死と向き合うことは生きる心を覚醒させる
愛猫ミケが膝の上でくつろぎ、すぐ横で愛犬田(でん)が安らいでいる。
ああ、幸福だ。
「人類の幸福のために」
アサイゲルマニウムの生みの親、浅井一彦博士が掲げたビジョンは私の指針となった。迷ったときは、それに沿う選択肢を選ぶのみ。
私は人を疑い憎んでいた。いつしか人は命を脅かすガンであり、いなくなればいいという思いに取りつかれ、それと同じ人である私は「死にたい」とつぶやいては酒におぼれ暴言を吐く日々だった。
父がアサイゲルマニウムを世に広める役に立ちたいと心底願ったのは、『ゲル