【連載小説】透明な彼女 vol.18「海」
翌日からは絵を描くことに専念する。
ユイが少しずつ大きなカンバスに色をのせていく。
俺はそれをチラ見しながら自分の絵を描く。
最近やっとファンができたようで、俺の絵も売れてきていた。
ユイにはかなわないけど。
ユイには手が届かない部分を塗るために、俺は小さな椅子を買ってくる。
これで全部塗れるだろう。
ユイはありがとう、と言い、また絵に専念する。
途中、絵の具が足りなくなり、買い足しに行く。
ユイが使う絵の具は、赤や黄といった、明るい絵の具が多い。
ほとん