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海外の大学と日本の大学の違い Pt.2

こんにちは、tkです。
本日は Pt.2 ということで引き続き、自分が海外と日本の大学を比較しているときに欲しかった情報をまとめていこうと思います!

Pt.1 はぜひこちらから。


①レジデンシャル・カレッジ制度

いわゆる学生寮になる Residential College。もちろん、英国の大学から影響を受けているということで普通の宿泊施設とはまた異なります。

レジデンシャル・カレッジとは各大学に付随する学生寮のことで、シドニー大学では9つのカレッジが存在します。カレッジでは一日3食が食堂で提供されるだけでなく、常にチューターが在籍しており、学生の勉強をサポートする体制が万全に整っています。また、それぞれのカレッジには図書館やダイニングホール、バーなど様々な施設が揃っており、月に数回、カレッジの学生全員で食事をする「フォーマルディナー」に加えて、カレッジ同士のスポーツ大会など、様々な学生同士の交流が行われています。
ちなみにアメリカと違って、こっちでいう「インカレスポーツ」はカレッジ同士のスポーツチームの戦いを指します。

また、多くのカレッジは伝統的な側面があり、卒業生と在学生の縦のつながりはとても強いとされています。例えば St. Paul's College は1856年に設立されたカレッジで、メンタリング制度や卒業生向けのイベントが充実しているらしいです。

また、面白いのがそれぞれのカレッジによってかなり特徴が違うこと。カレッジのウェブサイトから雰囲気の違いを感じることができるのですが、定期的に礼拝を行うキリスト教色が強いカレッジもあれば、とにかく学力主義みたいなカレッジもあったりして、多種多様です。

カレッジはシドニー大学にとって象徴的な存在であり、大学校舎内の至る所にカレッジのエンブレムが装飾されています。特に The Great Hall の中にある天使の石像とカレッジのエンブレムを組み合わせたデザインは圧巻なので、ぜひシドニー大学を訪れた際は見に行ってほしいです。

各カレッジのエンブレムを誇るステンドグラス。綺麗すぎて棒立ちで眺めてました

ちなみに英国本土の方でのカレッジ制度は以下のウェブサイトが分かりやすかったので、詳しくはこちらで。

最も大きな違いといえば、オーストラリアではカレッジに入る生徒は全体の一部分なのに比べて、オックスフォードやケンブリッジなどでは基本全学部生がカレッジに所属するというところです。また、英国では同じカレッジに所属する教授の授業を受けるのが普通ということを知ってびっくりしました。
ハリーポッターのハウス制度はオーストラリアと英国のカレッジ制度を混ぜたような感じですね。

ちなみに、気になる費用は St Paul's College を例にあげると、1年間で380万円近く…!つまり月32万円の家賃を払うことになるので、最適な生活環境が整っているとはいえ、実際に入るとなると躊躇してしまう金額です。

というわけで、カレッジは何となく全体的に高級なイメージがあります笑
実際にカレッジに住んでいるという人にまだ会ったことがないので詳しい話はあんまり分からないんですが、費用さえそんなにかからなければ一回は経験してみたいなーと思う制度です。

というより、憧れのオックスフォードで経験してみたい!笑
密かな目標だったりします。

②サークルの種類・役割

日本と同じように、多くの学生にとってサークルは大学生活の中で中心的な役割を果たしますが、こっちでは少しサークルの種類や運営の仕方が異なる部分があります。

まず、サークルは趣味系のものが多いのはもちろんなんですが、留学生が多いからこその異文化サークル、それぞれの専攻のサークル、そして何よりコンサルティングサークルや株式投資サークルなど、就職に焦点を当ててるサークルなどがあり、とても充実しています。

コンサルティングサークルは本当に面白そうで、実際に様々な分野の企業をクライアントとして迎え一学期の間に小グループで企業の問題解決に取り組んで学期末に成果発表をするという活動を行なっています。ここで驚いたのが、代表グループに入るために選考プロセスがあるということ。しかも、インタビューの一環として実際にコンサルティング企業が行なっているケース面接をこなさないといけないんです。
当たり前ですが、シドニー大学の名前を背負って企業と対峙することになるので、選考プロセスはそれ相応に厳しいものであるそう。

話を聞いた人のうちに、3年連続、前期と後期合わせて6回応募したことがあるものの、まだ1回も代表グループに選考されたことがないという人がいて、そんなにも熾烈な戦いなのか…とひたすら驚きました。
その人は今期も挑戦すると言っていたので、どうか受かってますように!

また、卒業生や特定分野の専門家を招いてトークセッションやネットワーキング会を開いているサークルがとても多いです。就職が激戦であるからこそ、早めに情報収集をしたり人脈を広げることに熱心な学生が多いようですが、その場をサークルが提供しているのがすごいなーと思います。
就職の競争率が上がっていくにつれて、日本でも少しずつこのようなサークルが増えていく予感がしますね。

と現実的な一面がありながらも、やっぱりサークルの一番の目的は友達を作ること。私も知り合いを増やすためにボルダリングサークル、日本文化サークル、スノーケリングサークルととりあえず色々入ってます笑。

ボルダリングはまってます!!上半身ムキムキになりたい

ただ、人数が人数なだけに大規模なサークルが多いので、日本のように10~20人ぐらいで居酒屋で盛り上がろう!みたいなのはあんまり頻繁には起きないみたいです。
日本のサークルのあのワイワイした感じ、いいですよね笑。

