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アイスランド一周セルフドライブ(DAY 5 東部フィヨルドの織り成す光景)

未知の国アイスランド5日目。運転はだいぶ慣れてきたが、アイスランドとしてはだいぶ田舎になり、それなりに道幅が狭くなったり、羊が多くなったり、でも速度制限は90km/hなのでトラックとのすれ違いはドキドキもの。
路肩が無いので落ちそうになる。
疲労から眠気も出てくるかと思いきや、この日もダイナミックな風景が続く。そしてアイスランドのアイドル「パフィン」にも遭遇することができた。

☆アイスランド一周の旅程☆
DAY 1 アイスランド到着 南部 ブルーラグーン レイキャビク
DAY 2 南西部 ゴールデンサークル セルフォス
DAY 3 ハイランドエリア 南海岸 ヴィーク
DAY 4 南東部 ヴァトナヨークトル国立公園
DAY 5 東部 イーストフィヨルド エイイルススタジル
DAY 6 北部 アークレイリ
DAY 7 南部 クヴィートセルクル レイキャビク
DAY 8 西部 スナイフェルスネス半島 レイキャビク ケプラヴィーク国際空港
DAY 9 アイスランド出発


DAY 5 東部 イーストフィヨルド エイイルススタジル

この日の旅路はこのあたり。南東部ヘプンから東部エイイルススタジルに上がってくるルートだ。

途中までの海岸線はフィヨルドのダイナミックな景色が見える

Vestrahorn ヴェストラホルン バットマン山とヴァイキング村

羊農場の宿での朝食を食べたあと、氷河を背にしながら海沿いを北東に向かっていった。
最初の目的地はここ。ヴェストラホルン、通称バットマン山。

ここは有料観光エリア

ヴァイキングカフェでチケットを購入し、観光エリアに車で入り、まずはヴァイキングヴィレッジへと向かった。
ここまでの道中、霧が発生しており、ところどころこのように雲がかかったような天候だった。

ヴァイキングヴィレッジの看板と霧がかったヴェストラホルンの山々
バットマン山が見えるも雲がかかってしまっている

しかし、歩いているうちに・・・
霧が晴れて来てくれた。そしてリフレクトポイントに来るとこの青空が。

ここは超遠浅の湾になっているようで、このような水たまりエリアがあった。

少し風があったため水面が揺れてしまっているが、思った以上の景色が撮れて大満足。背景が青空だとそれだけで映える。
ちなみにバットマン山と呼ばれるのは山頂が双耳峰となっており、バットマンのシルエットにも見えるからだそうだ。

そしてその少し先にあるヴァイキングヴィレッジに向かうと、ヴァイキングの船が出迎えてくれていた。
個人的にはヴィンランドサガというアニメを直前に観ていたこともあり、ヴァイキングの文化に少し興味を持っていた。
まさに主人公が生まれ育った故郷がアイスランドの村であり、このような船に乗って旅をしていた。

ヴァイキング船
船の上には入れたので記念写真 持っているのはオール

このヴァイキングヴィレッジは昔からあったものではなく、映画かドラマの撮影で使われたものらしい。史実に基づいて作られているようなので、自分としてはヴィンランドサガのワンシーンに入ったかのような気分になっていた。

ヴァイキングヴィレッジの入り口
トーテムポールのような木彫りのヴァイキングがお出迎え 後ろにはバットマン山
クジラの骨が置いてあった 本物?

とてもシンプルであり、アイスランドの過酷な自然の中でよくこのような建物で生活ができるなと感心してしまう。アイスランド人は本当にタフなのだろう。
それと人気(ひとけ)の無さ。
恐らくだが、夜が訪れると満点の星に囲まれるのだろう。
そしてそこにオーロラがかかり、バットマン山のシルエットが見える事を想像するだけで、ここに来る価値があるのかもしれないと思ってしまう。
(試しにネットで「Vestrahorn Nothernlights」と検索すると美しいオーロラの写真が出てきた。)

海方面からのヴェストラホルン

少し海方面にも車を走らせたがいい景色に出会えず、ゲートにあるカフェへ戻ってきた。
ここで小休止を取り、ホットサンドとコーヒーをいただく。
この日は特に見どころは少なく、ただ距離はあるので少しずつ休憩を入れていく予定でいた。

確かこれで2,000円くらい 美味しかったが

そして次のポイントへと向かい始めた。
ここからはフィヨルドのエリアにもなり、海に向かってこのような急峻な山がそり立っている。
また山肌も火山の石質にもよるのか、色とりどりの山肌を見る事ができた。

ヴェストラホルン付近の山 山肌が斜面によって色が違うのがわかる

Red Chair 赤いイス

謎のポイント「Red Chair」。ガイドにはないがGoogle Mapのポイントにあった場所。道のわきにポツンと突然現れた。
日本人的にはシャア専用のイスが置いてあった。

