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詩・言の葉・小説

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詩や言葉の投稿を掲載していきます。 小説もここに掲載していきます。
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2024年8月の記事一覧

【連載小説】公民館職員 vol.8「繁忙期」

3月。 決算シーズン真っ只中、私は収入部門の数字と闘っている。 あれ以来平野さんと会話す…

ちびひめ
7時間前
13

【連載小説】公民館職員 vol.7「好きだよ」

平野さんが好きだと気づいてもう2ヶ月が経つ。 相変わらず私は平野さんのロッカーを勝手に開…

ちびひめ
1日前
20

【連載小説】公民館職員 vol.6「香り」

冬が来る。 バイク通勤の平野さんはこの時期重装備になる。 とはいえ、元々が細身なので、普…

ちびひめ
2日前
28

【連載小説】公民館職員 vol.5「輪転機」

コピー機が故障した。 たいていちょっとした故障ならいつも私が直してしまうのだけれど、今日…

ちびひめ
3日前
23

【連載小説】公民館職員 vol.4「四半期」

第2四半期の報告書をまとめる。 中心は平野さんで、私はそのサポート。ちずるは嘱託職員の部…

ちびひめ
4日前
26

【連載小説】公民館職員 vol.3

今日は窓口でちょっとしたいざこざがあった。 私が対応していたのだが、コピーを頼まれた枚数…

ちびひめ
5日前
19

【連載小説】公民館職員 vol.2「仕事」

今日は図書室の嘱託が一名休みの日だ。 二階にある図書室、来館者は少ないが、前担当が放置していたため、することはたくさんある。 私は図書室に上がると、本の整理を始めた。 そこにふらっと現れた平野さん。 「なんか面白い本入った?」 「新刊がいくつか来てますよ」 私は新刊を並べながら言う。 「あー、じゃあこれ借りて帰ろうかな」 平野さんが手にしたのは私の大好きな作家の本だ。 「それ、超オススメの作家さんです!」 「そぉ?じゃやっぱりこれにしとこうかな」 平野さ

【連載小説】公民館職員 vol.1「公民館」

私は今、絶体絶命の危機にさらされている。 「ユキ、大丈夫?」 「う、うん、なんとか……」…

ちびひめ
7日前
27

【短編】365日分の1の恋

楽しげに街を行く恋人たち 私はと言うと小さな紙袋を持って一人きりだった あなたが帰る電車…

ちびひめ
8日前
25

【詩】不眠症の眠り姫

眠れなくてこの時間 いつものことだとため息 私は不眠症の眠り姫 朝日を浴びて寝る毎日 効…

ちびひめ
9日前
38

【童話】キヨカちゃんとシロクマさん

 おはよう! シロクマさんが言いました。  おはよう! キヨカちゃんも言いました。  二…

ちびひめ
10日前
18

【詩】愛

血が燃えたぎる 貴方を誰のものにもしたくなくて この身を焦がしても手に入れたい それが愛…

ちびひめ
11日前
24

【連載小説】俺様人生 vol.29「エピローグ」

マサトを入れて毎日が回りだす。 マサトは結婚式のみの担当――俺が元々そうだった――だから…

ちびひめ
12日前
19

【連載小説】俺様人生 vol.28「救いの手」

救いの手は神々しく輝いて見えた。 「年齢も年齢だし、そろそろオフィスを閉めようかと思ってね。でも、機材ももったいないし、どうだろう、レンくん。あとを継いでみないか?」 オフィス光の社長が言う。 うんうんうん、継ぐ継ぐー!! 元々オフィス光には常駐の人間がおらず――というか社長と折りが合わずにみんなやめていったんだけど――ほぼ社員はバイトの俺だけしかおらず、あとはヘルプの人を交互に入れて回していた。 今まで社長がやってきたことは、ほとんど俺も手伝ってきたから、だいたい