また、サークル内で役職がある部分も日本と同じなんですが、運営の仕方としてInstagramやFacebookで活動を定期的に一般公開しているサークルがほとんどです。気になるサークルの活動が簡単にチェックできる上に、入会したいと思ったらすぐに入れる仕組みになってるのが便利だと思います。

あと、役職は学年関係なく誰でも応募してインタビューを突破さえすればなることができます。ただ、その応募プロセスで詳細な志望動機やレジュメを求められることが多く、随分とカッチリしてるなあ…というのが印象です笑。
でもそれだけの熱量を持ってサークルに貢献してほしいということだと思うので、私も頑張って後期は色々応募してみようと思ってます。

③就職に対する意識

こっちに来てから度々思うのが、海外の学生は就職に対する意識が最初からかなり浸透しているということです。

自己紹介の時に専攻が何か話した後、だいたい続くのが「どういう仕事に就きたいの?」という質問。専攻が細分化されているからこそ、それぞれの人が学びたいこと、やりたいことがはっきりしている場合が多く(全然決めてない人ももちろんいる)、その専攻を活かせる分野は何々で〜みたいな話がよく起こります。とにかく給料目当てで昇進しまくりたいという野心的な人もよくいます笑。

他にも、大学の就活センターでは毎週就活に関するイベントがたくさん行われていて、インタビューの受け答えの仕方やレジュメの書き方など、様々な講座が全学生に向けて開かれています。魅力的な LinkedIn の作り方講座とかもありました。
進路に悩んでいる場合は就活センターの職員さんと面談をすることもでき、マンツーマンで自分の進路について考える環境が設けられています。

海外の大学はとにかく就職について考える機会が多いというか、考えざるを得ない環境だとよく感じます。

ただ、オーストラリアの大学は基本3年制なので、そういう意味でも就活を早めに意識する人が多いのかもしれません。

アメリカの大学に通っている交換留学生の友達によると、アメリカの大学は4年制のため、学年ごとによる就活の流れは実は日本と全く同じらしいです。ただ、競争が熾烈なため、インターン探しは1年生から始める人も多いとのこと。

結論、就活はどの国においても大変そうです…

④大学主催のイベントの多さ

とにかくイベント好きな海外大学。
学校のメールアドレスには毎週、大量のイベント告知メールが届きます笑。

特に面白いと思うのが、図書館が提供しているイベントです。図書館といっても本だけが置いてあるのではなく、デザイン専攻の学生が普段使っている3Dプリンターやミシン、写真編集ソフトなど様々なツールが自由に使える初心者向けイベントがよく開催されています。

また、大学だけでなく学生連合が多くのイベントを仕切っていて、ライブやクイズ大会など毎日何かしらキャンパス内で起きています。日本の大学ではイベントというと講演会や文化祭などがメインで、あとは各サークルによるものが基本だった覚えがあるので、勉強とは違う形で大学と関われるのは素敵だと思います。

大学のバーで行われた、時差ぼけと鬱の関係性に関するトークショーの様子

でも、実はシドニー大学(とゆうかオーストラリアの大学?)はアメリカやイギリスの大学と比べるとイベントの盛り上がり度は全然少なく、海外大学の代名詞的な「スポーツ観戦」もあまり大きなイベントではありません。
その理由としてはおそらく、多くの現地学生が大学から30分〜1時間半ほどかかる実家に住んでおり、いわゆる学生街がないため、「コミュニティー」としての認識が薄いからです。

一応ライバル校として同じシドニーに位置するニューサウスウェールズ大学がありますが、ハーバード vs イェールや早稲田 vs 慶應ほどの闘争心は見られません笑。

どっちかというとドライな雰囲気なので、大学生活を満喫するには自分に合うコミュニティーを見つけるのが大事になるのではと思います!

⑤デモがよく起きる

今、シドニー大学を訪れると真っ先に目に入るのはゴシック建築の建物の前にズラーっと並んだキャンプテントの群れです。
巨大なメガホンを持って叫んでいる人や荒々しいメッセージが書かれた横断幕の数々。
これは、学生の有志団体によるガザ地区での戦争に反対するデモの様子です。他にも、キャンパス中に同じ団体の抗議ポスターが貼られていたり、そこら中の壁や床にカラフルなチョークでメッセージが書かれています。

チョークで勝手に書くのはさすがにいけないのでは?と思ったりしますが、大学のスタンスとしては表現の自由は皆に認められているため、他者に迷惑をかけない(例えば授業を妨げない)限り意見を表明してよいということ。

デモを行っているのは一部の学生ですが、少し盛り上がって過激になりそうな雰囲気が漂っている時もあるため、キャンパス内の警備員が集まったりしていることもあります。

日本ではなかなか見られない、「海外感」を感じる場面の一つです。


こんな感じで、今回もたっぷりと海外の大学と日本の大学の違いをまとめてみました。

ちょうど今週でシドニー大学で勉強し始めてから10週目となるので、ようやく大学の仕組みも分かってきた感じです。本当に長かったような短かったような。

チャイティーラテの味が日本と同じで安心笑

余談ですが、こちらの授業では日本の大学みたいに寝てる人を見かけることがほぼありません。それもそのはず、こちらの大学では全ての授業が録画されているため、とりあえず授業に参加するよりは自分でスケジュールを立てて勉強する方が圧倒的に効率がいいからです。日本でもこれを取り入れたら出席者数は減るけど、教室に残っている人は意欲的な人たちばかりだから議論が活発化するのかなあ…なんて思ったりします。
その上で、やっぱり授業に出席している人の方が大体成績はいいらしいので、それはどこの大学でも同じことですね笑。

ここまで読んでくださりありがとうございました!

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