代が到来しました。


6区 加藤優門(3)15'47    区間7位

後半2区間は3年生が走りました。先述の通り、3年生は怪我に苦しみ順調な競技人生を送ることができなかったと思います。それでも都駅伝に4人が出走したところに、最終学年としての意地を感じました。

加藤はとても真面目な人です(7区を走った元山も真面目です)。口数はそれほど多くありませんが、数々の悔しい経験に裏打ちされた熱い思いを持っています。今回惜しくも目標には届きませんでしたが、立派な走りをしてくれました。


7区 元山怜(3)16'26    区間9位

襷を受け取った時、関東駅伝出場圏内である6位の東京高校とは28秒差。久しぶりの関東出場がかかっていた東京高校は前評判では6位に入れるかどうかという位置にいました。

しかし東京高校はアンカーに主力級の曽田を置けていました。先述の樋口の好走もありついた28秒の差は、彼にとっては十分すぎるアドバンテージでした。

都駅伝はただでさえ、辛く苦しい舞台です。アンカーで追う立場だった元山にとっては尚更です。彼はきっと5kmで28秒差という高い壁に挑戦したのだと思います。本当によく頑張りました。


新たな時代

今回の都駅伝で分かったことが一つあります。それは東京の高校陸上界が新たな時代に突入したということです。

久我山の記録は2時間6分57秒。33年ぶりに大会記録を更新し、荒川河川敷の難コースで史上初の6分台を叩き出しました。

今年の久我山は小泉(法政)や浦田(中央)、沼井(國學院)などの主力が卒業し、戦力ダウンが心配されていました。そこからの6分台での優勝に驚かない人はいなかったと思います(主力が1人怪我してもいました)。

6分台を出さなくては都大路に行けない時代。今年の他校の結果を見ると次のことが言えそうです。

強い選手→本番で外すことはなく速い

無名の選手→エントリーしている時点で速い

3年前のように、誰かが外して優勝校が変わる番狂わせなどこれからは起こりません。各校のエースは今やただ速いだけではなく、大舞台で外さない強さも備えています。不調などでトラックで結果を残せていない選手も、必ず駅伝に合わせてきます。私ごときが言える立場ではないのは分かっていますが、早実の2年生と1年生には駅伝の「何が起きるか分からない」要素に頼りすぎない、真に強いチームを作ってほしいと思います。

この1年間、後輩達のレース結果を見ることを常に楽しみにしていました。彼らが素晴らしいチームをつくっていたことは、今年PBを更新した選手の多さから容易に想像できます。コロナ禍で不自由な中、よく粘り、耐え、そして飛躍しました。卒業しても胸を張って言うことができます。早実こそが最高のチームです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?