2日目 再会

エルサレム2日目。朝10時、宿主に電話を借り道中のバスで出逢ったDylaに電話をする。

わたし・昨日バスで会ったあづさだけど、覚えてる?

Dyla・あづさ!連絡くれてありがとう。今日は予定何かあるの?ランチでも行きましょう。オールドシティも案内するわよ。

わたし・ありがとう。

Dyla・じゃあ、ダマスカスゲートに11時でいいかしら?

わたし・わかった、じゃあダマスカスゲートで。楽しみにしている。

Dyla・またあとでね。

心踊った。なぜかわからないけど、彼女と会うのがとても楽しみで仕方なかった。興奮した気持ちを抑えながら身支度をしたがまだ10時30分。ダマスカスゲートまで宿から5分程度。はやる気持ちを抑えるために時間はまだ早かったが宿を後に迷路であるスークを散歩することにした。どの店もまだ準備中といったところで野菜を並べていたり、店先を掃除していたり、オープン前の慌ただしさとわたしの心のざわめきがリンクしているようだった。店に展示しているCDやビデオを叩きにかけている店があった。そこから流れる音楽と言っていいのか祈りの声なのか、ムハンマドを讃えているであろうリズムと歌詞が耳に入る。店主に尋ねる。

わたし・この曲なんていうの?

店主・ ・・・・・(アラビア語なので聞き取れない)

わたし・ごめん、わからないわ。よかったら綴りを教えて。Youtubeで探してみる。なんだか耳障りが良くて。

そう言ってわたしはiPhoneのメモアプリを起動しキーボードをアラビア語モードにし店主に本体を渡し曲のタイトルをタイプするように促す。

この曲はこの店だけではなく、ヨルダンでも耳にしたことがあり気になっていた。ここにきてタイトルを知ることができたが、撥音はできないし歌詞もムハンマドの部分しか聞き取れないが。

時間は10時45分。

そろそろダマスカスゲートに向かおう。わたしは呼吸を整えながら、瞑想するような気持ちで足を踏み出し歩いてダマスカスゲートに向かった。

暗い門を通過すると、急に空が開け青空と熱い太陽の光が肌を刺す。

程なく、わたしはDylaを見つけた。

笑顔で駆け寄る。

Dyla・来てくれてありがとう。

わたし・こちらこそ、誘ってくれてありがとう。

Dyla・観光はした?

わたし・昨日はオールドシティを歩いてまわったよ。

Dyla・そう、それはいいわね。今日はせっかくだから普通の観光地は違う場所を案内するわ。それもエルサレムの1つの面だから。

わたし・ありがとう。

Dyla・じゃあ、行きましょう。こっちよ。

私たちはダマスカスゲート向かって左の方向に歩き出した。

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