DX(デジタルトランスフォーメーション)がなぜ必要なのか?
前回はDXの定義について説明しましたが、今回はDXがなぜ必要であるのかを見ていきたいと思います。
DXが必要と言われている理由は大きく以下の3つあると思います。
顧客の活動自体がデジタル化に移行している
進化のスピード、日本の経済規模の縮小、労働人口の減少から企業がイノベーションへ取り組むことがマストに
既存システムによる問題が発生する2025年の崖
それぞれ見ていきます。
顧客の活動自体がデジタル化に移行している
顧客の消費・購買活動がデジタル化へ向かっている
顧客の消費・購買活動が急速にデジタル化しており、企業よりも顧客のデジタル化が進行していることにより製品やサービスのミスマッチが起きているということです。
本質的に言えば、顧客が企業よりも先に消費活動や購買活動がデジタルへ移行している中で、それに合わせて、企業の活動、プロセスを経る製品、サービスの購買体験をデジタル化してリデザインすることが必要な時が来た。
というべきだと思います。
デジタルへのパラダイムシフトが起こっている
またデジタルへのパラダイムシフトが起こっているとも言えます。つまり旧来モデルから新たなモデルへの断絶を乗り越えなくてはいけなくなっているということです。
今のデジタルという流れは、産業革命のようなパラダイムシフトのひとつと考えるべきであると思っています。
今起こっているデジタル時代へのシフトに乗り遅れた結果、破綻に至った企業はコダックやトイザらス(米国)が挙げられます。
進化のスピード、日本の経済規模の縮小、労働人口の減少から企業がイノベーションへ取り組むことがマストに
進化のスピードが早くなっている(技術革新、情報の伝達)
進化のスピードは昔と比べ、明らかに早くなっています。
この図は、航空会社や自動車から、テレビやパソコンを経て、ソーシャルメディアやポケモンGOに至るまで、5000万ユーザーを達成するまでの期間を表したものです。
これを見ると明らかですが、物事の進化のスピードが明らかにアップしているように見えます。
少子高齢化で日本の経済成長が鈍化する・経済規模が縮小する
経済規模を表すGDPは1995年以降は停滞していて、以降は経済成長が鈍化し続けている。
労働力人口の減少で生産性向上が求められる
労働力人口の減少は続いている。この試算では2065年には2016年と比べて4割ほど労働力人口が減少することになります。
既存システムによる問題が発生する2025年の崖
既存システムにおける問題が2025年に露呈すると言われている
2025年には21年以上稼働している既存のレガシーシステムがシステム全体の6割を占める。2025年から30年の間に最大12兆円の経済損失が生じると推定されています。
具体的には以下の6つが問題を引き起こすとされています。
業務に合わせたスクラッチ開発多用によるブラックボックス化
既存システムの技術面での老朽化、システムの肥大化、複雑化による高コスト化
事業部ごとの最適化を優先したため、全社最適に向けたデータ利活用が困難
ユーザー企業とベンダー企業の関係がレガシー化の一因 (ウォーターフォール型)
有識者の退職によるノウハウの喪失
システムサポートの終了
今回はDX(デジタルトランスフォーメーション)が必要な理由を見てきました。
次回はDXの事例をいくつか見ていきたいと思います。
ご拝読いただきありがとうございました。