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コロナ禍でのイレギュラーなシーズンを振り返る(大分トリニータ編)vol.1


はじめに

コロナ禍でのイレギュラーなシーズンも無事に終えることができた。2020シーズンは新型コロナウイルスにより、世界全体が未曾有の危機に陥り、一時はシーズン途中に中断するなど再開できるのかという心配もあったが、Jリーグ、各クラブのスタッフの方々等のおかげである。まず、感謝を申し上げたい。

さて、では本題に入るが、シーズンも無事に終えることができたので、簡単に2020シーズンを振り返ろうと思う。

最終順位

大分は全34試合を終えて、11位(勝ち点43)で終えた。目標の6位には届かなかったが、上位チームに比べ選手層の薄いということを鑑みれば及第点ではないだろうか。ちなみに目標の6位との勝ち点差は14だ。(来シーズンこそは!!!)

開幕戦

開幕戦はアウェイでセレッソ大坂と対戦。セレッソと言えば、柿谷!清武!となるが大分サポーターからすれば、片野坂監督がJ2時代から苦手とする監督、そうロティーナ監督だ。片野坂監督がロティーナ監督との対戦で一度も白星を挙げたことがないのは、Jリーグサポーター界隈では有名な話。開幕からいきなり嫌なカードを組んだ日程くんを恨みたいところだが。。(笑)

だが、大分は知念を筆頭に新戦力を加え、昨シーズンに比べると格段にチーム力が上がったことは間違いないが、蓋を開けてみれば1-0。やはり厳しい相手だったが、今回はいつものように塩漬けにされた感はなく幾度かチャンスを作ることができた。新戦力が躍動し、チームの完成度も高くこれからに期待を馳せるような試合だった。

異例のシーズン途中での中断

開幕戦後は、ルヴァンカップのGLでの試合がある予定だったが、新型コロナウイルスが日本でも確認され、延期が決定。新型コロナウイルス感染拡大防止のため当分の間、試合等の延期が決定された。4月には、緊急事態宣言が発令され、再開がいつになるのか見通しがつかない状況に。5月17日に緊急事態宣言が解除され、ようやくトレーニング等の再開ができる状況となったが、試合がいつ再開されるのかはこの時点では不透明であった。

およそ3ヶ月もの間中断するという初めての事態ではあったが、6月にJリーグ再開についての詳細が決定した。

再開後2連勝

再開後の日程は改めて日程くんが組み、大分トリニータの再開初戦の対戦相手は同じ九州に位置する佐賀県鳥栖市を拠点とするサガン鳥栖だ。日常なら、九州ダービーなので大盛り上がり。ダービーなのでアウェイからも多くのお客さんを動員し、火花を散らすような熱い試合になる。だがそうとはならず、無観客で、選手も戸惑いがあったのだろう。どこかプレーがぎこちない。スタンドのは観客の声援ではなく、選手の声が鳴り響く光景は学生の練習試合を思わせるものであった。

時計の針は進み、徐々に選手も慣れていく。我々サポーターも画面上から静観に試合を見守る。結果は、2-0の完封勝利。

次節はアウェイで広島と対戦。広島は大分が苦手とする相手。先制を許すも、見事に逆転勝利し、再開後2連勝。大分は幸先良いスタートをきったように見えた。

魔の連戦

第3節はホームで神戸を迎えた。開始後すぐに、古橋に先制を許したが、大分は焦ることなく、ゲームを進める。そして、同点に追いつき、その後もチャンスを作るが、追加点は奪えず、1-1の引き分けに終えた。勝てはしなかったが、先制を点を奪われた後の落ち着いたゲーム運びは見事であった。

第4節のアウェイG大阪戦から地獄が始まる。日常なら、前半戦も終盤に来ているところだが、新型コロナウイルスにより3ヶ月もの間中断していたことにより、ロスを取り戻さなければならないので、日程は過密。中2日3日のペースで選手に休息を与えることなく試合は行われる。J1の中でも予算が少ない大分は、当然上位チームに比べれば、選手層は薄い。この過密日程の中戦うには、充分ではない。

G大阪戦は、1-2で敗北。続く、名古屋、清水、鹿島、川崎にも敗北し大分は5連敗。J1の洗練を受け、試合内容も擁護できるものではない。監督、選手のコメントからも自信を失っているように見えた。だが、試合は待ってくれない。他のチームだって状況は同じだ。言い訳なんてできない。日常なら、1週間準備期間があるが、2日、3日で準備をしなくてはならない。

立ち返るべき場所

大分は5連敗し、選手は自信を失っていた。だが、チームのキャプテンである鈴木義宜の横浜FM戦前の発言は非常に印象深かったことを覚えている。「チームには立ち返るべき場所がある」

第10節、大分は横浜FMをホームに迎えた。この試合に負ければ6連敗となる。プレッシャーは計り知れないものだろう。サポーターも見守る中、時計の針は進む。結果は1-0。連敗脱出。選手も思い切ってやっているように見えた。

