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宇宙ビジネスの歩き方 〜宇宙に全く関係ない業界から宇宙の広報担当になった宇宙人編〜

はじめに🐈

この記事は「宇宙のはじめ方〜就活編〜」企画の最終回です。

簡単な自己紹介🌙

はじめまして。菅谷智洋(すがや ともひろ)です。sorano meの立ち上げに関わりつつ、本業では「Tellus」というさくらインターネット株式会社が経済産業省から委託して取り組んでいる衛星データプラットフォーム事業のPR担当をしてます。

sugaya - コピー

これまでの仕事の経歴は、
 ・求人広告会社のdip株式会社で広告制作や審査:約5年半
 ・JAXAの人工衛星の広報担当:約4年弱
 ・望遠鏡メーカーVixenで営業事務:約1年
といった感じでいろいろやっていました。なのでほかのsorano meのメンバーより社会人歴は比較的長めです。

昔から宇宙は大好きでしたが、大学で宇宙に関する学科を専攻していたわけではなく、明治学院大学社会学部社会学科を卒業して、社会人になってからやっぱり宇宙が大好きだと思い、宇宙業界へ飛び込んでいきました。

宇宙業界に入ったのは、人生を通じてどんなことをしていきたいのかを改めて考えるようになり、宇宙に関わった人生を送りたいと思ったからです。
最初は、文系出身の自分でもできるのだろうかと思っていましたが、「宇宙のおもしろさを伝えていく」ことは、理系ではなくても仕事にできるのではと思い、宇宙業界に進み今に至っています。
こんな自分が宇宙業界で働くことができているのだから「宇宙はあこがれやロマンではなく、誰にでも関われる身近なものだ」ということを、当たり前にするべくこれからも活動していくつもりです。

宇宙業界ではない会社(しかも技術職でもない)から宇宙業界で働くことなんてできるのかと思うかもしれません。
今回は、社会に出た後になんだかんだあって宇宙業界で働いている私の今までのお話をしたいと思います。

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就活の時、宇宙業界に行くとは思ってもいなかった🙅

仕事の経歴やモチベーショングラフを見ていただくとわかる通り、大学へ進学するときや就職するときに、宇宙の勉強ができる大学や宇宙に関わることができる会社にいくことは選択肢に入っていませんでした。
子供のころから宇宙のことは大好きだったものの、仕事にしたいかというほど、自分の将来のことを深く考えていなかったからです。

今思えば、高校のころ自分に向いていることはあるのか自信がなく、宇宙に関わることなんてできるわけがないと勝手にあきらめていたのかもしれません。大好きだったのだから、最初からその気持ちに正直に行動していれば今とは違う仕事をしていたかもしれないです。

ただ、全然後悔もしていません。

大学生活では、芸術といえるなら何でもありのアートサークルや個別指導の塾講師アルバイト、大学で学ぶ授業なども「やらなくてはいけない」からやるのではなく「面白そうだからやってみよう」と気が向いたことを楽しみながら過ごしていました。
その大学生活の中で、自分はなにか面白いと思ったことを発信していくことが好きだとわかり、これはそれから就活して広告業界に進むことにも、そのあとに宇宙の面白さを伝えていくことにもつながっていく行動原理になっています。

就活してなんとか興味のあった業界に行くことになりましたが、大学生活は楽しく遊んでた記憶しかなかったので、遊べなくなるのは嫌だなって本気で思ってました(笑)

なので、将来どうやって生きていくか考えなくてもいいとは言いませんが、仕事にするということは関係なく、自分が楽しいと思えることを学生時代に思いっきり楽しんでもいいと思います。


求人広告の会社からJAXAへ転職🛰

新卒で入ったdipという会社では、最初は営業として配属されましたが、半年ほどで組織改編があり、広告を制作する部署に異動になりました。
広告を作る仕事というと、とにかくたくさんの人に興味を持ってもらえるような広告を作ればよいと思うかもしれません。しかし、求人広告の場合、興味持ってもらっても会社に貢献できる人材が採用できないと意味がないという違った難しさがあります(興味を持ってもらう広告を作るのもめちゃくちゃ難しいですが)。

簡単な仕事ではないものの大学時代から好きだった「何かを発信する」ということにも結びつき、仕事の面白さも感じていました。

しかし、2011年の3月に再びの異動によって仕事内容が変わり、さらに東日本大震災によって企業が求人広告を出すことを控えるなど、それまで仕事に満足していたとしても自分ではコントロールしきれないことが起きるということを経験し、この頃から改めて自分の将来について考えるようになります。
これからの人生、何が起きても自分が人生を通して関わっていきたいと思えることを仕事していきたいと思うようになり、しばらく悩みます。

悶々と悩んで答えがでない時期に、たまたま気が向いて訪れた福島県にある「星の村天文台」で久しぶりに星空の解説を聞いたり、宇宙のグッズを手に取っていたりしていると、ふと気が付きました。

宇宙がずっと好きだったこと

小さいころから変わらずにずっと好きでいられる「宇宙」というものがあったことに気づいたとき、「なんでこんなに好きなことを表に出さずにいたんだろう。ずっと好きだったこと=『宇宙』をやろう」と思いました。

とはいえ、この時の自分に、宇宙に関わって食べていけるようなスキルもなければ相談できるあてもなかったので、今の会社を続けながらできることから始めました。
双眼鏡を買って星を見たり、星の写真を撮ってみたり、まずは趣味としての宇宙に触れていき、友達を誘って星も見に行くようにもなりました。すると友達も宇宙に興味を持ってくれて、星座や宇宙に関するニュースについて教えることが増えていきました。

