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新卒で100社落ちても第二新卒で大企業に行けた私は何を評価されたのか、転職エージェントになった今振り返る

今回は自分自身の経験について書かせて頂きたいと思います。現在私は転職エージェントをしていますがその前は一部上場の商社で働いていました。BtoBなので誰もが知る会社ではないですが、独自のビジネスモデルを持つ会社で経済紙などを読む方には比較的名の知れている会社です。学歴も高くなく新卒で入った会社もあまり有名でなかった私ですがその会社に入ってから周りの自分を見る目が明らかに変わり、その後の転職でもあの会社にいた人なら大丈夫だろうといったような見方をして頂けることが多くいろんなことがやりやすくなりました。
ただ私は学歴も高くない(偏差値50ぴったりくらい)ですし、なにより新卒の就活では100社以上受けて4年生の2月頃にやっと内定を頂けたような人間でした。なのでそんな自分がなぜ転職で大企業に行くことができたのか、今エージェントをしている目線からも書かせて頂きたいと思います。

①チャレンジしたのが第二新卒だったから

私が転職したのは新卒で入社してから4年ほど経過した27歳のときでした。おそらくこれがあと3年遅く30歳になってしまっていたら転職できていなかったのではないかと思います。その理由はスキルを活かしての転職ではなかったからです。転職後の業務に関しては職種・業界ともに未経験であったため、評価におけるポテンシャルの比率が大きい第二新卒であったからこそ転職できたと考えています。第二新卒においては職種におけるスキルというよりも社会人としての基礎力がしっかり身についているかという点が重要な場合も多いので、もあと数年たってしまうと第二新卒ではなく中堅の即戦力人材としての評価になってしまうのでうまくいかなかったと思います。
※あくまで私のケースの話なので、しっかり経験を積んでスキルを身に着ければ30歳過ぎても中小⇒大企業は可能です


②「やりきる力」をわかりやすく示すことができた

2つ目の理由は自分が根気強く仕事に取り組むことができる「やりきる力」をもっていることをわかりやすく示すことができたことだと思います。新卒ほどではありませんが、第二新卒でもその人の伸びしろがどのくらいあるかというのは重要なポイントで、そのために必要な要素として困難な状況でも逃げずにやり切れる力があるということを過去の経験から説明する必要があります。
よく新卒の面接で学生時代頑張ったことを聞かれると思いますが、その理由は挫折しても逃げずにやり切れる力をもっているかという点が問われており学歴の高い人や体育会の人の評価が高いのはそういった観点もあります。仕事をする上での伸びしろはもちろんもともとの頭の良さというものも重要ですが、それ以上に失敗したときに反省し人の意見を受けいれて日々改善を積み重ねていきやりきることができるかということが重要です。
そのため学生時代にそういった経験がなく客観的に自分のやりきる力を証明できず、就活にうまくいかなかった方は第二新卒で転職する際に最初の仕事で実際にそういった経験を積み証明する必要があります。
私の場合はかなり特殊ですが新卒3年目で東南アジアの拠点に一人で赴任し売上を作る経験を積めたことがその証明となったと思います。正直今思うと結果を出せたのは運がよかっただけだったですしそこはあまり評価されていなかったと思います。それよりも英語もしゃべれない海外に住んだこともない若者が知らない国で試行錯誤しながらやりぬいたということを評価してくださったのだと感じています。ここまでわかりやすい例はあまりないかもしれませんが、困難な状況に自ら向かっていきそれに耐え抜いた経験があることが重要だったと思います。


