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大槻ケンヂに見守られて


「人として軸がブレている」という曲を知っているだろうか。
2007年に世に発信され、当時、
劣等感にまみれた高校生の僕に、
尊敬する先輩がすすめてくれた曲だ。

衝撃と共に、初めて大槻ケンヂを知った。

「絶望先生(1期)」というアニメのOP曲である。
この後もアニメの2期、3期とOPの曲を担当。

どこにでもいる
特別恵まれてもいなければ、
挫折が多く、自分に自信も希望も持てず、
誰かを羨み、自分を卑下して、惰性で何となく生きている

「劣等感まみれの若者」の心情とそんな自分を抜け出そうと
藻搔き生きる際に伴う葛藤をシリーズを追うごとに見事に、
リアルに歌にされている。

「見事に」と思ってしまうのは、歌の歌詞全くそのもののような人物では
ないが、状況は違えど、僕もまた彼が歌ったのと近しい心情を抱える若者で
あったからだ。特殊なことでもなんでもない。

劣等感まみれの若者であれば、近しい感情や感覚を持っていたはずだから。

大槻ケンヂを知ってからというものは、曲という曲を聴き漁った。
(筋肉少女帯、特撮、大槻ケンヂと絶望少女達など)

なんでこんなにも「ダメな僕ら」の気持ちが分かるのだろうか。

そしてどこかそんな「僕ら」を見守ってくれている。

「大丈夫だよ」と言ってくれているような優しさを感じる。


「ロコ!思うままに(011)」「じゃあな」など、

彼が発表している多くの曲に、若者をそっと見守り、見送る、

大槻ケンヂの柔らかな優しさを感じる。

「ロコ!思うままに(011)」

歌:特撮 作詞:大槻ケンヂ
作曲:NARASAKI

せっつかされたように 話してる
語る君の物語は
行ったことない異国で君が
恋をしたり 楽になったり
聞いたふりさえ 長くもなると
君の上の 空を見てた雲の揺りかご
すっぽかされたように 泣いていた
あの日 君の つくり話は
誰もいない世界の中で
人と話し 友になったと夏はいざなう
微笑む人と夢で出会い
ふり向いて
まだ笑ってくれてたら
手を振れよ あがなうなロコ!思うままに
生きてごらんよ
足はもつれさせていいさ
倒れたとしても
やりきれなくても
いいことしかないさ
どこまで夜なのだろうか
シャラララ
空中へ 投じた

さぁ 天外へ

ロコ!思うままに
生きてごらんよ
腕はからませてもいいさ
涙こぼれても
傷つく時にも
いいことしかないさ
ロコ!生きるままに
歩いてごらんよ
足はもつれさせていいさ
悲しくなっても
何があっても
いいことしかないさ
いいことしかなかった


「ダメな僕ら」の大先輩、大槻ケンヂ。

「いいことしかなかった」と、少し先に歩いた先輩が囁く。
(実際には自身の小説の主人公へ宛てたメッセージだけれど)

会ってもいない人に、救われた。

今もきっと救われている。

あの時、教えてくれた僕の先輩もまた、

きっと、大槻ケンヂに救われたんだろうなぁ。

と今ならなんとなく分かる。

今頃、ようやく分かる。


今まさに、悩める若者は、
大槻ケンヂの歌を聞いてみてほしい。

きっと、あなたが救われる。

(大槻ケンヂの強烈な信者より)


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