なんのためのものかわからない
せっかくなのでヴェストラホルン(さっきの裏側)をバックに記念写真

Skútafoss (読めない) 小さなセリャラントスフォス

こちらはRed Chairのすぐそばにあり、リングロードからも近いので寄ってみた滝だ。駐車場より徒歩10分程度。川沿いに歩き、存在も見えているので迷う事は無い。

小さい滝なので川も大きくない そしてきれい

ここは滝の裏側に近いところまで行ける。
そして滝にも飛び込んでも危険は無さそうなくらいのサイズ感。
家族で夏に遊びに来るにはいいところかもしれない。
また、今思うとこの辺りの水は飲んでも大丈夫そうなくらいきれいな水だ。
試しに飲んでみればよかったと後悔している。

夏だったら飛び込みたくなるような滝つぼ

Lupinus ルピナス 夏のアイスランドを彩る花

アイスランドと言えばルピナスだそうだが、確かに一面のルピナスの花が咲き誇っていた。
気候的に樹木が育ちにくいのもあるためか、草原が一面の青紫に染まっている場所が多々ある。
ここはその中でも一面にルピナスが咲いていたところだった。

山を背に一面のルピナス ロードサイドに駐車場ができていた

ルピナスの語源はラテン語のルーパス(Lupus)。狼。
瞬く間に草原の覇権を奪う様は狼のようなのかもしれない。

ルピナスの生命力に驚かされる

それでも植物が少ないアイスランドで、しかも花を咲かせる植物は少なく、大地を彩るという点においては観る者を楽しませてくれる。
特にこのエリアは圧巻だった。

360°カメラで撮った

Hvalnes (読めない名前の岬) と黒玉砂利のビーチ

休憩がてらに見晴らしの良い灯台のある岬に寄ってみた。
バックには地球がむき出しの岩山があり、左右には海岸線がどこまでも続いている。

地球むき出しの岩山

灯台はシンプル。
日本の灯台のイメージは白い塔だが、アイスランドの灯台は白くなく、オレンジなのだろうか。落書きがデザインなのかいらずらなのかわからない。

あまり高くない

その岬の少し手前にHvalnes Nature Reserve Beachというビーチがあり、灯台から見ると、どこまでも続くような景色が見えた。

Endless Black Beachのようにどこまでもビーチが続いている

気になったので車で戻って海沿いにまで出てみた。
Black sand beachと違って、ここは砂ではなく玉砂利のビーチだった。

Hvalnes Nature Reserve Beach 玉砂利のビーチ

触り心地の良い玉砂利だったので、実はひとつ拾って持って帰ってきた。
家のインテリアではないが、たまに手に取り思い出に耽っている

Parking lot 道沿いの名もなきビューポイント

リングロードを走っていると、なぜかロードサイドに車を停めるスペースが出てくる。
恐らく景色のいい場所が近くにあるためで、道幅が狭いくせに郊外は90km/hの速度制限なので危ないため、ちゃんとスペースを設けていると思われる。
ここもガイドには特に乗っていないところだが、降りてみたら素晴らしい景色が広がっていた。

アイスランド東部の海岸線
ちょっとした岩があり座って景色を眺められた
真下は崖 カンタンに乗り出せる

東フィヨルド 果てしない往復

リングロードも東部エリアに入り、フィヨルドの入り江に入った。
フィヨルドというとノルウェイの海岸を思い出すが、氷河で削られ手で来た深い湾はアイスランドでも見る事ができる。
が、車でそのルートを走ると、とてつもない遠回りをさせられている気になった。

右側が海
このように延々と湾が続く
この辺りが最深部 右側が通ってきた陸地 左側がこれから行く陸地
ここから向こうへ橋を作ってくれと言いたくなるほどの回り道

恐怖のすれ違い

動画の方が迫力があるが、たまにこのようなトラックとかキャンピングカーとすれ違う事があるが、恐怖でしかない。
お互い90km/h(こちらは超減速しているが)ですれ違うのだから、高速道路以上に迫力がある。
助手席のヨメさんは「落ちる、落ちる」と叫び、運転席の自分は「ぶつかる!!」と叫んでいた。

よく見ると少しはみ出していないか?!

