大人になるということ
おばあちゃん、認知症になったって聞いた?
実家に住む姉と久々に会った時、姉の口から出てきた言葉。
私の祖母は35歳の時に、祖父を亡くし、それから1人で母たち兄弟4人を育て上げ、今も1人暮らしをしているパワフルな人。
3年前くらいに脳梗塞を発症しても、1人暮らしに復帰するためのリハビリをして、元通り元気に暮らしていた。
今年の夏に久しぶりに会った時にも、86歳とは思えない身体の動かし方をしていて、相変わらず元気だなぁと安心しきっていた。
そんな元気でパワフルな祖母が認知症――?
正直ショックだった。
自分が年齢を重ねて大人になっていくのと同時に、親や親族も年齢を重ねて人生を全うしていくという、当たり前のこと。
そんなの分かっているし、いつか来ることも分かっている。
でも、それが着々とこちら側に向かっているのだと知ると、やはりショックだ。
今は母たち兄弟がグループホームを探しているらしい。
もともと祖母が1人暮らししている団地もボロボロだったから、安心ではある。
近々会いに行こうと決めた。
何が孝行なのかって分からないけれど、おばあちゃんの作る料理が大好きだったこと、そんな美味しい料理を食べ切れないくらい作ってくれたこと、おばあちゃんと一緒にバスに乗っていろいろな場所へ兄弟と行ったこと、他にもたくさん、全部全部私の中の思い出であることを、しっかりと祖母に伝えよう。
祖母の認知症が進んでしまう前に、出来ることを全部しよう。
私も笑顔で暮らそう。
その笑顔を思いっきり見せよう。
そしてもちろん、決して若くない母と父へも孝行をしよう。
姉と会ったその日は、自分が大人になり切れていないことを痛感した日になった。
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