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VUCAの時代、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性を乗り越えるリーダーシップとチームワークの本質を『アポロ13号』に学ぶ

VUCAの時代、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性を乗り越えるリーダーシップとチームワークの本質を『アポロ13号』に学びましょう。


はじめに
VUCAの時代は予測不能なことだらけ…
この状況を乗り切るために現場を預かるリーダーにどんな判断と行動が必要で、チームのメンバーはそれにどう応えるべきか、リーダーシップとチームワークについて考えます。ここでは、『アポロ13号』から学び、ジーン・クランツの10ヶ条を現代のビジネスにどう活かすかを探ります。


クランツの10ヶ条

クランツの10ヶ条
1.Be Proactive(積極的に行動せよ)
2.Take Responsibility(自らの仕事に責任を持て)
3.Play Flat-out(目標に向かって脇目を振らず、速やかに遂行せよ)
4.Ask Questions(分からないことは質問せよ)
5.Test and Validate All Assumption(考えられることはすべて試し、確認せよ)
6.Write it Down(メモをとれ)
7.Don’t Hide Mistakes(ミスを隠すな)
8.Know Your System Thoroughly(自分の仕事を熟知せよ)
9.Think Ahead(常に先のことを考えよ)
10.Respect Your Teammates(仲間を尊重し、信頼せよ)

出典: JAXA宇宙航空研究開発機構『金井宜茂の宇宙飛行士修行日誌その13


リーダーに求められる資質

現代のビジネスの現場では、特にVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代において、リーダーとチームの適応力が試されています。アポロ13号のミッションから学べるジーン・クランツの10ヶ条は、現代のビジネスリーダーとチームにとって貴重な示唆を提供します。

まず、リーダーは積極的に行動し、責任を持つ姿勢が求められます。クランツの「Be Proactive」と「Take Responsibility」は、迅速な意思決定と自己の役割に対する強い責任感を意味します。VUCAの時代には、リーダーが積極的にイニシアティブを取り、自らの判断で行動することが不可欠です。待ちの姿勢では環境の変化に取り残されてしまいます。

さらに、リーダーは目標に向かって集中し、常に先を見据えた行動が必要です。

アポロ13号の事例では、船長のジム・ラヴェルが「家に帰る」と明確な目標を示し(3. Play Flat-out)、問題発生の原因追及ではなく「生き残ること」に集中するよう促しています(9. Think Ahead)。

また、管制官のクランツは「栄光の時だ」と士気を高め(10. Respect Your Teammates)、チームの一体感を保ちました。

チーム体制の重要性

リーダーはこのように、目標を明確に示し、現状へのこだわりを手放し、チームの団結力と自信を高めることが危機を乗り越える鍵となります。VUCAの時代には、状況が刻一刻と変化するため、リーダーは常に本質を見失わず、メンバーを目標達成に向けて導く必要があります。

一方で、チームメンバーも自らの責任(2. Take Responsibility)を果たし、疑問や提案を素直に表明する(4. Ask Questions)など、リーダーと協力してミッションの達成に全力を尽くす必要があります。

リーダーとメンバーが一丸となって課題に立ち向かうことが、VUCAの時代を乗り越える鍵となるのです。

ビジネスシーンへの応用例

例えば、アポロ13号の危機的状況でクランツが示したリーダーシップは、現代のビジネスシーンにも応用可能です。

事故後、クランツは即座に冷静な判断を下し、チームに対して明確な指示を出しました。

彼の「10.Respect Your Teammates」という姿勢は、リーダーがチームメンバーの能力を信じ、最大限に引き出すことの重要性を教えてくれます。

また、クランツはミスを隠さずオープンにする文化を推進しました。「7.Don’t Hide Mistakes」は、失敗から学び、再発防止策を講じるために必要な指針です。

このアプローチは、ビジネスにおいてもチーム全体の成長を促進します。VUCAの時代には過ちは避けられません。
重要なのは、その過ちを認め、原因を分析し、改善へとつなげることです。

まとめ

以上のように、クランツの10ヶ条は、VUCAの時代における効果的なリーダーシップとチームワークの基本を示しています。

これらの原則をビジネス現場に適用することで、リーダーとチームは不確実な状況に柔軟に対応し、成功へと導くことができるでしょう。チームとリーダーが成し遂げるべき最終目標は「ミッション達成」です。

この「アポロ13号」と「クランツの10ヶ条」からは、そのための具体的な行動指針が得られます。リーダーシップとチームワークを通じて、VUCAの時代の困難な状況を乗り越えていくことができるのです。


Moonshotの設定もVUCAの時代には大事です。


おまけ:VUCAの時代にクランツの10ヶ条をあてはめてみる


■変動性への対処 

3. Play Flat-out(目標に向かって脇目を振らず、速やかに遂行せよ) 
10. Respect Your Teammates(仲間を尊重し、信頼せよ)

■不確実性への対処 

4. Ask Questions(分からないことは質問せよ)
9. Think Ahead(常に先のことを考えよ) 4. Ask Questions(分からないことは質問せよ)

■複雑性への対処

  1. Be Proactive(積極的に行動せよ)

  2. Take Responsibility(自ら責任を持て)

■曖昧性への対処 

5. Test and Validate All Assumptions(考えられることはすべて試し、確認せよ) 
6. Write it Down(メモをとれ) 
7. Don't Hide Mistakes(ミスを隠すな)


このように、クランツの10ヶ条を改めてVUCAの観点から整理してみると、それぞれの原則が状況の変動性、不確実性、複雑性、曖昧性へどう対処すべきかを示すTIPsになりそうです。
VUCAの時代を生き抜くリーダーとチームは、この10ヶ条を応用して適切な行動を開始しましょう!

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

それでは、また。

UnsplashThe New York Public Libraryが撮影した写真をヘッダーに使用しました。
The New York Public Libraryに感謝を申し上げます。

参考:VUCAに関する記事です。


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