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フランスのTV「プレッシャーに押しつぶされる日本社会」

フランス滞在4日め。夜8:00、なにげなくテレビを見ていたらギョッとする番組がはじまりました。「プレッシャーに押しつぶされる日本社会」。ゴールデンタイムにこんな形で日本が紹介されるとは!いったいどんな番組でしょうか?

なぜ日本でコスプレ文化がはぐくまれたのか?

「日本人はまじめな気質といわれ、若者は親や社会から無意識に固定概念を植えつけられ、いつのまにかその固定概念がプレッシャーとなり心を支配している。"〜しなければならない"と洗脳されるとその枠からはみ出るのが怖くなる。たとえば、親から
"いい大学に入らなくてはいけない"
"いい会社に入らなくてはいけない"
と言われる。
若者たちはそれが正解だと思いこみ、いったんその道を外れるとダメ人間のレッテルを貼られるのではないか?と怖くなる。

社会人になってからは
"ルールに従わなくてはいけない"
"業績を上げなくてはいけない"
"残業・休日出勤をしてでも人出不足を補い売り上げを上げ続けなければならない"
と追い詰められる。

そんなプレッシャーに追い詰められた彼らが見つけたのは

"もう一人の自分を演じること"

だった。親から植えつけられた固定概念、ルールに縛られた日常生活、締め付けが厳しい社会人生活のストレスから逃れる手段の一つがコスプレだった。」

「好きなキャラになりきることで精神が解放される。いつもとちがう自分を発見し、"わたしはこんなこともできる人間なんだ"と自己肯定につながる。

海外から日本のそんな姿を見て多くの共感を呼び、今やコスプレ文化は日本の文化として世界に発信している。つまり、コスプレ文化は日本独特のプレッシャーに押しつぶされそうになった若者の自由への欲求によって発展した文化だ。」

子育てするのはママだけ?

女性へ多くを求めすぎる日本

「日本は長年、少子化を抜け出せない。
政府は保育園不足を解消できず、子供を抱える女性たちは多くの矛盾とぶつかっている。
たとえば、働きたい女性は保育園への入園希望を申し出ても"働いていない"という理由で落とされる。預けなければ働けず、いつまでも決まらない。一方、すでに働いている女性が保育園の入園希望が叶ったとしよう。なぜか子供の送迎で目立つのは女性だ。なぜ男性が子供の送迎に加わらないのか不思議である。

保育園に通わせるある女性にインタビューをした。
"日本の会社で男性の育児休暇を認めているところはほぼない。男性が時短勤務なんてもってのほか。企業は会社の業績が一番です。だから女性が時短勤務となり朝晩の送迎を担当するしかない"

日本社会は女性に多くを求めすぎている。
出産しろ、子供を育てろ、働け、と。
たしかに出産は女性にしかできない役割だがそれ以外は男性も協力できるはずだ。

"子供を産まなくてはいけない、
いい母でなくてはいけない、
いい妻でなくてはいけない、
職場でも活躍しなくてはいけない"

日本の女性たちは強いプレッシャーで押しつぶされそうである。とても窮屈で生きづらさを感じている。日本の男性や日本企業の認識が変わらない限り、この呪いから逃れられない」

〜番組終了後の所感〜

悲しい。

こんな形で日本が紹介されるなんてホント悲しかった…。異国の地でやりきれない気持ちでいっぱいになりました。
わたしのヒアリング不足で細かいニュアンスが伝えられず本当に申し訳ないのですが
" C'est incroyable !=信じられない"
"Ça m'étonnerait !=そんなことは考えられない"というキーワードが端々に使われていました。

しなくていけない病からの脱却

"〜しなくてはいけない"病は学校選びや会社選びにおいてたしかにはびこっていて、精神や発想の自由を奪う呪いだと感じました。
いい学校、いい会社に入る価値観は否定しません。そこにたどり着く努力の過程も評価されていい。
その先にある「なにが一番幸せか」という根本的な人間の尊厳が、親の表面的な見栄や権力で見失われるのであれば本末転倒です。

働く女性については、以前わたしが働いていた企業は幸いにも子育てに理解があるIT企業でした。日本企業では珍しく男性の育児休暇が認められ、何人か取得していましたし、男性の中でも曜日を決めて時短勤務をしていました。
少子高齢化で空前の人出不足。
女性の採用を積極的に進めていく中で、今まで女性に多くを求めすぎた固定概念にとらわれていては、求人をしても応募がなく、業績が良くても人手不足で事業縮小ということもあり得ます。いまだ"子育ては女性がやるべきだ"という考えは恥ずべきものだと捉え、どうかこれからも"日本の闇"を世界に晒さぬようにしてほしいと切に願います。

#働き方改革 #フランス #コラム #フリーランス #起業 #ドキュメンタリー #働く女性


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