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なんとなくでしか転職を考えていませんでしたが、転職しました

なんとなく、なんだかなぁ

それなりの大手SIerにおり、社内でもそれなりに信頼と評価を築いてきた自覚もありましたが、ここ数年、仕事をしていてもなんだかなぁと、どこか退屈さを感じていました。与えられた仕事にも慣れてきていたし、元々そつなくこなす器用貧乏なのでてきぱきこなすのは得意で、残業も多くなかったです。自分なりの考えややり方もある。時には自分から提案して仕事を作ったりもしていたり、順調に過ごせていると思っていましたが、やっぱりどこか物足りない。

新人に毛が生えた程度の頃、会社の歴史の中でも最大規模のシステム本番稼働直後、目の回るほどの忙しさ、昼夜を問わずのインシデント対応、12時間などがあっという間に過ぎていく経験をしました。働き方改革前なので、ある程度守ってくださっていたけども新人の自分でさえもかなりハードな勤務状況でした。学生時代にカラオケの夜勤をよくやっていたこともあり、夜勤を進んで買って出て、落ち着いてきたころには協力会社の方と二人夜勤なんてこともありました。そんなときによく知らない機能で問題が起き、誰も電話にでないので、時限爆弾処理のようなひりつく決断をしないといけないなんてこともあり、、、当時は辛いっちゃあ辛かったのですが、、、あの頃の方が充実してたな、、、なんて思っていました。

転職についてはなんとなく昔よりは普通のことに世の中なっているし、仕事頑張ってる意識高い人がもっとバリバリ仕事するために転職していて、自分も転職してもいいかな、などと転職の意味や目的など特に真面目に考えず、そういう方法もあるよなぁという認識でした

・なんとなく物足りないという漠然とした感覚だけあった
・転職についても特に真面目に考えてなかった

転職活動してみよう

そんなことを人生の伴侶さんとも話していたのですが、元々そういう中途半端なもやもやした気持ちを持っているくせに行動を起こさないことを彼女は許してくれないので、とりあえず転職サイト登録してみるか、となりました。
ここで「社内で相談する」とならなかったのは、そこまで本気で現状に向き合っていなかったので、現状を変えることに前向きではなかったからだと思います。社内で話をするには後戻りできなくなることもあると思ったので、お試しででも動いてみようと考えました。何となく今の会社でのキャリアパスがわかってきた段階にいて、そこにあまり魅力を感じていなかったのだなと、転職活動の中頃になって転職する必要性に明確に気がつきました。

転職サイトはいろいろ見て回っていたのですが、どうせなら年収アップしたいと思って、登録するのにそもそも年収下限があり、IT系にそれなりに強そうなビズリーチに登録しました。
登録するとまず、たくさんメールが届きます。後で気が付いたのですが、ビズリーチ自体がエージェントさんを持っているのではなくて、エージェント会社がビズリーチというサイト上で活動しているということのようです。リクルートなどエージェント会社がサイトを持っている場合もありますし、その方が多い気がします。膨大なメールを実は全部読みました。一人当たり絶対二回メールを送ってくる(数日後に送ったメール見ましたか?メールが来る)ので、かなり大変な作業になり、返信する相手を選定するにあたり、基準を設けることにしました。

・自分が書いたプロフィールを読んでいそうな文面があるか
・自分に書いている個別の記載があるか(宛名だけではシステムによる置換の可能性あり)
・案件の記載があるか、社名も見たい(出せない場合が多いようです)

人生の一大転機にもなりかねないので、少しお話するだけだったとしてもせっかくならば、ばらまきメールではないメールをくれる方がいいなと思い、基準を設けました。どちらかというと全部見た中で、数人に絞れる基準がこれで、メールを読んでいて返信する気になるなという理由でした。
ちなみに同じ会社の方に返信しないようにと思い、会社ごとにまとめて見ていて気づいたのですが、おそらくバッチ処理で定刻に再送されているように見える会社もありました。これは返信しない理由になりました。効率化しすぎるのも考え物です。

