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“足が重くなった、動きが鈍くなった?!”―原因と解決法―

※今回のnoteは主観が多めです🙇

足が遅く感じるようになったのはいつからだったか。

とにかく足が遅くなった。

動きにくい、走りきれない、でも、肺はきつくない。

きっかけとなったのは、中1の時にACL損傷して8ヶ月サッカーできなくなったことだと思う。

その時に、“身体が硬くなった、重くなった、そして、動きが鈍くなった”と感じた。



【生理学的に考えられること…?】

(引用:運動機能障害症候群のマネジメント、骨格筋の構造・機能と可塑性、運動生理学20講第3版)

1.筋肉は適度に動かさないと硬くなる。

2.中学生は成長期のピーク期であり、身長も伸びるし、筋量も増える。

✓筋肉は重い。
✓筋肉は使いこなさいないとただの重り。

当時はとにかく早く復帰したかったから、できることをやろうと常に考えていた。
それでひたすら体幹トレーニングをした。
プランクでキープばかりしていた。
それが悪かった。
プランクキープは悪いわけではない。
やり過ぎたことと、他のトレーニングをすれば良かった。


プランクキープは、アイソメトリック収縮であり、筋の長さを変えずに筋収縮をする。

これは筋力をつけるというより、筋収縮をさせるための神経活動を活性させるために行う

トレーニングというよりアップやアクチべーション、使えない筋肉を使えるようにするために行う。

実際の動きでは、筋は長さを変えて運動を起こす。

その中でより強い力を発揮することで筋力・パワーが向上し、速く動けたり当たり負けしなくなる。

それができるようにするためには、アイソトニック収縮をする必要がある。

キープではなく、筋肉の長さが変化する、関節が動くトレーニングをする。

アイソメトリックのトレーニングばかりしていたので、成長期で筋量もついているが、動きを起こすためのトレーニングではなかったので、筋肉がただの重りになってしまった。



3.筋肉は短縮位と伸張位で保持されると筋力が低下する。

まとめると…

怪我したことで筋肉を動かさなくなって硬くなり筋力も低下し、その時はちょうど成長期で筋量がついて動いていなかったから使えない筋肉になった

それで動けなくなった。

こんなサイクルで動きが鈍くなった。

しかし、その時は有酸素性持久力は走り込みすれば、動きの鈍さは、改善するだろうって思った。



【走り込みして得られるものは?】

心肺機能”とその時は思った。


(下記は大学の授業のメモが多めです🙇)

人間の有酸素性持久力の指標としてVO2max(最大酸素摂取量)がある。

“VO2max=心拍出量×動静脈酸素較差”

人間は肺から酸素を取り込み心臓から血液が拍出され、末梢・筋肉へ輸送される。

心臓から血液の拍出量は…

“心拍出量=一回拍出量×心拍数”

で求められる。
より多くの血液が拍出されれば、有酸素能力が向上すると考えがちだが、そもそも人間の水分量はほぼ一定であり、増えることはほぼない。

(トレーニング初期は増えるが、頭打ちがある。Long slow distance:チンタラ走りは増えない。)

動静脈酸素較差”は、動脈と静脈の酸素量の差であり、差があるほど筋肉が酸素を取り込んだことを表す。

筋肉は収縮する時にATPをエネルギー源とし、ATPを再合成する時に酸素を必要とするが、それは比較的低強度の運動で起こる。
動静脈酸素較差が改善するのは、サッカーのような間欠的よりもマラソン系の走りである。

走り込みがいらないことはない。
VO2maxの向上は基礎体力の向上てあり、基礎体力がない人が高強度インターバルトレーニングをしても効果は低い。
というのは、一本一本で全力を出しきれないから。

つまり、有酸素性持久力・心肺機能・VO2maxのトレーニングによる効果は、あまり期待できない。
有酸素性持久力がないから動きが鈍いというわけではない。



【何を改善すればいいのか?】

アイソメトリック収縮のトレーニングばかりしていた。
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身体を固めるような使い方になっていた。
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可動性を出す。しかし、全部出す必要はない。
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Joint by Joint Theory
人間の関節は可動性と安定性のどちらかを求められている。
可動性と安定性は隣接する関節と別の方を必要とする。

足部…安定性
足関節…可動性
膝…安定性
股関節…可動性
腰椎…安定性
胸椎…可動性
肩甲胸郭関節…安定性
肩甲上腕関節…可動性

人間が走る時に最も動きがあるのは股関節
陸上エリート選手の走行時の立脚期の下肢関節の動きを解析すると、股関節が最も動き、膝関節はほぼ固定した状態であることがわかった。
(引用:筋肉の科学知識,Newton別冊)


