ニンゲン 3
ニンゲンになりたいと僕が言った時
神さまたちにものすごく反対された
寿命は短いし
他人の考えは読めないし
身体はもろくて
自分を偽るやつばかりだと
それでもなりたいと言うと
集まった神さまたちは
困惑しながらも
僕を地上に降ろしてくれた
もう元には戻れないよと念を押され
妹も一緒にと言う条件で
ニンゲンの世界は
種を残さないといけないらしい
だからペアでニンゲンになった
僕ら兄妹は子供の頃から
ニンゲンに興味を持っていて
よく下界を覗き見して遊んでた
理解出来ないことがたくさんあった
幸せそうな出来事をいくつも見た
僕と妹は喜んで
ニンゲンになることにしたんだ
きっとみんな喜んで
ニンゲンになったはずなんだ
期待とか希望と言うものを
胸いっぱいに溢れんほど抱え
多少の犠牲を引き換えに
この地上でしか味わえない
愛や幸せに出逢うために
ね、そうでしょ?
なのにニンゲンはみんな
悲しい表情をしているように見えた
疲れた顔で下を向いていた
笑顔の奥に涙が見えた
ニンゲンを理解するのは
思ってたよりも大変かもしれない
カフェで書いたりもするのでコーヒー代とかネタ探しのお散歩費用にさせていただきますね。