描き下ろし漫画満載すぎて『ダンジョン飯』購読者は絶対買った方がいい『ダンジョン飯 ワールドガイド 冒険者バイブル』
【レビュアー/新里裕人】
つい先日(2021/2/13)『ダンジョン飯 10巻』が発売されました。
約7か月ぶりの新刊を待ちかねていた読者の皆さんはとっくに購入されて、すでに読了された方も多いと思います。
では、同日発売された『ダンジョン飯 ワールドガイド 冒険者バイブル』のほうはどうでしょうか?
実は先日、近所の本屋のコミックスコーナーを見たら、10巻は3列平積みで売り場に並んでいたのにバイブルの方は1冊も置いてなかったんですよ!
恐らく売り切れ?という可能性が高いのですが、そもそも書店には何冊入荷されていたのでしょうか?
私は断言します!10巻を買った読者は全員バイブルも買うべきだ!と。
正直言うと、私も実際に読んでみるまでは、そこまで内容に期待していませんでした。
ヒットタイトルでは、こうした「ガイドブック」や「解説本」が発売されることは多いですが、本編の画像を切り貼り編集しただけの、安価な総集編的な手抜き本も少なくありません。
私も過去、そうした何の情報もない「駄ガイドブック」を買わされ、何度も涙を飲んできたクチです。
しかし本書はそれらと一線を画す、九井先生の愛とこだわりが詰め込まれた作品でした!
「描き下ろし漫画」満載の人物解説
何より目玉なのが、第一章の人物解説です。
本人の略歴やパーティー内相関図なども良くまとまっているのですが、
それぞれのキャラごとに書き下ろしの漫画が入っているのがすばらしいです。
その多くが、本編前のキャラクターの過去について描かれているものが多いので非常に興味深いです。
以下はマルシルがライオスのパーティーに入った時のお話(の一部)ですが、やっぱりあの頃から気苦労が多かったみたいですね(笑)
『ダンジョン飯 ワールドガイド 冒険者バイブル』(九井諒子/KADOKAWA)より引用
後半にも漫画が盛りだくさん!
第三章では人種解説(トールマンとかエルフとか)があるのですが、ここにも描き下ろし漫画が入っています。
その他、掲載雑誌(ハルタ)企画物の掲載漫画とかも全部収録されています。
ファリンファンの私としては、ドラゴンに食べられる前の素顔を知る機会が多かったのが一番うれしかったですね。
個人的には、耽美小説好きのマルシルが、自分のおすすめ作品をファリンに貸す話が面白かった!
『ダンジョン飯 ワールドガイド 冒険者バイブル』(九井諒子/KADOKAWA)より引用
というわけで、私と同じように「ワールドガイド」という言葉に警戒して、買うのをためらっていた方は、安心して購入していただきたいです!