見出し画像

3分でわかるタリバンとカブール空港事件の概要

【今回の文字数:2162文字(所要時間3分)】

はじめに

いつもご覧いただきありがとうございます。今回初めて来てくださった方は、ぜひこちらもご覧ください。

カブール空港で7人死亡

この見出しで始まったテレビニュースの映像は、悲惨なものでした。

アメリカ軍の飛行機が飛び立とうと動いているにもかかわらず、周りに押し寄せている人々

中には翼によじ登っている人の姿もありました。

そんな状況でも飛行機は離陸を試み、翼に人を乗せたままフライト

空高く上った飛行機の翼から人が一人また一人と落ちていく様子までテレビで映っていました。

なぜこのような事態になったのでしょうか。

タリバンに制圧されたカブール

アフガニスタン反政府勢力であるタリバンが、首都カブールを15日に制圧しました。

いままでもアフガニスタン各州の都市を破竹の勢いで陥落させていました。そんな中、政府側の最後の拠点であったのが首都カブールです。しかしそこも15日に制圧。大統領は国外に脱出し、「タリバンが勝利した」と敗北を認めました。

その結果、日本や欧米など各国は、現地の大使館職員や協力者らの国外退避を急いでいます。

今回の事件はこうした中で起きました。

人々が殺到した飛行機

アメリカも各国同様大使館員などを優先的に退避させるために16日、カブール国際空港を使います。

その飛行機に、タリバンを逃れようと必死のアフガニスタン市民が飛行機によじ登ったのです。

結果として民間人が少なくとも7人死亡する事態になり、出発が予定されていた民間機のほとんどが運航停止となってしまいました。

その結果、皮肉なことに大勢のアフガニスタン人や外国人が空港で立ち往生しています。

ここでも噂が広まっている

日本でも「ライオンが折から逃げた」「トイレットペーパーが品薄になる」など、震災などが起きた際に、さまざまな噂が流れます。

アフガニスタンでも同様に、噂が混乱を拡大させました。

本来出国する際には査証(ビザ)が必要になりますが、「査証がなくても出国が認められている」といううわさが広がりました。

「とにかく空港に行けば何とかなるかもしれない」という期待を胸に空港まで向かいましたが、結果はニュースに流れている通りです。

なぜ国外への脱出を望むのか

では、なぜアフガニスタンの市民は国外脱出を試みたのでしょうか。

そもそも2001年まではタリバンが政権を握っていました。

タリバンはイスラム教の厳格な解釈により、女性の権利を制限したり、公開処刑などの人権侵害に当たる政策を行っていました。

またこのような悲劇が起きるのではないかと恐れているのです。

アメリカとタリバン

そんな中、タリバンと深い関係とされているアルカーイダが2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ事件を起こします。

そこからアメリカ主導の有志連合が侵攻し、アルカーイダの首謀者とされるウサーマ・ビン・ラーディンを殺害し、タリバン政権も崩壊しました。

そして民主的な政権がアフガニスタンに生まれました。

しかし、アメリカは昨年2月、当時の大統領ドナルド・トランプ政権が、今年の5月までに米軍を撤退させると発表。ジョー・バイデン大統領も今年4月、アメリカ同時多発テロから20年を迎える9月11日までにアフガニスタンの駐留米軍を完全撤退させると表明しました。

その結果、15日には多くの市民がカブールから脱出しようとして、交通渋滞が発生しました。

つまり、駐留米軍完全撤退に付け入る形で全国の主要都市を驚異的なスピードで制圧した形になりました。

しかし、アメリカ軍の撤退はトランプ元大統領が言い出したわけではありません。実はオバマ大統領の時代から、アフガニスタンに駐留している軍の撤退を宣言していました。

2009年12月に、アフガニスタン駐留軍を3万人増員するという発表とともに、2011年までに撤退を開始すると表明しています。

しかし、2015年、オバマ大統領はアフガニスタンのアシュラフ・ガニ大統領の要請を受け、駐留軍の撤退延期を発表します。

2019年にはアメリカとタリバンの和平交渉が決裂しますが、2020年に、数か月におよぶ交渉の末、アメリカとタリバンがドーハで合意します。その際にアメリカは駐留軍撤退を約束し、今に至りました。

タリバンの声明

タリバンは「平和と寛容の政府になる」「国民と国に奉仕する」と繰り返し述べています。

国内外で懸念されている女性への扱いについても、「女子が教育を受ける権利や女性が家の外で働く権利を認め、女性は頭髪を隠すヘジャブをつければ外出は認める」と述べました。

しかし、すでに制圧している地域では、「戦闘員が女子の登校を禁止した」「男性の付き添いなしでの外出が禁止されている」「タリバンが強制する行動規範に違反した人たちを殴ったりむちで打ったりしている」という情報もあります。

アフガニスタンのこれから

今後アフガニスタンはどうなるのでしょうか

中国はすでに「タリバンと友好的関係を築く用意がある」と述べています。

イランのエブラヒム・ライシ大統領は、「アメリカ軍の撤退はアフガニスタンに永続的な平和が実現するチャンスになるはずだ」と歓迎しました。

一方では前述したような人権侵害や、アメリカなどに通訳などで協力していた人々がタリバンから狙われる恐れがあると危険視されています。今回の事件はこういった背景から起こってしまいました。

しかしこれは始まりです。今後どのような国になっていくのか、見守ることしかできません。

参考資料

今後書きたいリスト

・その指示伝わってる?
・生徒指導はその日のうちに
・電話での生徒指導連絡
・生徒指導は2種類~事後指導と予防指導~
・努力を間違えるな~瞬間?長期?~
・ちょっと聞いてよ。~今の現状~
・若手教員が多い学校の恩恵と弊害
・MISIAさん アイノカタチ

「こんな話が聞きたい」というものがあれば、リクエストをお待ちしております。

最後に

フォロー40いただきありがとうございます。

基本的に1000~2000文字程度の読みやすい記事を心がけています。少し空いた時間のお供にどうぞ

コメントいただけるとやる気がわきますのでよろしくお願いします。好きマークも喜びます。よろしくお願いします

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?