引きこもりだった僕が 人の支援にまわるまで② 〜ひっかかり〜

ある研修会で初老の男性と出会いました。彼のことを悪くいうつもりではありません。彼と言うと失礼ですね…Aさんと言わせていただきます。

期間は3ヶ月。自己啓発の類いでありましたが、Aさんとその研修会でペアになりました。年の離れた経歴も境遇も全く違うもの同士。はじめまして、のその後Aさんは1つ間を置いてこう言いました。

『わたしね、鬱病なんです。それも深刻な。もうダメなんです。ホントにダメなんです。わたしなんか』

衝撃的な告白ではありましたが、自然とネガティブな気持ちにはなりませんでした。今までこういった方とはたくさん出会って来ましたし、関わり方は分かっているつもりでいました。

『そうですか。気楽にいきましょう!僕が精一杯サポートしますから!』

なんて明るく言いながら、3回り程も歳上の相方との生活が始まりました。ずーっとネガティブな発言ばかりするAさん。大変だなーとは思いながらも、「危ない、危ない、否定はしてはいけない!」と持ち合わせの知識で対応していました。2週間もすると、少しAさんが元気になってきたように感じて、日課もしっかりこなしているし、「この調子、この調子」という気持ちでした。ところがある日を境に、何か違和感を感じるようになったのです。

『はぁ、わたしなんかいない方がいいんですよね。』

いつも通りネガティブなことを言ってくれるAさん。「しっかりサポートしないと」と思いながらも

『んー…』

と、今日は言葉が出てきません。何とか言葉を出そうと再チャレンジ。

『んー…』

やっぱり言葉が出てこない。軽くパニックになりました。この気持ちは何だろう。どういう気持ちなんだろう。そんな時急にある感情が心の奥底から込み上げてきました。

イライラだ

それから僕とAさんとイライラ君との共同生活がスタートしました。

つづく
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