読了『今日も一日きみを見ていた』
猫飼いは誰しもこうなるのだろうか。
本書は、作家 角田光代さんのお宅に猫ちゃんがやって来る、その日々の猫エッセイである。
猫の・・・なんとも奇妙な魅力に満ち溢れている。
猫というのは実に不思議な魅力を持っていて、猫飼い初心者はすぐさまその魅力にノックアウトされることも多い。
著者もその1人だ。
猫のトトちゃん。
いわゆる、猫である。
猫はNNNという、猫界の派遣会社から派遣されてくる。
そうして、その家が気に入ると、正社員として入社するのである。
猫は自分は意図していないが、住む人を癒やす仕事を見事にこなしている。
本書のトトちゃんもそうだ。
猫の何気ない仕草、動き、寝ているだけでも猫は仕事をしている。
のんびり寝つつ、のんびりニャルソックをしつつ、確実に仕事をこなしていく。
本書はトトちゃんの魅力に溢れた一冊だった。
また、長いこと猫を飼っていると忘れてしまう、そうだ、それも新鮮だった、と思い出させてくれる仕草に溢れている。
タイトルがそうであるように、猫飼いの多くは
『今日も一日きみを見ている』。
著者は猫にデレデレではない口調なのに、猫にデレデレになっている様子がよく伝わる一冊だった。
普段見れない角田さんの一面も垣間見ることができるだろう。
コーヒーや紅茶を片手に、雨の午後のんびり読むのに適した本だった。
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