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細菌がゲノム外に隠された遺伝子を持つことを発見、人間にも同様の可能性が!? コロンビア大学

1960年代に遺伝コードが解読されて以来、私たちはゲノムが生物の遺伝情報の全てを包含していると考えていました。しかし、コロンビア大学の研究チームが発表した新しい研究によると、細菌はゲノム外に存在する浮遊する遺伝子を生成できることが明らかになり、この発見は従来の生物学的理解を覆すものです。

この研究は、細菌がウイルスから自分たちを守るために新しいDNAを合成する機能を持つことを示しています。具体的には、逆転写酵素という酵素を使用し、RNAの一部をもとに繰り返しDNAを生成します。このDNAは「Neo」と名付けられたタンパク質をコードしており、このタンパク質はウイルス感染から細菌を守る重要な役割を果たします。

従来、ゲノムが全ての遺伝情報を持っていると信じられていたため、この研究結果は科学者たちを驚かせました。ある科学者は「エイリアンの生物学」と表現し、その驚異的な発見に驚嘆しました。このようなゲノム外の遺伝子がヒトなどの高等生物でも存在するならば、それは生物学において革命的な発見となる可能性があります。

この研究では、細菌が持つ防御メカニズムをさらに解析するために、新しい技術が開発されました。研究者たちは、これらの逆転写酵素を利用してゲノム編集技術のさらなる進化を目指しています。既存のCRISPR技術にこの逆転写酵素を組み合わせることで、ゲノムの特定箇所に新しい情報を追加することが可能になるとされています。

これまでに発見された逆転写酵素の多くは、まだその機能が完全に解明されていません。研究チームは、細菌が持つこれらの酵素が、新しいバイオテクノロジーの開発において重要な役割を果たす可能性があると考えています。彼らは、さらなる研究によって、これらの逆転写酵素が持つ可能性を明らかにし、新たな治療法や技術の開発に寄与することを期待しています。

この研究は、医学および遺伝学の分野において新たな道を切り開くものであり、ゲノムの概念を根本から見直す契機となるでしょう。今後の研究で、人間の細胞にも同様の浮遊遺伝子が発見される可能性があり、その影響は計り知れません。

詳細内容は、コロンビア大学が提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7


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