やはり、鈴木が発言したように、大分には「立ち返る場所がある」横浜FM戦では、大分らしいサッカーを体現できたように見える。

続く、札幌、柏戦は引き分けで終わるが、内容はポジティブなものだった。

足りないもの

横浜FMに勝利し、息を吹き返したように見えたが、札幌、柏戦では引き分けている。横浜FM戦以降勝利がない。

第13節は浦和のホーム埼玉スタジアムに乗り込んだ。日常なら、スタジアムは「赤」で埋め尽くされ、アウェイのチームはやりづらさがあるだろう。だが、観客制限があったのは、アウェイのチームにとっては、ラッキーなのかもしれない。

結果は2-1で負けた。前半立ち上がりに幸先よく先制したかと思えば、その後2点奪われ、逆転負け。内容では上回っていたと個人的には感じていただけに勝ちたかった。やはり、浦和のようなビッククラブには「個」で上回れる。大分には、「個」で打開できる選手はいない。そこはいくら懇願しても、そう簡単に解決できるような問題ではないだろうが。

第14節のFC東京戦でも敗北して2連敗。横浜FM戦以降中々白星を上げるに至らない。やはり、上位チームとの対戦する度に、「個」の力の違いを痛感する。ただ、「個」で打開できる選手を複数獲得できる予算はないし、「個」の差を嘆いていては、チームの成長に繋がらないし、言い訳することはナンセンスだ。やはり、大分はチーム力で上回るしか術はないのだ。

快進撃

第15節の湘南戦から大分の快進撃が始まる。結果は、2-2の引き分けで終わるが、次節の仙台戦では、大分の狙い通り試合は進み、結果は3-0の快勝。まさに今シーズンのベストゲームのひとつと言えるだろう。

次節は、FC東京と対戦。結果は3-2。見事に接戦を制し2連勝。ホームでは負けていたため、リベンジを果たすことができた。

続いて、第17節は横浜FCと対戦。結果は、1-0で勝利をおさめ3連勝。次節は、広島に負けて、連勝は途絶えてしまうのだが、続いての鹿島、清水戦で勝利をおさめ、2連勝。少し出来過ぎなくらいだが、偶然ではないかと。個人的な見解では、要因は2つあると考える。

1つ目は、この過密日程に慣れてきたこと。当初は中々切り替えができないように見えたが、徐々に選手、監督も慣れていき思い切ってプレイできているように感じたこと。

2つ目は、大分のサッカーが確立されていること。これは、準備期間が短いことにより、まともにトレーニングができない状況にあった。日常なら、策を練りに練って試合に挑む。だからこそ、大分のように戦術の浸透ができているチームは短い準備期間でも闘える。その最たる例が、優勝した川崎だが。。

大金星

第28節はホームで川崎と対戦。川崎はこの試合で勝てば、優勝が決まる注目度の高い試合だった。大分はとしては、何としてでもホームで優勝を決めさせるわけにはいかない。サポーターも同じ気持ちだったであろう。ただ、相手は百戦錬磨の川崎だ。2020シーズンは異次元な強さで、圧倒してきた。ただ、私は何か起こしてくれるのではないかと感じた。それは、大分は柏との試合が延期になり、前節の横浜FCから、17日も空いていたからだ。17日もあれば、選手たちはこの長い連戦での疲労からリフレッシュすることができるし、川崎戦に向けた準備を行う時間もある。あの片野坂監督なら、川崎戦へ向け入念に対策を講じているだろうと思ったからだ。

前半から、川崎の好きにやりたいようにやらせず、川崎のプレスを剥がし、ゴール前まで見事にボールを運び、優勢に試合を進めた。前半に谷口を退場に追いやったのも、大分の采配が完璧だったからだろう。そして、川崎は前半で10人となり、川崎からすれば更に厳しい展開に。

大分は、先制点を獲った勢いのまま追加点を奪いにいくも、奪えず、後半には1人少ない川崎に試合を支配された。流石は王者というところだろう。そして、結果は1-0で大分の勝利。川崎は、CBのジェジエウがサスペンションで不在などもあるなど、運もあるが、片野坂監督の采配は完璧だった。王者相手にやれることは、選手にも自信になるだろうし、来シーズンにも繋がる本当に大きい勝利だった。

最後に

最後までお読み下さいまして、ありがとうございます。vol.1では、私が印象に残った部分を書きましたが、振り返ってみると、前半の部分が多いんだなと。それは、おそらく前半戦は勝てない時期があったからかなと思います。苦しい時期を得て、後半戦から勝てる試合が増えていって。後は、今シーズンは降格もないので、後半戦の緊張感もなかったのもあるのかなと思います。

そして、今は移籍の時期で、主力の選手が移籍をして来シーズンは試練の年になると思います。4チーム降格しますし。いなくなった選手のことを考えると当然辛いですが、選手生命は短いので、選手の意思を考えると仕方ないのかなと。いなくなった選手のことを嘆いていては前には進めないので、大分のために残留してくれた選手、大分を選んでくれた新加入の選手での新生トリニータを期待しましょう!!











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