③新卒のときと就活のやり方を変えた

新卒のときの私の失敗のひとつが就活のやり方を自分だけで考えて客観的な視点をいれずに落ちても落ちても同じように受け続けてしまったことです。新卒であっても中途であっても就活というものは他の候補者よりも自分が優秀であることを理解して頂く必要があるため、他の求職者と比較しやすくするための工夫が必要です。そのためには自分一人だけで就活の方法を考えるのは完全にNGです。
その点においては新卒の場合と違って中途の場合はエージェントを使うことができるというのが強みです。何百人もの転職をサポートしてきたエージェントに転職の正しい転職の進め方を相談することができるのです。例としては履歴書と職務経歴書の書き方や、定番の質問とその意図。例えば「自己紹介をしてください」と言われたら何を言えばいいのかといったことは考えても正解はわかりません。最初に述べた通り就活は他の求職者との競争になりますのでルールを抑えた上で目立つということが重要になります。自由な発想で他の求職者との違いをアピールしたとしても他の求職者と比較が困難では元も子もありません。
何度か述べている通り転職エージェントは転職が決まることでフィーが入る仕組みであるため求職者が内定を獲得できる確率を上げるためには大概のことは協力してくれます。どのような活動の仕方が一般的か、どこまでなら話を盛っていいのかなどなど過去担当されたいろいろな方の事例を聞いて使い倒して頂くことをおすすめします。


④新卒では100社落ちたものの最終的にチャンスが掴めそうな会社に入れた

②のやりきる力のところで書かせて頂いた通り私は新卒3年目で英語も話せないのに一人で海外赴任を経験することができました。これは入社当初全く狙っていたことではないどころか、パスポートすら社会人になってから取得したようなレベルです。ただしそういうラッキーが起きそうな会社であることを狙って入ったというのはひとつあります。

ちなみに以下のような点に魅力を感じて入社しました
・新卒1期生なのでキャリアパスが定まっていなかった
・社員50名程度で役員陣に直接アピールできる規模間だった
・VCから資金調達しており新規事業への投資を予定していた
・既存事業はすでに黒字化しており安定成長
・社長が金融出身なのでマンパワーより仕組みで稼ぐ思考だった
・ベンチャーっぽいけどかっこよさより実利という雰囲気
・どの業種にも必要なBtoBのサービスを提供していた

特に新卒1年目であったことと新規の投資に積極的であったことは大きなチャンスだったと思います。中途で入っている先輩達は既存の事業で既に中核を担っていたこともありそこで上がっていくことを考えていた方が多かったので、チャレンジをしようとする人が意外に少なかったです。ここまでわかりやすくチャンスをつかめることはそんなにはないかと思いますが、ひとつ会社選びの参考にして頂ければと思います。


④最初の1年はやりたいことより成長を優先した

これはどの業界でもほとんどの方に通じることかと思いますが、新卒で入社して最初の1年はとにかく社会人としての基礎力を上げ社内の信頼を勝ち取ることを意識した方がよいと思います。それによって社内で新しいプロジェクトが立ち上がったときに「あいつに任せてみよう」という土俵に上がることができるので、まずはやりたいことのためにやりたくないことをするというのを優先すべきだと思います。

お恥ずかしい話ですが私は入社当初は根拠のない自信から勝手にいろんなことができると思い込んでいろいろと中途半端な提案をして上司や先輩の時間を取らせてしまったりしていたと反省しています。もちろんそういった積極的な姿勢を見せることも自身の成長になりますし社内の雰囲気的にプラスだったりするのですが、それだけでなくしっかり目の前の期待に応えて信頼を積み上げることがチャンスを回してもらうためには一番の近道だったなと思います。
それに気づいたきっかけは仕事がきつくて1年目で同期が一人辞めてしまい、それに触発され自分も転職活動をしてみたことです。面接を受ける中で1年目の新入社員に求められることはどの会社も同じだと感じました。そのため転職したところで自分の抱える不満は解消しない、解消する方法は転職という環境を変える行為ではなく地道に基礎を身に着けることが重要でそのための修行の場は今の会社に用意されているのだからそこでもっと頑張ってみようと思いなおしました。そして当初やりたいと思ってなかった仕事でも頑張って成果を出すことで社内でも認められましたし、その仕事を通して身に着けたスキルは思わぬところでその後役立ったりして人生に無駄なことはないんだなと今では思っています。

このような流れで新卒では100社以上お見送りになってから反省と改善を積み重ねたことで転職で大きな会社に入ることができました。よく大企業に入ることがゴールや幸せではないという話は聞きますが、よほど突出した個人としての実績がある人でない限りは転職や独立時の際名刺代わりとして一生使えるものなのでぜひ一度は入社されることをおすすめします。

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