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大河ドラマ初めて勢におすすめの話3選
大河ドラマ大好きっ子として育ちましたが、周りを見れば「一年間見続けるなんて長すぎて無理」という声もチラホラ。
確かにその気持ちわかる。私も離脱する時ある。
だから今回は「この大河ドラマのこの回だけ見てみて!3選」を選んでみました。(初めての方も見やすいかなと思って割と近年の作品&NHKオンデマンドで視聴可能な作品に絞りました)
日本の名スタッフ&キャストたちが総力を上げて作る大河ドラマは、その年の先端技術や、歴史の最新調査結果が盛り込まれます。大河ドラマ放映開始から57年経ってますから「新しい表現を見せよう!」ってスタッフの気概も画面から伺えます。まさにエンタメの極地。
特にクリエイターなら、色、構図、台詞、間合い、ストーリー構成などなど学ぶことがたくさんあります。
1.龍馬伝 第15話「ふたりの京」
今をときめく佐藤健の名演技が光る!!!!龍馬伝は全員主人公レベルなのでどの回を推そうか相当迷いましたが、男女問わずみんなの彼氏・佐藤健を推さずしていられようか...!
主人公・坂本龍馬を演じるのは福山雅治さん。佐藤健さんは龍馬の幼馴染・岡田以蔵(おかだいぞう)を演じています。「以蔵といえば佐藤健」と言われるほどのはまり役。
岡田以蔵は、幕末の三大人斬りとも言われる人物。時代劇ではよく冷酷な殺人鬼のように描かれてきましたが、龍馬伝は違います。
純粋無垢で子犬のような振る舞い!!「わーっ龍馬!龍馬龍馬ーーッ!」とじゃれつく姿に尻尾が見える!!かわいいんじゃ!!!!
そんな彼が心から慕うのが、大森南朋さん演じる武市半平太(たけちはんぺいた)。
この人が飴と鞭が上手くてですね...武市さんに命じられて、というか「あいつ斬ってほしいな〜」みたいな匂わせに従って、以蔵は人斬りを始めます。学のない以蔵は仲間から見下されがちだけど、人を斬るとリーダーの武市さんが褒めてくれる。「おまんになら本音で話せる」って言ってくれる。
「殺しとうない」と呟き震える子犬が人斬りとして闇落ちしていく様子が、健気で健気で仕方ありません。そしてどんな目に合おうと最後まで武市さんを崇拝する姿がもう...!
15話はそんな健が詰まってるのでぜひ見てください。殺陣のシーンは演出が神がかっていて、「人を殺す恐怖」を生々しく描きながらも相当かっこいいです。
個人的には伊勢谷友介さん演じる高杉晋作、激推し。着物姿が粋すぎる。三味線弾きながら銃弾飛び交う戦場を歩いてサマになるの、この人だけじゃない???
2.おんな城主 直虎 第32話「復活の火」
正直、当初はあまり期待していなかったんだけど、回を重ねるごとに「これは神作品なのでは...?!」となった大河ドラマ。主役は柴咲コウさん。唄うようなお経も、猪突猛進な殿も、ふとした瞬間の凛とした佇まいも、すべてが美!
そしてこのドラマのキーマンは間違いなく、高橋一生さんでした。
言葉の行間を読ませるような余白の取り方、呼吸ひとつひとつの演技、瞬きの回数、視線の動かし方。見ていて、息をするのも忘れちゃうほど。
もはや「高橋一生の演技」という国宝の域。
彼が演じたのは「主を裏切ったくせに数日しか城主になれなかった愚の家老」と評されがちな小野政次です。そんな彼を「初恋の城主を命がけで守るため、裏切り者を演じる」という役どころにした脚本に拍手喝采。これが名高い森下佳子脚本か...!
歴史は勝者が書き換えると言われます。だから通説で悪とされる人の裏を読み取ろうとするような脚本を見ると「そうきたか!」って楽しくなっちゃう。ドラマの醍醐味。
政次の退場シーンの台本が出来上がった時、森下さんは虚脱状態に、プロデューサーはかなりぐったりして、音楽担当の菅野ようこさんに至っては熱を出して10日間寝込んだそうです。これほど作り手の情熱がかけられた作品なのだから、胸打たれないわけがない。
というわけで、退場回の一話前、第32話をまず見ることをおすすめします。政次の魅力が詰まってる。
これを見てから、もし良ければ、次話の33話をぜひ...!高橋さんと柴崎さんの演技がバチバチにせめぎ合う血塗れのラブストーリー、泣かずに見られません...!
