最高のフィードバック
前職でも、四半期に一度のMBO(上長との面談)がありました。
多くのMBOでは、「目標達成に向けた課題の相互共有とその解決方法」や「個人の能力開発」についての振り返りと評価が行われます。
よく行われる振り返りと評価は、「あるべき姿」と「現状」とのギャップに焦点を当てたものです。
いかにこのギャップを縮めることができるかについての話し合いが進みます。
要は「これは目標通り進んでいるね」「これはできてないね」「どういう援助がほしい?」「最近気になっていることは?」という感じの振り返りです。
しかし、私がまだ駆け出し立ったことにお世話になった上司が繰り広げるMBOは、そういう視点「だけでは」行われませんでした。
どのようなMBOになるかというと・・・・・
「3か月前の自分」と「今の自分」の成長のデルタについての議論です。
今の自分は、以前と比較しどのような成長を遂げたかを、振り返る、もしくは上司が気づかせてくれるのです。
しかもそれがかなり的確で、かつ「獲得すべき能力の中でも重要度の高い領域」についての成長に絞ってくれる。
受けるフィードバックのシャープさが半端ないのです。
その上、成長のデルタというのは、「意識の変容」「行動の変容」においてのフィードバックなので、受けている側からしてもとても有意義です。
本来であれば、成長実感というのは自分自身で持てたほうがよいのかもしれません。
しかし、それは毎日の中で自分では意外と気がつきにくいもの。
だからこそ、成長のデルタについて振り返りができることは本当に「貴重な」時間になります。
そして、こういう成長実感というのは、次なるチャレンジへの源になり得る、そういう意味でも投資対効果の高い時間になると思います。
「あるべき姿」と「現状のギャップ」という視点”だけ”に立ってしまうと、ときにMBOが「カサカサ」してしまうような気がします。
当時の私の上司がやってくれたように、「その人の成長にフォーカスしてくれているMBO」は、その時間が楽しみになります。
フィードバックするほうとしては、「あるべき姿」「現状」のギャップのほうが、見えやすい、伝えやすい、管理しやすいのが正直なところ。
変化(進化)したところよりも、「足りないところ」を指摘して、もっと改善してほしいという視点に立ってしまう人もいると思います。
そして人の改善点を見つけるのは、その人の素晴らしい点を見つけるよりも目につきやすいのですよね。
「○○さんの「以前」と「今」という比較」は、部下の1つ1つの仕事を気にかけていないと的確なフィードバックができません。
難易度も上がります。
労力もかかりますが、その分有意義になると思います。
リーダーとして「メンバーから楽しみにされるMBO」をしたいと願う人は多いと思います。
そう思ったとき、話す内容の視点を少し変えると、MBOの時間が一層有意義になると思います。
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