会社でも同僚に星や宇宙の話をしていると、「宇宙といえば菅谷」というイメージがつき、自然と「昨日ニュースで言ってた流星群ってどうやったら見えるの?」「金環日食の写真撮れた?」など日常で宇宙の話をすることがどんどん増えていきました。

そうこうしてるうちに、趣味として楽しむだけでは満足できず、宇宙に関する展示がある日本科学未来館でボランティアを始めます。

未来館でのボランティア活動を通して、今まで知らなかった宇宙のことをさらに知ることができ、自分と同じように宇宙が好きな人ともつながることもでき、一歩世界が広がった感覚がありました。
未来館のボランティアのほかに日本宇宙少年団の未来MM分団での活動も参加し、自分の中で宇宙分野に貢献できることを増やしていきました。

そして、文系出身の自分でも今までの経験を発揮すれば、宇宙の面白さを伝えることを仕事にできるのではないかと思えるようになりました。
その思えるようになったころ、JAXAが任期付きで広報担当を募集しているという情報を見つけます。
日本の宇宙業界のど真ん中であるJAXAで、「自分の今までの経験が活かせるかもしれない」と履歴書にボランティアも含めてやってきたことを書けるだけ書いて応募したことを覚えています。

こうして自分の経験と宇宙がつながり、JAXAに任期付きの広報担当として働くことになりました。

JAXAで働くことになった経緯や、どんな仕事をしていたのかは「宇宙・天文で働く」という書籍に取り上げていただいたことがありますので、よかったらこちらも読んでみてください。私以外にも宇宙業界に関わっている人が取り上げられているので就活に悩んでいる方にオススメです。

再びの転職と宙畑とTellus🌏

JAXAでの仕事はまさにたくさんの人に宇宙への関心を広める仕事でした。
宇宙の中でも人工衛星の広報担当でしたが、ロマンや憧れの象徴というイメージの中で人工衛星は誰にでも利用できる宇宙であり、人工衛星を利用することが当たり前になるくらい広がれば、宇宙がロマンや憧れから誰にでも関わることができる身近なものになるはずと人工衛星の可能性を感じていました。

しかし、JAXAでの仕事は任期付きの採用だったので、JAXAを退職した後のことを考えなくてはいけませんでした。せっかくこれまで宇宙の面白さを伝える仕事を経験してきたのだから、これまでの経験を活かしてJAXAの外だからこそできる宇宙を広める活動をやっていきたいと考えていました。

次の就職先が望遠鏡メーカーのVixenに決まり、人工衛星から望遠鏡に関わるようになり宇宙開発も天文も広報できる人間になるぞと思いながら、この2度目の転職と同じくらいのタイミングで「宙畑-sorabatake-」という宇宙ビジネス情報サイトの立ち上げにも関わります。

宙畑は、「宇宙産業を日本の基幹産業に」するべく、城戸を中心に立ち上がったメディアです。宇宙を身近なものにしたいという自分の想いとも結びついたので迷いなく協力することにしました。

そして、宙畑を運営しはじめ約1年半くらい経った頃、宙畑がTellusのオウンドメディアになることが決まります。
衛星データを誰でも気軽に利用できるようにして、ビジネス創出も推進するプラットフォームを目指すTellusの事業は、自分の宇宙業界への想いもJAXAでの広報経験も活かせると思い、今私はTellusのPR担当として働いています。

TELSTARという宇宙広報団体が発行しているフリーマガジンvol.23でもこれまでの仕事について取り上げていただいたのでこちらもぜひご覧ください。

これからやりたいこと👥

sorano meの立ち上げにも関わり、私がこれからやっていきたいことは、変わることなく宇宙を誰にでも関われる身近なものにすることです。

sorano meでは主に人材事業部を推進していこうとしています。sorano meの人材事業部は宇宙業界とほかの業界を人材でつなげていく事業部です。
宇宙はまだ良くも悪くもロマンや憧れというイメージや、特定の人にしか入ることができないというイメージがあるように思います。
ほかの業界の人材が宇宙業界に入るだけではなく、宇宙業界の人材がほかの業界で活躍することも両輪で促進することができれば、宇宙業界にもほかの業界にもそれぞれの業界の知見や技術が広がっていき、宇宙業界だけではなくほかの業界も活性化していくことができるのではないか、宇宙への今までのイメージを取り払い宇宙がより身近な存在になるのではないかと思っています。
この実現に向けて、変わらず宇宙の広報活動を続けていきたいと思います。

「宇宙への関わり方は、星の数ほどある」🌌

私も含めてsorano meのメンバーの就活とこれからやりたいことについて紹介してきました。就活や進路に参考になりそうなメンバーはいたでしょうか?

もしかしたら、まだまだやりたいと思ったけどどう動けばいいのかわからないという人がたくさんいるかもしれません。
そんな人は、周りの人に自分の好きなこと、やりたいことを言ってみることから始めてみてはいかがでしょうか。

自分だけで動くにはかなりのエネルギーが必要になります。周りに発信してみたら、同じように興味をもっている人がいて協力してくれたり、参考になりそうな情報を見つけてくれるかもしれません。

私が今宇宙に関わることができているのも、周りに発信していく中で、たくさんの人が応援してくれたり、協力してくれたりしたおかげです。相談する先に困っていたら、もちろんsorano meに相談していただくのも大歓迎です。

この企画の最初の記事にスキルマップを紹介しましたが、ここに紹介している職業以外の役割を担って宇宙業界の新しい星になってもいいと思います。あなた自身の宇宙の関わり方が必ずあるはずです。

soranomeスキルマップ(職業)


たくさんの人が宇宙業界で活躍できるように、宇宙業界をいっしょに盛り上げていきましょう。sorano meが一緒に伴走します。

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