3.八重の桜 第9話「八月の動乱」
「憑依型」俳優・綾野剛が世に知れ渡った作品。彼が演じたのは会津藩藩主・松平容保(まつだいらかたもり)。これが見事な...!名キャスティングでござりました...!!(思い出しただけで涙)
大河史上に残るキャスティングだと思います。演じるキャラクターを理解してるとか、分析してるとか、そんな粋を超えて、憑依してました。史上最高の松平容保。
芯があって、でもとても繊細で、儚い佇まい。重圧に苦しむ様子を見れば「殿、おいたわしい…」と支え申し上げたくなる、圧倒的なお殿様。当時の大河TL(タイムライン)が「殿...!」一色だったのを覚えています。
そして何かがのしかかっているような、一種の鬱状態のような言動。きっと当時の容保はこんな感じだったのかもと思わせる演技力。
「ほとんど無呼吸でした。顔が真っ赤になって血管が浮いてる」
とご本人が言うほどの入れ込み具合。松平容保のご子孫が「綾野剛に容保公が憑依していた」と太鼓判を押しています。
彼の演技と、この大河ドラマの良さが詰まっていると個人的に感じるのが第9話。
主人公、綾瀬はるかさん演じる山本八重が住む会津の穏やかさと、容保がいる京都の不穏さのコントラストが強く描かれています。こういう積み重ねがあるからこそ、この後に起こる会津戦争の凄惨さが余計に際立ちました。「戦争は嫌だ」ってセリフが乱立するよりも身に迫る恐怖がありました。
そしてこれはドラマ全体を通してなのですが、画面がとにかく美しい。なんてったって、映画用カメラ2台で撮影されているから。
「薩長、坂本龍馬を出した土佐など、維新側のエネルギッシュな魅力に対抗するには、150年前までは確かに存在していた会津藩という小国をユートピア(理想郷)とまでは言わないにしても美しく描くしかないと思ったので、映画用カメラで撮ることにしたのです」
と、ディレクターの加藤拓さんが仰っていました。
まさに映画のような奥行きのある絵は、どのシーンも見惚れる美しさ。暗闇にロウソクの炎がぽっと灯る会津藩邸や、磐梯山を背中にキラキラと豊かに広がる会津の田畑。
そこに重厚感のある音楽(坂本龍一さん)も相まって、美しさと悲壮感が隣り合わせなツンとした空気が画面の向こうから漂ってきました。
「これを見れば幕末の流れはなんとなくわかる」構成なので、歴史をさらってみたいって方にもおすすめです。
番外編
NHKオンデマンドに収録されてないけど超おすすめなのが「真田丸」と「新選組!」。どちらも我らが三谷幸喜先生の手がけた最強の大河ドラマです!特に真田丸は個人的に大河ドラマの永遠のトップだと思う。
そして好き嫌い分かれるけど、昨年の「いだてん」も名作。こちらはオンデマンドに入ってます。宮藤官九郎さん脚本。
近代史作品の金字塔だと個人的に思っています。過去の話なのに、あれ?今の日本...?ってシーンがいくつも。ちょうど今再放送中ですので、大河ドラマデビューにはもってこい!
リアルタイムの醍醐味!「Twitter見ながら大河ドラマ」するなら今!
そして、今年の大河ドラマ「麒麟がくる」はまだ始まったばかり。途中から見てもまだまだ追いつけます。主役は長谷川博己さん演じる明智光秀。
染谷将太さん演じる織田信長が登場してから、ますます面白くなってきました。
日曜夜8時は「#麒麟がくる」が大賑わい。まるで皆でテレビ見てるような気分になります。
テレワークで日々のメリハリが減ったなら、毎週末同じ時間に、Twitterの皆と一緒にテレビを見る。そんなルーティンはいかがですか。
大河ドラマが楽しいと、「日曜までがんばるぞ!」と気合が入ります。私はそのモチベーションで生きてきました。
大河ドラマは一年の積み重ねなので、全話見るからこそ主人公と一緒に過ごした時間を尊べたり、伏線の回収に感動できたりします。
だから一話だけ見てもよくわからない部分もあるかもしれないけど...
もし気になる作品が見つかったら、前後の話を見て、そして良ければ全話視聴してみてほしいです!
大河ドラマは過去作も、そしてこれから放送される作品も豊富なので、沼が深いぞ〜!
(普段はここで大河ドラマや落語について語ってます→http://picmag.sky-picnic.com/)
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