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会って話す分には良い人たちだけど、本音では誰も気にしていないのよ、障害者のことなんて#DAY30

今日は午前中イギリスの援助機関のプロジェクトのローンチミーティングに出席した。ぼくはJICA、日本の援助プロジェクトで来てるわけだから関係ないと言えば関係ないのだけれど、ネットワーキングというやつだ。

このプロジェクトはセントビンセント、セントルシア、グレナダ、ドミニカの4か国、6000人の若者(15歳-30歳)を対象に行われる。失業率の高いこの地域の若者の就労支援だ。港湾系から農業、IT、エネルギー、その他サービス業あらゆる業界の就労、起業をサポートするプログラムでかなり額の資金が投入される。

この対象には障害者の人も含まれているから、どういったサポートが受けられるかわからないけど、顔見知りの関係になっておくのは悪いことではない。

あー、極めて営業っぽい。

それで、ぼくは視覚障害者協会で働いてますと、そつなく名刺を配って、アメリカ人のほうな笑顔を振りまいたけれど、そんなに食いつきはよくない。

冷たくあしらわれたというわけではない。好意的に受け止めてくれたけれど、同席した太陽光のプロジェクトで来てる人の方が食いつきがよくて、あとで〇〇に紹介のメールしとくね、とか地熱発電とかはこの国はどうなのかな?なんて話が膨らんだりしていて、ぼくは雑談で終始していたぶん悔しかった。

それはもちろんぼくがまだこの国に来て1週間ほどでそんなに把握できていないということも、向こうもそれを察したということもある。

それに、まあ健常者がメインだし、再生エネルギーとかそっちの方がインパクトが大きいから差があるのはわかるんだけど。

後で、この発表会に誘ってくれたコーディネーターの人が、今日は来てくれてありがとう。会場には教育関係者や政府高官が来ていて、みんな良い人だったでしょ、話す分には。私にできることがあればなんでも言ってとも言ったかもしれない。けど、何もしてくれないよ。本音では誰も気にしてないのよ、障害者のことなんてと言った。

たぶん、社交辞令だから真に受けないでと言いたかったのかもしれない。

けれど、ぼくにとっては、昨日オリンピック協会のトリニダード・トバゴ陣の秘書の方から、私の国の障害者は惨めなものよ、ほんとに誰も気にしないの。夢も希望もなく生まれた時点で不幸が決まってしまってるの。社会も障害者を隠そうとするの。ほんとに惨めだった。ここは見た目には協会もあって見た目にはまだマシかもしれないけど、そうは変わらないでしょうね。あなたはそれをなんとかできる?って諦念の入った言い方をされてイラっときていたというのもあり、言葉通り受け取って、逆境だなぁと感じたのだった。

少しずつ、視覚障害者というか障害者に対するこの社会の見方と彼らの置かれた状況とがわかってきたような気がする。そしてPRに力を入れて欲しいというボスの意向も。

PRの仕事は、社会やコミュニティのモノの見方を変えたり、新しい価値基準を作ることだ。この場合でいうと、たとえば、障害者=かわいそうな人たちではなく障害者といってもちょっと個性があるだけでぼくたちと変わらないんだね、互いに助け合えるねというふうに考え方が変わってくれれば良いわけだ。(※あくまでも、パッと思いついただけでこの世論形成で実際に動くかどうかは別)

どこまで世の中の視覚障害者の人たちに対するイメージを変えることができたか、実際に募金等の行動に移させることができたかどうかが、ぼくの2年後の評価ということになる。

世論を変えてほしいという限り、どうやったって逆境からスタートだから全然問題ないのだけど、いかんせん英語力が低いから響くメッセージ、ストーリーが作れないというのが、お金がない以上に課題だなと感じている。

とにかく、まだ来て間がないからと思われている間に戦略を練りたい。

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