くず餅を売りたいんだけど…
セントビンセントに来る前にウィキペディアを眺めていたとき、「セントビンセントはクズ粉の世界最大の生産国」ですよという1文を目にした。
スーパーではたしかにくず粉(vine)はよく売ってる。こっちの人がどんな料理に使っているのかわからないけれど、くず餅など菓子にはしていないようだ。クズ粉にも種類があるようで、ここのクズ粉は菓子には向いていないのかもしない。詳しくは知らない。
この国のローカルおやつはバナナチップスかマンゴーの砂糖漬けとかそういった類のもので、くず餅のような清涼感のあるさっぱりしたものがない。(※トップ画はわらび餅)
たぶん、こっちの人にとっては初めての食感になるだろうけれど、材料は地元で安く手に入るし、きな粉はないけれど、黒蜜か単にシロップを垂らすだけでおいしくなると思う。
で、訴求ポイントはもうひとつあって、身体に優しい。
クッキーやビスケットならバター等の脂質のおかげでカロリーが高いけど、くず餅はクズ粉と糖類だけなのでカロリーは控えめ。それに、クズはマメ科の植物だから、大豆と同じく、マメ科植物特有のイソフラボン(高コレステロール抑制効果があると言われている)を含んでる。
肥満や糖尿病の問題を抱えるこの国には良い食べ物で新定番になる可能性すらある。
ちょっと前に、タピオカ粉で栄養士隊員Aがわらび餅を作ってくれて、すごくおいしかったというのもあって試す価値はあるのではないかと思ってる。
幸い、視覚障害者協会はスーパーと取引があるから、協会で作ってパッキングまでしてからスーパーに納品、販売という商売ができる。自分たちで店舗を持つ必要も、路上に売りに出る必要もなく、ある程度まとまった数の納品が期待できるから結構おいしい。
めちゃくちゃ稼げるかどうかは疑問だけれど、悪くない額の利益は安定して得ることができるように思う。
何か商売で儲けたいなら、女性と口を狙えとは昔からよく聞くことだ。どういうわけか女性は買い物が好きだし、口とはつまり食べ物でそれは食べてなくなってまた食べて…と消費のサイクルが早いから。同じ人が何度も何度も間を置かず買ってくれる可能性がある。
いまの協会のモップや籐家具の修理よりも購入(修理依頼)サイクルは短い分、売れてる実感があるだろうし、収入源の多角化という意味でもこういう商売を持っておくのは悪くないように思う。
問題は…
だれがどこで作るのか
これに尽きる。
調理難度はそれほど高くないとは言え、それは健常者にとっての話だ。
調理という過程が入る以上、計量は必要だし、目視での品質チェックもしたい。。となれば、全盲の人は調理スタッフから外れる。弱視は?片目失明は?とかっていう話になるけれど、それらの人は協会に顔を出していないし、なんだかんだで日常生活を送れているように思う。彼らに必要なのは金銭面のサポートよりも世間の視覚障害への理解だと思う。
となれば、当面はぼく、ないし秘書ということになる。
それを良しとして、どこで作る?
協会のオフィスは別名ワークショップと呼ばれ、そこで籐の家具の修理やモップ製造を行っている。籐細工の修理は問題なくとも、モップ製造の過程でコットンを切る行為がある以上、どうやったってホコリ・ゴミが舞う。それも大量に。
同じフロアにキッチンがあるんだから、衛生的にはアウトだ。引火の可能性も否定できないし。
ここまでくれば、良い試みっぽいけど、それはわざわざ視覚障害者協会がやることなのかね?という疑問がでてくる。
結局ぼく自身のクビを絞めることにしかならない感が満載だ。
ただ、期間限定でファンドレイジングやイベントで販売して利益を得るというときには使えそうだ。以前、首都で開催されたナイトマーケットなどで機会があれば販売してみたい。
とりあえず、アイデアの1つとして取っておく。
まだボツにはしない。
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