転職市場についてほぼ知識ゼロだったので、エージェントも1人に絞らず5人くらいの方とコンタクトを取りました。エージェントにも二種類、単願推薦してくれる方と、転職活動全体をサポートしてくれる方(以降、全体サポ)がいるようでした。単願推薦してくれる方はメールにも応募する会社名が明記されていると思います。入りたい会社が定まっている方はこちらがいいと思います。単願推薦なだけあり、社内の人とのつながりがあったり、そもそも情報が豊富だったり、対策も専用に考えてくれます。私の場合は何も知らずに5人と連絡を取ったので、2名が単願推薦、3名が全体サポでした。たくさんの相手とやり取りするのは億劫でしたが、せっかくの縁なので2名の単願推薦の方にもお願いしつつ、全体サポの方は案件内容を見て、自分が興味のある案件を多く紹介してくださり、サポートが一番手厚そうなところ1つに絞りました。

・試しに動いてみようくらいの気持ちで転職活動を開始
・ばらまきメールではないエージェントにコンタクトをとってみた
・エージェントには単願推薦と全体サポートの二種類がいる

転職活動の動き

まずは履歴書と職務経歴書を作ります。会社によって多少フォーマットが違う場合がありますが、ほとんど書くことは同じです。どういうことに気を付けて書いた方がいいかなどについてはエージェントの方が詳しく教えてくださると思います。添削はしてくれるでしょうし、時には面談してから代筆をしてくれることもありました。
続いて面接を受けたい企業にそれらの書類を提出してもらいます。資料送付15社、面接10社いかない程度、内定2社以上なんて言われて、理系院生からすると新卒の時より大変だぞとぎょっとしますが、結果的に自分の場合もなんやかんやそんな数になりました。

以降、面接を受けることになるのですが、私の時はすでにフルリモートでした。会社に訪問することをそもそも受け付けている会社が数社しかなく、基本的にリモートで面接、一回も面接先の会社に行かないで終わることも簡単だと思います。採用担当側がこの便利さに味をしめているなんて言葉も聞こえてきたので、おそらくニューノーマルになるのだと思います。受けている側も時間の融通が利きやすいので、メリットは多いですが、会社に行って副次的にわかることも多く、実はそれが決め手になることもある(ふと見えた社員さん達が楽しそうに仕事してた、など)と思うので、その点は改善の余地があるかもしれません。

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・最初は履歴書と職務経歴書を書いた
・今やフルリモートでこれからの普通になる気がする

面接対策で考える

転職目的も不明確な状態で転職活動をしてきましたが、面接対策を通してその甘さに向き合うことになります。「なぜ~なのか」というオープンな質問を自分に問い、あぁでもないこうでもないと悶々とします。面接までに自分の中で納得できる答えを出すことができないままに面接に突入し、うまく受け答えできないこともあり、そういうときは落ちました。ですが受かるためにではなく、転職活動を成功させるために必要なことなので、たくさんの質問への答えを整理し、その中で自分なりの考えを確立していきます。

転職活動を始める一年前ごろに「転職の思考法」という本を読んでいました。もう一度本棚から引っ張りだし、要点を拾っていきました。物語調で書かれているので読みやすく、「金持ち父さん、貧乏父さん」に似たものを感じます。中でもこのもやもやの正体をズバリ言い表している節がありました。良い緊張が半年の間に3つ未満ならば、より難しい業務ややったことのないことに挑戦すべきというものです。その他にも、to be型かbeing型か、採用方法の違い、よいエージェントの見分け方、企業選びのポイント、逆質問して確認したほうが良いこと、など実際に活用させていただきました。

私は素直といえば良い言い方になりますが、察しが悪く、質問を言葉のまま受けて回答しようとしていました。例えば短所はどこですか?という質問に対して自分の苦手なことを答えていたのですが、これを聞いてくる人は、自分を客観視できているか、傲慢になっていないか、弱みを受け止め、改善に努めているかといったことを聞きたいのだと思います。質問には背景となる意図があり、そこに届く回答をしないと響きません。じゃあ聞き方を直接的なものに変えてくれ、と思ってしまいますが・・・中にはきちんとすべてを質問として聞いてくださる方もいましたし、順々に質問してくれる方もいました。

