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5、【10年以上続く事業】となるための理念を作成する方法②

「私の住んでいる地域を元気にしたい!」そんなあなたの想いをサポートしたい!Мの行政書士・上杉哲哉です。
(福島県会津若松市と栃木県日光市に在住しています)

今回は【10年以上続く事業】をたてあげる為の基となる、〈理念作成法〉の第二回目です。

(第5回) 
【10年以上続く事業】となるための理念作成法②

(1)解決が求められながらも、まだ事業化されていない〈ニッチ〉な課題を見つける

解決が求められながらもまだ事業化されていない事業のことを〈ニッチ(=隙間)〉な事業といいます。

ニッチな事業は隙間産業ともよばれています。

前回も考えましたが、ニッチな課題を見付けることが事業成功の大きなカギとなります。


では、どのようにして〈ニッチな課題〉をみつけていくのでしょうか?

★〈ニッチな課題〉とは、そもそもどのようなものかを考えてみる

ニッチな課題とは、
「大企業が着目していない」
「誰も進出していない」
「新しい販売路線につながる」

一見すると新たなアイデアが求められているのでは…と感じるかもしれませんが、3つ目の「新しい販売路線につながる」という条件がとても大切です。

これは、実は過去にも取り組まれていたにも関わらず、上手くいっていない課題…若しくは、時代が経過してしまったために新しい解決が求められている課題である可能性があるからです!

よって、新しい課題だけでなく、既存の事業がどのような課題に取り組んでいるのかをよく調べましょう。そして、その商品の動向・成否をチェックします。同じような商品でも、目線を変えたり販売路線を変えることで成功している事例も沢山あります。

新しい課題と共に既存の事業にも目を向けていくことで、よりニッチな課題は見付けやすくなります。

【事例】インスタカート
既存の事業を分析することでニッチな課題を見出した事業として、アメリカで展開されている「インスタカート」という事業があります。
インスタカートとはスマホを2タップするだけで、野菜や果物を自宅などに届けてくれるサービスを展開している事業者です。

デリバリーして欲しい場所の郵便番号を入れると半径5マイル以内にあるスーパーが表示され、好きな店舗をクリックすると商品一覧がでてきます。

商品を選んでチェックアウトすると、「ショッパー」と呼ばれる同サービスに登録している人が、注文した人の代わりに店まで買い物に行き、45分以内に自宅まで商品を届けてくれます。

この事業の創業者であるアプルーバ・メータ氏は、元amazonの物流システムを開発するエンジニアでした。アプルーバ氏は、amazonなどのEC事業者が行う「物流網や倉庫といった巨大インフラを構築して、効率よく商品を届ける」という仕組みには一切の疑問がないと感じていました。

しかし、彼はある時、EC事業者が行う仕組みでは、家庭で使う食料品や日用品などを取り扱うことが難しいのでは…ということに気が付いたのです。食料品や日用品などは消費期限が短いため、巨大インフラでは在庫管理が難しく、取り扱えないのです。実際にamazonは一度は取り組みましたが頓挫した歴史があります。

しかし、amazonの物流システムを扱うエンジニアとして、食料品や日用品への需要があることにも気が付いていました。どうすれば、消費者の課題を解決することができるのか…と考えた結果、消費者の近場のスーパーの存在に気が付いたのです。

スーパーはEC事業の発達により、食料品や日用品以外の商品の売上が減少傾向にありました。よって、食料品や日用品の売上アップが課題でした。アプルーバ氏はこの課題にも気が付いたのです。

EC事業者への食料品や日用品の取扱へのニーズと、スーパーの課題…さらに、EC事業者の食料品や日用品を扱えない課題…この3つの課題を解決する方法として、ECのシステムを利用した買い物代行サービスを考えついたのです。

倉庫の代わりにスーパーを利用するという発想です。このアイデアは消費者の課題だけでなく、スーパーの食料品や日用品の売上アップという課題も解決するものだったので、スーパーの協力も得られるようになり、事前に仕入商品のラインナップ情報の提供してもらえたり、「ショッパー」と呼ばれる買い物代行者専用の駐車場をスーパーが提供してくれるようになることで、注文から45分という短時間で、
商品を届けられるという仕組みを構築できたのです。

けれど、amazonはアプルーバ氏の発想を退けてしまったので、アプルーバ氏は、独立して事業を立ち上げました。起業後、事業はどんどん成長し、スーパーの食料品や日用品以外のamazonが扱う商品も扱うようになり、amazonが売上減少を懸念する事態にまで発展するまでの成功をおさめたのです。


既存の事業に着目し、ニッチな課題を見つけたのでした。

新しい課題を見つけようとする視点と共に、既存事業の分析の中でニッチが見つかることがあるので、この二つの視点が重要です。

(2)ニッチな課題をみつけたら、以下の2つの分析をしてみましょう!

ニッチな課題を見付けることが事業成功の大きなカギとなります。
しかし、ニッチな課題には落とし穴もあります。ニッチな課題をみつけた!と思った時には以下の分析をするとその落とし穴にはまる失敗が少なくなります。

①課題がニッチ過ぎていないか?

ニッチであることを求めすぎるあまり、顧客が少なく、事業継続が困難になるケースもあります。


【事例】奇抜なデザインの商品と衝動買いするユーザーとの組み合わせ
かつて、奇抜なデザインの商品を衝動買いするユーザーを狙った事業がありました。

最初は話題性もあり、初動の売上はよかったのですが・・・あくまでもユーザーは「衝動買い」なので、客単価が伸びず売上は安定しませんでした。ユーザーの人数も増えず、結果的に事業は大きく成長しませんでした。

②課題がニッチ過ぎていなかったとしてもコスト面についてはどうか?

「ニッチな課題をみつけた!」と思っても、事業化するまでに、もしくは事業化した後にコストがかかりすぎるケースがあります。

ニッチな課題が残っていたとしても、コストがかかりすぎるから今まで取り組まれてこなかった、ということもあるからです。


【事例】「全国の○○が食べられる!」
イベントではよく見かける事業ですが、継続して行おうという事業者が以前複数業者いました。しかし、現在はほぼすべての事業が撤退してしまっています。

その理由はコストがかかりすぎるからです。

全国の○○を集めたり、契約したりすることになるのでコストはかかります。

また、実際には人気のものが限られてしまったりするので、コストのわりには売上が芳しくない場合が多いのです。

よって、ニッチな課題を見付けた時にその課題を解決する具邸的な事業を想定してみて、コストがかかることが想定される場合は、コスト削減する方法が思いつかない限りは、その課題に取り組まないことが最善の選択となります。

―まとめー

・解決が求めながらも、まだ事業化されていない「ニッチ」な課題を見つける
⇒大企業が目を点けていない、誰も目を点けていない…新しい課題を見付けようとする視点が大切ですが、それとともに、既存の事業の中にも実はニッチな課題が潜んでいます。新しい課題発見の視点と共に、既存の事業を分析する視点も大切です。

・ニッチな課題を発見したと思っても慎重に分析する
⇒ニッチ過ぎたり、コストがかかりすぎる課題かどうかを見極めることが失敗を最小限にするカギとなります。

今回は【10年以上続く事業】を具体化できる理念作成のための〈課題発見法〉についてでした。

ニッチな課題は、新しい場所だけではなく、既存事業の中にもあるというのは意外ですが、改めて言われてみれば納得ですね!
次回は、【10年以上続く事業】となるための理念を作成する方法の第3回目です。

最後までお読みくださりありがとうございました!


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