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冠婚葬祭で見える人間性。その2


母の四九日頃だろうか
気分転換にと、同級生から外出に誘われた。

誘ってくれた同級生とは仲が良く、母の癌のことも話していた。
彼女が、彼女なりに気を遣い配慮してくれたのは伝わった。
彼女なりに励ましたのだろう。
しかし、それは人によっては受け止めるのが難しいのかもしれない。
「結婚して子供産みなよ」

確かに私には
長く交際している人間はいるが
葬式を終えたばかりで、納骨もできずにいる最中で

結婚はちょっと‥無理かなぁ‥

そして、子供だが
私は卵巣の手術をしており
少ない親族の中で母を含め3人、子宮を摘出している
ここまで言えばわかると思うが難しい話なのだ。

恐らく、私でなくとも
社会全体として他人が結婚や妊娠を口にするのは
マナー違反であろう。
ハラスメントにもなりかねない非常にデリケートな話だ。

だが、新しい門出に立つことで哀しみを誤魔化せる
という前向きそうなアドバイスはわかる。
わかる、が、私にはできない。
私には悲しみを紛らわすために子供を産むことはできない。

できない。
励ましてくれたのはわかる。
わかるが、できないんだよ。
皆が皆、できることじゃないのだよ。

気を遣ってくれたのはありがたい。
でも、申し訳ないが
それは無理な話だ。私にはできない。

以後、気を遣ってくれた彼女には感謝の気持ちはあるが
連絡ができなくなってしまった。