エイイルススタジルを通ってバッカゲルジへ

フィヨルドの海岸線を抜けて、リングロードは内陸部へと進んでいった。
東部の町、エイイルススタジルへと向かうためだ。
ここからは海からも離れるため、景色は変われど道は直線が多く、眠気に襲われるルートだった。

ダイナミックな景色もだいぶ慣れて単調に思えてきた

ただ、ホテルがエイイルススタジルからリングロードを外れ、1時間くらい先のバッカゲルジという町にあるため、もうひと踏ん張りという感じで頑張って車を走らせた。

平野部は牧草地帯も多くこのように緑が一面に広がっている

途中、峠を越えるところで夕日がきれいだったので休憩を入れる。
下には雲海が広がっていた。

雲海が広がっているエリアは恐らく海

峠を越えてまた低地に降りていく途中、霧がかったエリアに入っていった。日本だとこの程度の高度ではなかなか霧になることはないが、どういう気象条件なのか、東部エリアならではなのか、この日はこのような低地での霧が多く見られた。

雲海のように広がる霧
霧に突入すると暗くなる

Álfheimar Hotel バッカゲルジのホテル

ホテルに到着するとにゃんこが出迎えてくれた。
霧のエリアを抜けるとまた明るくなり、青空が広がっていた。
時間は21時くらいだったと思うが、この明るさだ。

モフモフのにゃんこ
人懐こく、すり寄ってきたので抱っこした

ここのホテルは人里離れた場所ではなく、バッカゲルジという漁港の町にあった。時間も時間だからなのか、人も少なく、静かな町だった。
部屋は広く、バストイレ付。
嬉しいことにヒーターがあったので、洗濯物がすぐに乾かすことができた。
ランドリーがあると書いてあったが、22時を過ぎてしまったので利用することはできなかった。

ちなみに部屋には名前があった。
「Hraun」
従業員の人に意味を尋ねたら、
「僕はスペインから来たのでわからないよ。」
今まで従業員は全てアイスランド人かと思っていたが、確かに300万人もの観光客を相手に30万人のアイスランド人だけでは対応ができないか、と納得してしまった。

きれいで広い部屋

¥こちらは翌日の朝食ビュッフェ。
意外に多くの人が宿泊していた。

いつもの朝食ビュッフェ どこも乳製品は美味しい
ビュッフェはついたくさん食べてしまう

Hafnarhólmi パフィンを見に行く

今回の旅でのやりたかったことのひとつ、パフィンを見に行った。
パフィンは渡り鳥で初夏のアイスランドに訪れる。時間帯によったり、場所によっては見る事ができず、希少な鳥だと思っていた。
この日に泊まったホテルはそのパフィンの鑑賞地としても有名なスポットが近くにあり、パフィンが巣に戻ってくる夜中に行くのにも適した場所だった。
尚、このスポットにはWebカメラが設置されているので、パフィンが今いるかどうかの確認も取れていたので、数羽でも見れればと思い、23時過ぎに向かった。

パフィンスポット

日没間際の港に到着。
美しい夕焼けが見れた。
ちなみにこの夕焼け状態が延々と続く。1時過ぎまでいたのだが暗くなることは無かった。さすが白夜。

陽が落ちそうで落ちない状態がいつまでも続く

そしてパフィンの鑑賞地に到着。
いた。

岬の巣に戻ってきたパフィン

ただ、予想以上にいた。
なかなか見れないと思っていたのが、逆におびただしいほどいた。
そこかしこにいる。
希少性は全くなかった。

崖のいたるところに巣があり 所せましとパフィンがいた
そして夜中なのでじっとしてると思いきや ウロウロ、キョロキョロしている

一見、奇妙な鳥だが、見慣れると愛らしい。

たたずむパフィン
家族?まとまっているパフィン

ちなみに着地が下手なようで、ドカンと着地し、場合によっては他のパフィンに激突したり、勢い余って転がったりする個体もいた。

かわいいフォルムにカラフルなくちばし

この何とも言えない空の色、海の色を眺めながら、パフィンの日常は続いている。彼らは陽が沈まないのにこの夜中に巣へ戻って来て休むらしい。
そして朝6時頃に狩りに出ていくので昼間はいないとの事。
あまり休んでいるようには見えないし、またすぐ日が昇って明るくなるのに、何を基準に生活しているのだろうか。
そして子育てが住むとイギリスに渡っていくとのこと。

美しい日没を見る事ができた よく考えると東側の海岸なのに海に日が落ちるのを見えるのか
パフィンアイランド

きれいな夕日とパフィンを堪能し、ホテルへの帰路の途中、漁港の船を見ると鏡のようなリフレクトが見れた。

長い一日の終わり

目まぐるしい天候と言われていたアイスランド。
到着時の雨以外、悪天候は無く5日間を過ごすことができた。
残りの3日間も良い天気に恵まれる事を期待し、この日も深い眠りにつくことができた。

前回より写真を多めにしたら長くなりました。
アイスランドの景色だけを観たい人は動画の方が良いかもしれません。
こちらも長いけど(50分)、倍速であれば25分くらいで夏のアイスランドを一周できます。


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