ここから下記は自分の考えです。

これは股関節が力を生み出し、それは末梢へ伝達されて、身体が前に進む。
この時に膝関節の動きがあると力が逃げてしまう。


本来、Joint by Joint Theoryは傷害予防の考えであるが、パフォーマンス向上と傷害予防は似た考えなので、上記のように考えるのもありかなと。


もう1つ可動性を出すべき関節が胸椎
胸椎は肋骨がついている脊椎である。
なぜ胸椎の可動性を出すべきか。
胸椎の可動性、特に回旋の可動域が出るといい時は、ターンや方向転換の時である。

ターンや方向転換の時に上肢が主導で動き、先に上半身が進行方向に向いて下半身がそれに付随するように動くと、より速く方向転換できるというイメージ。


主観的ではあるが、実際に自分は、腰痛になり胸椎の回旋可動域のトレーニングをしたあと、痛みも減ったし、動きも軽くなった。

<余談>
胸椎の回旋可動域を出すためには、肩甲骨が内転。
肩甲骨が内転するためには、胸椎が伸展。
つまり、肩甲胸郭関節は安定性の関節なので、肩甲骨が内転、胸椎が伸展=姿勢がいい状態で、胸椎の回旋の可動域を出す。



上記で股関節の可動性について述べたが、股関節がより可動しやすい感覚を得るために必要な要素を述べる。
これが結構重要。

1.骨頭の求心性

股関節は骨盤の臼蓋と大腿骨骨頭で構成される。

股関節は屈曲時に大腿骨骨頭が転がりと滑りの混合運動をする。
この時に大腿骨骨頭が臼蓋に適度に圧迫する。

これらを可能にするのが、筋肉である。
股関節のローテーターカフであり、安定性を担保する。

<股関節の求心位を保つ筋>
腸腰筋…股関節屈曲、特に深屈曲では単独で作用。
外旋六筋…股関節外旋だが、骨頭を臼蓋に押し付け安定させる作用が強い。
小殿筋…股関節内旋。外転、特に外転の角度が大きいほど。

骨頭の求心位が保たれれば、正常な関節運動になり、主観的ではあるが、脚がハマる、軽くなる感覚がある。


(※骨頭の求心位を保つトレーニングはまた別で!)

2.腸脛靭帯

腸脛靭帯は大殿筋、大腿筋膜張筋の停止部であり、大腿部の筋膜の最も分厚い部分であり、脛骨Gerdy結節に付着する。

筋膜のことは未だによくわかっていないことが多いが、腸脛靭帯が硬くなると、大殿筋やハムストリングス、大腿四頭筋のタイトネスにつながり、動きが悪くなる。
フォームローラーで腸脛靭帯をほぐすと、主観的ではあるが、脚が軽くなる。
それは、腸脛靭帯が大腿で最も分厚い筋膜であるから。


【まとめ】

動きが鈍くなったのは…

活動量が減り筋が硬くなり筋力も低下し、その時はちょうど成長期で筋量がついて動いていなかったから、使えない筋になったから
👇
Joint by Joint Theory

股関節と胸椎の可動性の獲得。
特に、股関節の骨頭求心位を保ち、腸脛靭帯のタイトネスをとることが、大腿の筋力発揮をより良くして、動きを俊敏にする。


疲労がないのに、足が重い。
また、長時間同じ姿勢や座っていると、筋肉が硬くなりやすく、足が重くなりやすい。

そういう時に、股関節・胸椎の可動性を出して、さらに股関節の求心位と腸脛靭帯のタイトネスをとるのは、自分には良かったです。

【最後に…】

※生理学と解剖学に基づいていますが、足が軽くなる感覚は完全に主観です。
人それぞれです。


【引用】
1.運動機能障害症候群のマネジメント
2.骨格筋の構造・機能と生理学
3.運動生理学20講第3版
4.筋肉の科学基礎,Newton別冊
5.身体運動学



p.s.
新年度からチームを2つと運動教室を1つ、つまり、3つの現場で活動させて頂くことになりました。
本当にありがたいです🙇
自分で言うのはおかしいですが、今まで本気でサッカーして、大学で必死に勉強したことで、周りの人が評価して獲得した信頼のおかげで、このようになったと思います。
AT試験、卒論、大学院の研究計画、そして3つの現場。
やることがたくさんあって大変ですが、今まではインプット中心だったので、その分アウトプット!
倒れない程度に頑張ります💪


やるからには全力で。出会いと縁が大事

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