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鏡面世界に入り込んだようなシュハダ通り

ヘブロンに行ってきたのは前にも書いた。

ヘブロンは好きな街だけど、行くのにエイヤー!がいる。好きだけど足が向かない、好きだから。

行くたびに占領が進み、もう見るからに入植地が増えたー!と悲しくなり、そして緊張感が増し、パレスチナの人々の生活は苦しくそれは金銭的な厳しさだけでなく心の苦しさも増して行くのが明らかに感じとられるからだった。それなのに、コーヒー飲んで行きなよー!とか、これ買います!というと、これはじゃあお土産で持って帰れ金は要らないとお金を受け取ってもらえなかったりもする。もちろんそうじゃない人もいて、1つでいいから買って行って、ビジネスじゃないサポートだ!と言ってくる。本当にサポートだと思うけど、1軒買えばこっちもこっちもとなってしまうから心苦しいけど自分ができるサポートの範囲を超えない程度にしかしない、できればご縁があった信頼できる知った人のところで買う。これは絶対の自分ルール。入植者からのハラスメントまみれの旧市街のスーク(市場)ハラスメントがあるとはいえ、営業しているところは活気がある。そのほんの横にシュハダ通りはある。横と言っても壁が作られてしまったのですぐには渡れない。スークの入り口からチェックポイントを通過してその通りに漸く入られる。

しーん。不気味なほど静か。連なる家々、元商店、元プール、など元◯◯はすべてクローズ。

思い出すのはドラえもんの映画『のび太の鉄人兵団』
覚えている人はいるだろうか?ロボットの足かなんかを拾ったのび太くんは隠すために鏡面世界をプールかなんかを入り口にして作る。鏡の世界で丸写しなのだけど、そこに住んでいるはずの人がいない。本当はいるのだけど。

急にポップな色使いの新しい道標が見える。英語とヘブライ語の表記。入植者の人たち向けの案内。
イスラエル国内から、海外から多くの入植者たちが来ると同時にその人たちを守るイスラエル兵も来る。

商店は軒並みクローズさせられているこの通りとその先にまたもチェックポイントそしてそのまた先、H2と呼ばれるエリア。

ヘブロンは元来、焼き物やガラス工芸、革製品が盛んなエリア。H1はその体を成しているが、H2の主な産業は何?と聞くと産業なんてない。ゼロだ。そう答えが返ってきた。

H2を着物で歩いてみた。もちろんチェックポイントも。ノーチェック、パスポートさえ見せなくてよかった。

翌日、普段着と一眼レフカメラに望遠レンズをつけたものを持ち歩いていた。チェックポイントでひっかかった。

パスポートを見せて。君、ジャーナリスト?
違います。ツーリストです。

そんな会話。服装は違えど同じわたしが歩いているのに、こうも違うのか?それとも今回担当していたイスラエル兵が真面目な人で一人一人ちゃんとチェックしているのか?それはわからない。

わたしたちの知らない間に鏡面世界の出来事かのようにパレスチナでは入植地が広がっている。鏡面の世界だったらどんなによかったことか。

*入植地が広がるということはそこに住んでいた人は追い出されて家なき子になるということ。


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