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貴志祐介『新世界より』上巻が面白くなかったのに人にオススメしたくなる小説

今回は貴志祐介さんの『新世界より』について紹介します。

この作品、文庫では上中下巻の3冊があり約1,000ページの超大作

ただタイトルの通り、上巻が全然面白くなかったです。

それでも、僕はこの作品をたくさんの人に読んでほしい。なぜならば、全体通してみるとめちゃめちゃ素晴らしい作品だから!

というわけで、まずは簡単にあらすじを。

ここは汚れなき理想郷のはずだった。
1000年後の日本。伝説。消える子供たち。
子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。
いつわりの共同体が隠しているものとは――。何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる! 〈Amazonより引用〉

前提理解までに時間がかかる

あらすじの通り、SF小説なので舞台設定を理解するまでに時間がかかるんですよね。

・呪力とは?
・人間と一緒に生活している生物とは?
・その世界のルールとは?

上巻についてはこの説明がほとんどなので、あまり印象に残ってません。笑

ただ物語の上でこの設定がめちゃめちゃ重要な意味を持つのです。

・呪力を持った人間はどのように生活をしているのか?
・そして動物とどのように共存しているのか?

この設定こそがこの物語のすべてなので、つまらなくても我慢して読んでほしいです。笑 その先は絶対に面白いので。

中巻の途中から楽しくなってくる

見出しの通りなんですが「遅いよ!」って感じですよね。

ただそこまで読めば、先が気になってしょうがなくなります。

設定の説明が終了し、そこからちょっとしたトラブルが起こるようになります。

また伏線だった謎(説明していなかったこと)も徐々に明かされるので、『新世界より』の世界にのめりこめるようになるのです。

下巻は読む手が止まらないよ!

そして下巻。詳しくは書けませんが、大きな事件が起こります。

解決に奮闘する姿に、読んでいてドキドキしました。

さすがはホラー小説の鬼才、貴志祐介の作品だなと思いました。

なぜ僕がここまでこの作品をオススメしたいのか?

それは『新世界より』のラストが素晴らしすぎるから

読み終わった人と感想を言い合いたいくらい、僕はこの作品が大好きです。

だから読んだことのある人を1人でも増やしたい。なので今回はこの場で紹介をしてみました。

タイトルの通り、僕は上巻を楽しめませんでした。笑

でもそこで挫折するのは絶対にもったいないので、中巻も読んでください。

中巻が終わったころには、自ずと下巻にも手は伸びているはずなので。

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