他にも自己紹介。履歴書に書いている基本情報や、今までやってきたことも職務経歴書に書いているので、それをそのまま話しても冗長なだけでいい情報にはならないでしょう。趣味を答えるのはキャラ立ちすればいいですが、例えば読書とだけ言っても最近読んだ本は?なんて聞かれて地雷にもなりかねません。最近読んだ本は?という質問は本当に最近読んだ小説などを聞きたいのではなく、学習意欲や志向、ビジネスへの応用力などを聞きたいのだと思われます。ちなみに、最近と質問にあるので、数か月以内くらいに読んだ本の中で自分は回答を探していたのですが、読んだのが最近でなくでも全然問題ないですよ、、、と教わりました。
自己紹介で聞きたいのはおそらく、転職理由や強み、前職でどう働き、志望先企業でどう生かしていけるかなど、その後にどうせ聞くであろう質問の回答、ないしは誘導をお願いします、と言われているのだと思います。エージェントの方にもらった言葉で、面接の時間をすべて自分の得意なこと・いいところを話す時間にすればよいのだという金言をいただきました。

自己PRや強みは何ですかという質問が本当に苦手で、自分で話しているそばから、本当にそんなことできるのか、ちょっと言い過ぎではないか、そうやって大げさに話す奴ほど実際はできないよね、などと突っ込みが頭の中に聞こえてきます。ここもエージェントの方にお世話になりました。強みは職務経歴にあります。今までやってきたこと、それはそのまま強みだということでした。できてきてしまった自分はできてきたことを過小評価しがちですが、客観的に見ればすごいことかもしれないですし、もっとすごい人がいたとしてもその人は全く同じ経験をしていないので、その仕事を完遂してきたことは自分だけの強みになっているはずです。
どうしても心理的に話すのが億劫になるので、前置きとして「自分の強みを言うのは本当に苦手なのですが」と気持ちを正直に言ってから、「~ということが職務経歴から自分の強みとなっていると思います。」と少し自分を客観視して、商品説明のように話すと気がまぎれることに気が付きました。
面接だけでどうやって採用を判断するのだろうかと疑問に思って、エージェントの方に聞いてみたのですが、職務経歴書が結構大きく、職務経歴書に書いていることはできるだろうと認識されるそうです。100人月のPMをやったことあり職務経歴書にそう記載すれば、その規模のPMはできるだろうと思われるという至極当然のことです。逆に職務経歴書にデータ分析業務の記載が一切ないのにデータサイエンティストに応募すれば、新人なのだなと思われます。

・面接対策の中で転職活動の目的やキャリアについて考えた
・「転職の思考法」は役に立った。特に良い緊張の頻度の件
・面接での質問には意図がある。それを理解して答えるべき
・自分の強みは職務経歴書に書いてある

転職活動をしてよかったこと

転職活動の職務経歴書を書くことで、今まで何をしてきたのかという棚卸しができました。どんな仕事ができるのか(できてきたのか)、どんな強みを獲得してきたのか、規模や金額などの表面的な情報はキャリアの初期段階などではあまり堂々と書けるものはないかもしれませんが、自分はどういった立ち位置でどんな力を発揮してきたのか、何を意識して仕事をしてきたのか、そういったことを思い出すきっかけになりました。結果として転職していなかったとしても、とても重要な機会になったと思います。

面接対策では転職という一大転機に際して、今後のキャリアパスを考えるきっかけになりました。ここで今の会社でのキャリアパスではないかもしれないと思うことになりました。自分の人生の選択の中でどういったことが重要で、最終的に社会に対してどういう影響を与えていきたいのか、そしてどんな人間になっていたいのか、自分の人生の中で一貫しているものって何なのだろうかと考え直すきっかけになりました。新卒の時も似たようなことをすると思いますが、社会や仕事の経験があった状態でやり直すことでより現実的で、リアルに考え直すことができ、今後の仕事人生にハリと活力がよみがえる気がします。

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もっと気軽な気持ちで転職活動をしてみてもいいのかもしれない。エージェントの方々には傍迷惑な話かもしれないが、結果として転職しなかったとしても、きっと今後の仕事人生にとって、いい時間になるのではないでしょうか。

・職務経歴書を書くことで、今までの棚卸ができた
・面接対策でキャリアプランを考えることができた
・これらを目的に転職活動をしてみてもいいのかもしれない

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